24-Feb-02

by なべ


山間部の道をドライブしているとよく↑こんな標識を見掛ける。そしていつも思うことがある。それは『どないして注意せいっちゅ〜ねん』ということである。もし関西弁が正しくなかったら先に謝っておくことにしよう。(^^;; まァそれは好いとしてこんなもん注意の仕様がないのである。もしクネクネ曲がりくねった道を注意などしながら走っていると返って危なっかしいと思ったりするのである。であるからこの場合の正しい標識の在り方としては『落石覚悟!』ではなかろうかなどと思ったりしている訳である。そしてもう一つ山間部の道をドライブするに当たり注意すべきものがある。それは『カブゴ』である。こちらの方が落石よりよっぽど危険だったりもする。まずゼッタイに守られることのない交通ルール、ノーヘルのなんちゃってウィンカーは当り前。いつ曲がるのかなどと後ろに尽こうものなら永遠にまっすぐ走り続ける。なんちゃってウィンカーであることに気付き、抜こうとしようものなら誘導ミサイル宜しく車に吸い寄せられてくる。(^^;; こういったライダー(おじさん)に限ってなぜか斜めに座っていたりする。であるから道路公安委員会は『落石覚悟!』の他に『カブゴ注意!』の標識も立てなくてはならない。このカブゴの場合は、やはり『注意!』でよいのだろう。『覚悟!』ではあんまりである。

大幅に話がルリクワガタから反れてしまった。この辺で話を戻そう。(^^;; 今回ルリクワガタを探しに来たのは、いつものコルリポイントである。去年の暮にあいあんさんにあまりに悲惨な採集行をさせてしまったのでなんとか濃いポイントがないかと探しているのだが、ついいつものポイントで足止めを喰らってしまう。(^^;; なんて意思の弱いワタシ。しかし、2週ほど前に息子と来たとき、偶然にもルリ材を見付けたことで頭の中はすっかりルリモードになってしまったのであった。そして今日はいつもより標高を稼ごうと硬くココロに誓い登山口に立ったのであるが、あえなくコルリポイントで足止めを喰らう自分であった。(^^;; 

しかし、いつもは幼虫しか採れないポイントで死骸ではあるが2♂確認することが出来、ちょっとうれしくなったりもした。帰りにゆっくり探そうと思いつつも30分ほど居座ってしまった。いかんいかん、先を急ごう。ここ数日の間、なかなかのぽかぽか陽気が続いている。そんな訳もあって大分残雪も溶け、春がもうそこまでやって来ているのを感じさせる。まさかとは思うがこの陽気のせいで森のクマさんが目でも覚まさないかと心配になったりもした。今回の採集は単独なので、ちびっと心細かったりもするが、小型種採集の前ではそんな不安も吹き飛んでしまうのであった。でももしクマが目を覚ましていたとしても斧を片手に大きなクシャミを連発して、たまに『花粉のバカヤロ〜!』とオタケビをあげている32歳の男を見ては、そちらの方が余程ホラーなのかもしれない。

コルリポイントを脱出後、20分ほど沢を登ったところでこちらに話し掛けてくる立枯れがあった。←ないない(^^;;
近づいてみるといい感じにルリっぽい。ルリっぽいなんて言っておいてなんだが、ルリ材というものがどんな材なのかサッパリ解らない自分であった。(^^;; んが、私にはどうしてもこれがルリ材に見えてしまったのである。どれどれと立枯れを見ると・・・。(@@ なんとマークがあるではないか!他にはないかと手を掛けたところボロッと折れてしまった。なんだかすっかりスカスカに枯れていて大分前に抜けた後のようだった。少し残念になってしまったがとり合えず削ってみた。しかし材はやはりスカスカに乾いており直ぐに粉々になってしまった。そして材の下の方はどうだろうと見てみると、あったあった!(^^ マークが5,6個付いている。

早速削ってみる。おおっ!出た〜!(^o^
遂に栃木のこの地でルリクワガタを採集してしまった。栃木も北部のブナ帯ならともかく、標高700m足らずのポイントでの採集は我ながら上出来である。う〜ん、諸先輩方の採集記でみる光景と同じこの構図。どれほどこの光景を夢見たことか。

落とさない様にそっと画像を撮り、フィルムケースに収める。そして大きな声で『ヤッタ〜〜〜!!』とオタケビをあげるのであった。これでクマも恐れをなして近づくまい。(^^;; そして何度も何度もケースの中を覗き、ムフフっと微笑む自分であった。これでもはや人すらも近づくまい。(^^;; 

ヨロコビを噛み締めながら、さらなる個体を探して材を削ったがこの1頭のみであった。他に材はないかと辺りを見回すと、太い生木に手首ほどの枯れ枝が突き出ているのを見つけた。まさかねェ〜と思いながら見てみると、またしてもマーク発見!しかもとなりにはコクワのマークが・・・。(^^;; しかしこの枝からは追加成らずであった。

しばしぽかぽかの岩の上で休憩を取る。このままここで昼寝をするときっと気持ちがいいことであろう。クマさえいなければ・・・。(^^;; そしてふと沢に目をやる。渓流釣りマニアには堪えられないようなポイントが点々とみえる。あの岩陰、落ち込みの白い泡と岩の間にエルクヘアーカディスをそっと落とす光景を思い浮かべる。パシッ!というイワナが水面を喰らう音が聞こえてくるようだ。

そしてまたルリ材を探しに山肌を登り始めた。少し移動したところで何やらまたそれっぽい立枯れが目に入った。

息を切らせながら近づくと早速マークが目に飛び込んできた。(^^ これは期待が持てそうである。ベタベタというほどマークは無いが今までで一番多く付いている。んが、この材でも追加ならず、どうやらなんちゃってマークだった様である。(^^;;

この辺でルリ採集はお終い。今度はコルリを探すことにした。しかしこの材ですっかり疲れてしまい、斜面を彷徨う気力がでない。やはり最後にもう一度、いつものコルリポイントで探すことにして沢を下りることにした。

ポイントに着いて間もなくコルリ材を見つけることが出来た。このマークはいつ見てもいいものである。(^^ んがしかしこの材は、なんちゃってコルリ材なのであった。意外と栃木のコルリはオチャメなのである。

そして今度は痛恨のコルリ材を発見!今度こそと思ったが、出て来たのはやはり幼虫1頭のみであった。

しかしまァ今日は、初めてルリも採った事だしあまり欲を張らずに、この辺りでお開きにして下山することにしよう。数こそ大したことはないがとても充実した今回の採集であったと林道を下りながらしみじみと思う自分であった。




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