ミヤマクワガタが好きで、毎年この種は採りに行くのだが、
関東近辺のミヤマポイントはやはり限られる。家の近くで採集出来る場所は皆無で、見回して全く山の無い処では採集出来ないと思う。何せ深山クワガタである。
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家の廻りには歩いて数分で行ける雑木林が幾つか点在している。関東平野なのだが、クヌギやコナラが多くニ次林といわれる一度は伐採されたりした事の有る林である。当然ながら人の手の全く入っていない森などこのあたりには存在するはずもないのだが、ケヤキやカシの立派な大木も幾つかある。
おそらく昔の人が土地の境界として植えたものとみえ、きちんと並んで立っている事が多く、直径1.5mを超えるケヤキなど畏敬の念さえいだかせる立派なものもある。 これら近所の雑木林でもそれなりの虫は採集出来るのだが、やりにくい点も有る。まずオサムシなどを採集の為、トラップ仕掛けようと紙コップを片手に雑木林の中に入ってゴソゴソやるのだが、犬を散歩させている人などにけげんそうな顔で見られる事はしばしばである。
それと最近は、このような雑木林などに面した細い道も殆ど舗装されている。人が走ったり散歩したりするのには楽であろうが、舗装しないでおいた方が良いと思われる場所も多い。中には朝夕の通勤時間帯に車の抜け道となっているところもある。
犬はこんなのが大好きとみえて、早速匂いを嗅いだり齧ってみたくてしょうがない、飼い主は、「いけませーん、、汚いですょ、毒ょ、」とか犬を叱咤し、通り過ぎていくのであるが、その光景を雑木林の奥でそっと紙コップを埋めながら聞いていたりするのは私です。(笑) 次にこのあたりで樹液採集というとやはりクヌギやカシである。6月の初めからコクワ、ノコギリが採れだし7月に入るとカブトやカナブンの類が出現。8月の中頃以降になると黒カナブンが見られ、コクワの個体数が増える。カシの木は早春から晩秋まで永い期間樹液を出しているので10月にノコギリが採れた事もある。
今の時期ツクツクボウシの声も聞こえなくなり、夜は秋の虫が主役になっている。外来種のアオマツムシが木の上で盛んに鳴くのもこの時期だが、この種は最近とても増えてきた。
(2002/9/24 A.CHIBA)
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