対馬ヒラタの飼育(成虫編)
りょうた

対馬ヒラタは日本のクワガタの中で1・2を争う、かなり大きいクワガタである。
日本のヒラタとしてはスマートでアゴが長く、これが特徴といえる。また、内歯がかなり根元の近くにあるのも対馬ヒラタの特徴といえるだろう。

今回は、この対馬ヒラタの成虫の飼育方法について書かせていただく。

成虫の入手

対馬ヒラタの1prあたりの値段は、70mmを越すものだと最低でも2500〜3000円はかかると思う。
60mm〜70mmくらいの個体なら、ある程度特徴が出ており、迫力もあり、値段も70mm以上のものよりは安いので、
このくらいのサイズを購入するのがいいかと思う。お金がある人は、大型の個体を購入すればよい。


北朝鮮産WD 対馬ヒラタ♂76mm

産卵セット

まず、産卵セットをする前に2週間くらい個別で栄養をとらせる。できれば♂のケースはが少プラケ以上にしていただきたい。
♂にストレスを与えないために、ある程度の大きさは必要である。♀はミニプラケで十分だ。
エサは、普通のゼリーのほかにたんぱく質ゼリーやカブトムシの蛹などを与えると、
体重があがり、♀はたくさんの卵を産むことができる。逆にいえば、あまりエサをあたえていないと、少ししか卵を産まないということになる。
また、下手をすれば♀が産卵中に死んでしまうとうこともあるので、♀を死なせたくない人はきちんと♀に栄養をとらせる。
♂もこのたんぱく質ゼリーを良く食べるので、余裕があるひとは♂にも与えるといい。


次に、産卵セットの内容である。
セットは、♂♀一緒に入れていて大丈夫だと思う。自分(りょうた)の場合は一緒にセットしたが、♂による♀殺しはなかった。
もちろん、相性などもあるだろうから、絶対に大丈夫とは言えないが・・・。

産卵セットするケースはできるだけ大きいものがいい。できればプラケで言う特大ケース、あるいは小型のコンテナなどがよい。
♂を落ち着かせるためにも、できるだけ広いケースで飼育してやる。
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次に、マットであるが、対馬ヒラタはマットにも産卵する。
これはあまり知られていないようだが、発酵マットであればマットの中に産卵する。
それを考え、マットは必ず発酵マットを使うこと。それから、粗さはある程度細かいものを使う。これは後で言うが、マットを湿らせたときに
粗いオガだと十分に水を吸わず、マットをちょうどいい湿度になりにくいのだ。そのため、粗めよりよく水分をすう、細かいマットを使用したほうがよい。
まず、底5〜10cmくらいによく湿らせたマットをしき、かためにつめる。
よく湿らせるというのは、ぎゅっと握って崩れない程度。先に言ったように、マットは細かいものを使用する。
自分は、奈良オオの新埋め込みマットを使用している。あれは適度な細かさと発酵具合で、対馬ヒラタにはよく合っているマットだと思う。
その上に、やわらかめで水分の多い朽木をおく。対馬ヒラタは外国産のヒラタと同様に、やわらかい朽木を好む。
あまりかたい朽木には産卵しないのだ。朽木は1本でも2本でもいいが、♀がマットにもぐるのに邪魔にならない程度の感覚をあける。
そうしないと、♀が産卵するまえに無駄な体力が消耗して産卵数が少なくなってしまうのだ。
この朽木をマットで覆う。朽木は全部埋めても少し出してもいいが、自分は1/4くらいマットの上に出している。
この上に♂が隠れる朽木や転倒防止用の樹皮などをいれ、普通のゼリーとたんぱく質ゼリーを入れればセット完了。
エサはすぐになくなるので、よくチェックすること。一度にそれぞれ3つずつくらい入れておいたほうが無難だろう。
そこに成虫を入れればOK。あとは1ヶ月〜2ヶ月まてばいいだろう。たくさんの卵が取れることを期待しながら(*゚▽゚*)


左:マットに産卵された対馬ヒラタの卵
中:同じくマットに産卵された卵
右:マットで見つけた幼虫(初令)


朽木から見つけた幼虫(2令)

簡単に対馬ヒラタ成虫の飼育法について書かせていただいた。
また機会があれば、幼虫の飼育方法についても書かせていただきたいと思っている。