centaury books19

読書メモ19

ここ数年の間に二度入院をした。いずれもさほど深刻ではない手術の後、それでも点滴やら何やらの管が付けられ病室に横たわって読んだのは、分厚いハードカバーの翻訳ものだった。文字通りの非日常にいた数日間、密林の奥や極北のベーリング海でヒトが逃げようもなく運命づけられた試練の日々を潔く淡々と送る様を、半ばぼんやりと読み続けた。彼らはわたしを圧倒し、同時に助け起こす。極限を歩き続けたヒトビトの遠い声が、治癒を支えてくれたように思うのだ。

2019年1月1日〜 
updated 12/26/19


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