昆虫採集のススメ −街灯採集編−

タカ



昆虫採集に行きましょう!
是非行きましょう!!
何としても行きましょう!!!
昆虫採集はいいですよぉ!!!!

昆虫採集のススメでした。
...って、違うでしょうね、きっと(^^;

と言うことで、あらためて、「昆虫採集のススメ −街灯採集編−」です。



前置き



私の場合、あくまでオオクワ採集を考えています。
従って、話もオオクワ採集を念頭においています。
が、当然ながらオオクワのみが採れる訳ではなく、
 ・ミヤマ、アカアシ、ノコ、コクワなどのクワガタ普通種
 ・カブト虫
 ・カミキリ
 ・カナブンやゲンゴロウを初めとするさまざまな甲虫
 ・蛾
 ・セミ
なども、採集は可能です。



昆虫採集の楽しさ



まずは、昆虫採集の楽しさを語らないと始まりません。
昆虫採集の良さ、それは何より自然と触れ合うことです。
私の場合、採集地は東北、甲信越なのですが、それはもう自然の懐の深さにはつくづく感心してしまいます。
極端な話をすると、もう行くだけで満足、な〜んてこともあります。
そう言えば、小谷から妙高へ抜ける林道を通った時、巨木とも言えるようなブナの木がバンバン並んでいるのを見て、
 「はぁ〜、すっげぇなぁ〜」
と、車を停めて、呆然と眺めた覚えがあります(この日クワガタは1匹も採れなかったような(^^;)。
自然と触れ合いたい方(決して、クワガタを採りたい方ではありません)、是非一度は訪れてみることをお勧めします。

しかも、そんな山に行きますので、まず近くには温泉があったりして...
日中は温泉に浸かってゆっくりとし、夕方からおもむろに街灯採集へと向かうわけです。
時には朝から温泉に入ることも...
ひゃぁ〜! 最高っす!!
おかげで最近、すっかり温泉好きになってしまいました(^^

そしてまた、採集地で他の採集者にお会いして話をする、と言うのもまた楽しみです。
最近はまったく採集報告もない所に行くことも多くなり、誰にも会わないことも多くなりましたが、地元を遠く離れた所で、同じ趣味を持つ人とお会いし、しばしお話をする。
これがまた楽しいのです。
時には折角のゴールデンタイムを、採集もせずにずぅ〜っと話し込んでしまうことも。
もったいないと言えばもったいないのですが、本当に楽しいですよ。
その後、親しくお付き合いをさせてもらうこともあります。
ただ、欠点はそんな時、私の口が軽くなってしまうことでしょうか(^^;
ネット上では決してお話しない採集ポイントなのですが、そんな時はつい口を滑らせてしまうことが...
私から採集ポイントを聞きたい方、是非採集地でお会いしましょう(^^;;;

オオクワ採集の楽しさはなんでしょうか(^^;
私の場合、多分、なかなか採れないのに、微妙に採れるところのような気がします。
採れないのも駄目なのですが、採れすぎても駄目なのですね(^^;
だから、あまり採れてしまうと飽きてしまいます。
一番適当なのは一産地で1♂2♀くらいでしょうか。
更に言うと、採れて嬉しい順番もあります。
私は標本はやらず、ブリードは少々と言うのがその理由で、♀、♀、♂の順に採れると最高です。
♂だけ採れても、あまり嬉しく無かったりして(^^;
そして、そこそこの数が採れると、また別の産地に移るわけです。
で、またなかなか採れない。
それでもしつこく通い、遂に採れたときには「やったぁ!」と新たな喜びに浸れるのです。
と言うことで、オオクワ採集の楽しさはやはり、なかなか採れないオオクワを遂にゲットした瞬間が忘れられないと言うことだと思います。



各種昆虫採集方法



昆虫採集の方法には色々あります。
樹液採集、材割採集、根堀採集、キック採集、果実トラップ採集、街灯採集、ライトトラップなどが主なものでしょうか。
次に、樹液採集、ライトトラップ、材割採集について書き、最後に街灯採集のよさについて書いてみることにします。



樹液採集



樹液採集にはかなりの情報や経験が必要と思われます。
ちなみに私の場合、韮崎で♀を1頭採ったことがあるだけだったりします(^^;
今、当時と同じだけ時間を掛ければ、もっと採れそうには思いますが、当時はそれでもラッキーでした。
なかなか、素人さんがいきなり行って採れる物とは思えません。
まぁ、凄くついている人もいますし、この頃は情報も沢山ありますので、昔ほど採れないということは無いのかもしれませんが...

また、樹液採集の場合、林や木が生えている所まで行かなくては話になりません。
で、何が嫌かと言うと、藪蚊です。
私の場合、体格が体格ですので、人一倍蚊に食われます(^^;
もちろん、防虫剤を掛けていくのですが、汗で流れてしまうせいでしょうか、やはり食われます。
最近はかゆみ止めの薬が良くなっていて、塗ると瞬時にかゆみが止まるのですが、しばらくするとまた痒くなります。
おかげで、かゆみ止めの薬が手放せなくて(^^;
もしも、瞬時にかゆみがとまり、そのまま永久に痒くならない薬か、あるいは、決して蚊に食われない薬や道具が出来たら、また、樹液採集を再開するかもしれません。
誰か、そんなの作ってくれませんかねぇ(^^;

ただ、樹液採集の場合、何と言っても一番自然な形での採集と思われますので、採集できた時の感動は言い知れないものがあります。
やはり、「一度は樹液で大きなオオクワのオスを採りたい」
この気持ちだけは、決して捨て去ることは出来ないとは思うのですが...



ライトトラップ



ライトトラップの場合も蚊に刺されます。
何故か檜枝岐だけは蚊に刺されることは殆ど無いのですが、他の地域ではもう刺されまくりだったりして。
おまけに、今度は蛾にもやられます。
気をつけているはずなのですが、何故か毎回やられてしまいます。
困ったものです(^^;

で、ライトトラップの場合には、当然ながらお金と時間がかかります。
お金はライトトラップのセットを揃えるために必要。
もし私がライトトラップを揃えるなら、こんな装置にしたいなぁと思うものの場合、15万円くらい掛かってしまいそうです(400Wくらい)。
まして、最近新潟で行われる何千Wなどと言うライトトラップの場合、もう私にとっては天文学的な金額がかかります。
そんなにお金を掛けて採るほどのものかなぁ...と言うのが、私の場合チョット引っかかってしまうのです。
(何しろ、一産地で2〜3頭採れれば充分なもので...)

また、セッティングと片づけが大変です。
最近は色々と工夫され、片づけが簡単なセットにしている人もいますが、通常はえらい騒ぎです(^^;
しかも、ライトにもフレームにもシートにも、それはもう嫌になるほど羽虫や蛾が...
一生懸命払って片付けたつもりでも、いつの間にか車の中にも沢山の虫が入り込んでしまいます。
私自身は最近はそれでもいくらか慣れましたが、こんなのを家族に見つかったらもう大変ですね(^^;
まして、ゴールデンタイムに他のポイントに移動するなんてことはチョット出来ません。
  「もしかしたら、今日はあそこなら沢山飛んでくるかも...」
とか思いがちな性格なだけに、移動しづらいのはチョット辛いです。

ただし、ライトトラップの場合、街灯採集より確実に採集できる可能性は高そうです。
また、数も街灯採集より沢山採れます。
街灯の無い山の中でも出来るのも長所ですね。
その点は街灯採集はライトトラップには遥かに及びません。
ライトトラップもまた、捨てがたい魅力を持っていることは言うまでもありません。

またライトトラップは、皆で楽しめるのが最大の長所です。
バーベキューでも囲みながら、皆でワイワイガヤガヤ。
これはもう楽しいです。
こればかりは他の採集方法では出来ない楽しみですね。
ただし、私の場合、ついついバーベキューや話に夢中になってしまい、このパターンの場合、一度もオオクワを採ったことはありません(^^;
禁断の採集方法と言えるかもしれませんね(^^;;

ただ、最近のライトトラップは、街灯採集で知れ渡った採集地で行われている傾向にあります。
折角どこでも出来る採集方法なのに、何も人が集まる所でやら無くてもいいのに...と言うのが私の感想です。
私だったら、もっと誰も知らないような所でライトトラップをしてみたいなぁと思うのですが...



材割採集



材割は夏場である必要が無いというのが最大の利点です。
当然、蚊に食われません(^^;
他の採集方法の場合、夏場のほんの短い期間しか出来ないのに比べ、1年中出来るのが嬉しいですね。
けど、かなり体力を使います。
はっきり言って、体力の無い私には無理です(^^;
かつて何度か材割に行ったことも有りますが、斧を振り下ろしたのは最大でも50回くらいでしょうか。
中には10回と振り下ろさなかったことも...(^^;
本当なら、一発当たれば二桁の採集も不可能ではない方法なのですが、これでは絶対に無理ですね。

また、環境を完全に壊してしまう点が気になっています。
徹底的に材割してしまうと、オオクワが産卵する場所がなくなってしまいます。
まぁ、実際にはそれでもしぶとく生きていってくれてはいるのですが、一番採集地を破壊する採集方法は間違いなくこの材割だと思います。
材割した後の見た目も良くありません。

と言うことで、私自身は「もう絶対に材割はしない」なんてことは考えていないまでも、あまり材割をすることは無いかなぁとは思っています。



街灯採集



で、街灯採集なのですが、街灯採集の長所は、
 1.素人でも簡単に採集できる
 2.お手軽
 3.体力を必要としない
この3つでしょうか。

なにより、素人でも一番簡単に採集できるのはこの方法だと思います。
もちろん、オオクワがいそうな所をかぎ分ける能力は必要なのでしょうが、
 「犬も歩けば棒に当たる」
方式でも、それなりに採集可能です。

第一、何より一番手軽です。
採集に必要な道具は、懐中電灯と虫を入れるケースのみ。
まぁ、あって損は無いものとしても、虫取り網くらいでしょうか。

また、ライトトラップと違い、場所取りをする必要も無く、好きな所にいけるのも長所です。
駄目そうなら他の場所に移るのも容易。
と言うか、どんどん場所を移っていくのが醍醐味ですね。
街灯採集と言っても、1本の街灯の下に張り付いて、ずぅ〜っとクワガタを待っているのはお勧めできません。
それではあまり楽しくない。
もしかすると、あそこの街灯に来ているかもしれない。
そんなことを思いながら、次々に街灯を見て回る。
これが楽しいのです。
まぁ、次々に移れると言っても、それなりに時間がかかるため、そうそう移動は出来ないわけですが、先日、どうやらあまり虫が飛ばない日だったらしく、あまりにも採れなくて、遂に6箇所もポイントを移したこともありました。
移動距離は何百kmかだったと思います。
おかげで午後7時頃始めたのに、最後の採集ポイントを出る頃には夜が明け始めていました(^^;
まぁ、これも良し悪しですが、ライトトラップにはそう簡単には出来ない技ではないでしょうか。

体力を必要としない。
私の場合にはこれが重要です。
何しろ、車で移動しますので、一番楽ちんです。
しかも、最近は街灯の下を探す時も運転席からと言う、なんとも手抜き採集をしています。
それでも、
 「あっ、あれはオオクワに間違いが無い!」
と言う瞬間にめぐり合うことが出来ます。
いやもう、街灯採集を始めたら、他の採集方法には戻れません(^^;
体力に自信の無い方、もうこれっきゃありませんよ。

ただし、そんなこんなでひたすら運転を続けてしまうことがあります。
気がついたら総採集行52時間中(睡眠、休憩時間を含む)、30時間運転していたなどと言うことも...
運転する体力だけは必要かもしれません(^^;



温泉



はっきり言って、私の場合、温泉と昆虫採集はセットです。
たまには、温泉がメインになってしまうことも(^^;
また、どうせ日中は暇を持て余しますので、入りたい温泉を目指して200km以上走ってしまうことも...
いったい何しに行ってるんだか(^^;;

で、温泉にも種類があります。
私の一番好きなのは野天風呂です。
その次が日帰り温泉で、いわゆる温泉宿はクワガタ採集の時には泊まった事がありません。

と言うことで、決して採集地に近いとは言いかねるのですが、この辺の有名な野天温泉をいくつか紹介します。
 1.長野県小谷温泉の露天風呂
 2.長野県燕温泉黄金の湯、河原の湯
 3.長野県切明温泉河原の湯
 4.新潟県六日町の三国川ダム下の温泉
 5.群馬県尻焼温泉
 6.群馬県聖天露天風呂
 7.福島県木賊の河原の湯
 8.福島県下郷町湯野上温泉の河原の湯
 9.栃木県塩原の不動の湯、岩の湯
 10.栃木県那須の高雄温泉
 11.山形県米沢付近の広河原の湯
ちなみに、行きたい、行きたいと思いながらもまだ行ったことの無い温泉も入っています(^^;
詳細については、サーチエンジンで検索してください(^^;;
真昼間(と言うか朝?)からこんな温泉に浸かり、のんびりと過ごす時間、もう最高っす。
この温泉、全部に入っても500円も掛からんのじゃないかなぁ。
まぁ、どんなに頑張っても1日で入り尽くすのは無理ですが(^^;

「昆虫採集のすすめ」と言うことで書いていますが、温泉にも入れる昆虫採集の良さと言うことで書いておきますね。



最後に



これを読んで、昆虫採集の楽しさを判って貰えれば良いのですが、なかなか難しいでしょうね(^^;
何しろ、自分自身、昆虫採集の楽しさを語れたとは思えませんので(^^;;
まぁ、はっきり言って無理なんです。
よほど文才のある人ならともかく、私ごときの語れる魅力ではありません。
この文章を読んでくれるくらい興味のある方、是非フィールドに出掛けてみてください。
もしまだ一度も採集に行ったことが無い人なら、新しい世界が開けることは請け合いです。
檜枝岐、韮崎、能勢、佐賀、どこでも結構です。
まずはその辺りから。
私の場合、「街灯採集のすすめ」ですので、檜枝岐が一番のお勧めでしょうか。

ただ、そこで留まって欲しくはありません。
有名産地と言うのは、確かにオオクワが採れる確率が高いです。
何度か行けば、必ず採れると言っても過言では無いかも知れません。
が、はっきり言って、そんなのはほんの入り口に過ぎません。
そして、(自分の)新産地を探して、方々に散っていって欲しいのです。
誰から聞いたわけでもなく、自分で見当をつけた産地でオオクワが採れれば...
そんな夢を見て、そして、いつかそれを実現して欲しいと思います。
 


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