採集記(10)

新潟採集報告

血と汗と涙の激闘の末に...(^^

タカ  taka@comic.to



プロローグ


この記事を書いている時点で、遂に新潟採集が10回を数えた。
内9回は、最近とみに有名な某新潟ポイントである。

初めてこのポイントに行ったのは、昨年8月7日だった。
もっとも、この時はなんの情報もなく、ただ単に、
  「この辺にもオオクワがいそうだなぁ」
と言うことで、行ってみたのである。
その後、ここでオオクワを採集したという人が現れ、また、WEBページでも紹介されたと知った。
  「う〜ん、私の予想もまんざらじゃないなぁ」
と、その時は思ったのであるが、実はこの時が新潟地獄の幕開けだったようである(^^;

その情報を元に、再度ここを訪れたのは昨年の10月2日。
結果は、アカアシ、コクワを3〜4頭だったように思う。
普通なら必ず書いている、自分のWEBページの採集報告すら書いていないのだから、その結果は押して知るべしであろう。
  「まぁ、時期も時期だから...」
と、翌年(つまり今年)の採集に掛けたのであった。

そして今年。
スタートは7月7日であった。
今年の目標は、檜枝岐産とここの新潟産をあっさりゲットした後、新産地探しを行うことであった。
が、行けども行けども新潟産が採れない。
結局7月22日から6週続けて新潟通いをすることになったのである。
おかげで、子供の夏休み期間中、週末は遂に家にいることが無く、一度キャンプに連れていった他は、全く子供達と遊ぶことなく過ごしてしまった。
ゴメンね>子供達

...と言うことで、ここに、今年の新潟採集の総集編を書くことにする。



とりあえず新潟


今年初の新潟は7月7日であった。
翌日台風が直撃しそうな雰囲気であったのであるが、今日ならまだ大丈夫と言うことで決行。
メンバーは群馬支部のnamihiroさん、とのさんである。
私も群馬支部員ではあるのだが、どうも人のライトトラップで採集するのは苦手である。
別に気にする人達ではないことは充分に分かってはいるが、やはり気が引ける。
ということで、群馬支部灯火システムmini(600W)をnamihiroさんととのさんが見て、私は街灯回りを中心とした。
で、結果は...見事にボーズ。
群馬灯火システムにも1頭も来なかった。
帰り際、namihiroさんが水銀灯の下でミヤマ♀を拾ったのが唯一の成果であった。

もっとも、その中で、福井から来られていた某氏は見事にオオクワ1♀をゲット。
こんなに状態が悪いときでも、採る人は採るんだなぁと感心させられたものである。



第二回新潟採集


7/23檜枝岐から新潟へ移動中に採集したアカアシ
アカアシ2000.07.23
次回の採集は7月22日〜23日にかけてであった。
本当は全て新潟に行きたかったのであるが、この新潟ポイントは有名になってしまっている。
どうせ、この時期このポイントは採集者でごったがえすであろうと考えて、22日は新ポイント探索に当て、23日の日曜日の晩に新潟に行くことにした。
翌日は月曜日であり、みな仕事もあるだろうから、多分空いているであろうとの読みである。
が、結局何人もの採集者とバッティング。
  「恐るべし新潟ポイント!」

この時のエピソードの最大のものは、
  「道路工事場の水銀灯の向きを山側に変えていた奴がいた」
ことであろう。
そりゃぁ、工事場の水銀灯だけあって、オオクワ採集用ではない方向に向いているのは確かである。
が、この水銀灯は道路工事中であることをドライバーに教えるためについているものなのである。
その水銀灯の向きを変えたら、どんな結果になるか予想出来ないのであろうか?
何という常識知らずの採集者がいるのだろう。
こんなのは、採集のマナー以前のものである。
もっと常識をわきまえて貰いたい。
(しかも、わざわざ水銀灯の効果を落とす方向に向けていた(^^;)

さて、結果であるが、やはりオオクワはボーズ。
ミヤマ、アカアシ、カブチンなどが主な成果であった。

帰り際、最後の頑張りと思って、各ポイントを回ってみたとき、新潟市から来ていた採集者に会い、
  「ついさっき、オオクワ♂採りました(^^」
ウウッ...(;_;
やはり採れる人は採れるのである。
本っ当に悔しかったのであるが、そこはじっと気持ちを抑えて、
  「おめでとうございます」
と言ったのであった。



第三回目


さて、翌週。
7月29日から8月1日にかけては、家族でキャンプである。
この時期、滅多に家族の相手はしてやれない。
従って、もし家族が何かしたいと言えば、それは絶対に実現しなければならない。
と言うことで、本当なら月齢的にも最高の時期なのであるが、ここはじっと我慢してキャンプに行くことにした。
が、
  「何処に行こうか?」
と家内が聞くので、私としては当然ながら、
  「じゃぁ、今年は新潟に行ってみよう」
となったのである(^^;

とは言え、まさかこの採集ポイントにキャンプ場があるわけではないので、キャンプ場は適当に家内に選ばせた。
まぁ、多少の誘導はあったかもしれないが...(^^;
結果、キャンプ場からこの有名ポイントまで多少時間がかかることになったが、それでも家から通うよりはずぅ〜っと近場である。
しかも、7月30日の晩は日曜日、31日の晩は月曜日である。
前回、日曜日の晩には採集者とバッティングしたが、さすがに月曜日の晩は大丈夫だろう。
今回は期待大である。

まずは、29日の晩である。
さっさと夕食を済ませ、暗くなる前に採集に向かおうと思っていたのであるが、これがうまく行かない。
う〜ん、本来の目的はキャンプなので仕方がないか。
本番は明日の晩と明後日の晩だからなぁ。
と言うことで、この日は30分から1時間の採集となった。
採集には長女が付いてきたのであるが、ミヤマ♀、アカアシなどを拾うことが出来、とりあえず面目だけは躍如しておくことが出来た。

で、次は30日の晩。
キャンプ場を引っ越したり、新潟の水族館に行ったりしたおかげで、何とこの日は採集時間に間に合わなかった(;_;
う〜ん、残念!!
  「明日は絶対に採集に行くぞぉ!」
と、家族に宣言する私であった。

いよいよ31日の晩。
さすがにこの日だけは時間を調整した。
今日は月曜日である。
採集者はいるはずがないな...と思ったら大間違い。
何と先週の日曜日にも会った新潟市民にバッティングしてしまった(;_;
一人静かな採集というのは、なかなか思うように出来ないようである。
結果、オオクワに関してはまたもボーズ。
まぁ、他の採集者も採れていないようなので、しょうがないかもしれない。
どうも、ここまで採集してみた感じでは、やはり、オオクワの絶対数では檜枝岐より新潟の方が少ないような気がする。



第四回目


コクワ♂
コクワ♂2000.08.04
第四回目は8月4日の晩である。
もう既にこの時には、怒濤の6週連続(この記事がクワ馬鹿に載る頃には7週連続になっているかもしれない。)の3回目である。
実はこの週は、あいあんさんから檜枝岐、namihiroさんから新潟に誘われた。
どっちにしようか迷ったのであるが、タッチの差で早かったあいあんさんの檜枝岐に行くことにしたのである。
とは言え、新潟も捨てがたい。
仕方がないので、4日の晩に新潟に行き、5日の晩に檜枝岐で採集を行うことにした。
が、さすがに4日は会社を休むわけには行かず、出発は午後6時となってしまった。
当然現地到着は午後11時頃(なるべく高速を使わないようにしているため時間がかかる)。
主となる飛来時刻である7時〜10時の時間帯を過ぎてしまっているが仕方がない。
まぁ、採れないかもしれないが、今日は夜中まで頑張ってみよう。

初めて採った♂(;_;
オオ♂2000.08.04
...と思ったら大間違い!
なんと、54mmのオオクワ♂をゲットしてしまった!!!
  「うわぁぁぁ〜、やったぁ!」
と思ったのもつかの間。
よく見たら、踏まれたらしく瀕死状態であった(生きてはいたが...)(;_;
実は、私はこの時、このポイントを通り過ぎてから車を止め、歩いて戻って探索をしたのである。
も、もしかしたら、踏んだのは自分だったかもしれない!
く〜〜〜!! 悔しい、情けない、残念、う〜〜〜〜〜〜!!!(;_;
もちろん、その後このポイントを探すときは、手前で車を降りていることは言うまでもない。

ちなみに、この後檜枝岐に向かったが、mini尾瀬公園到着が午前5時になってしまい、そのまま広沢林道に突入した。
当然この夜もへろへろになってしまい、ろくな採集が出来なかったのは言うまでもない。



第五回目


6週連続なのであるから、当然次は8月12日である。
今回は、群馬支部のスズリさん、HASEさん、HIROさん、nakakuwaさんが一緒である。
スズリさん、HASEさんと私は、この晩新潟を終えた後に檜枝岐に移動する事になっている。
この回は遂に、群馬灯火システムフルセットの登場である。
こいつは期待が出来る。
本来なら街灯ルッキングで採りたいのであるが、さすがにここのところ自信が無くなってきている。
今回はライトトラップに張り付かせて貰うことにした。

が、結局、結果は一緒。
言うまでもなくボーズであった(^^;
このシステムの場合、私が参加しないときはほぼ確実にオオクワが採れているのである。
しかも、1匹と言うことは殆ど無い。
つまり、よほど私に運がないのかもしれない。
もしかすると、私がみんなに迷惑を掛けているのかも...
う〜〜〜〜



第六回目


ミヤマ
ミヤマ2000.08.19
次は19日の晩である。
この日は土曜なのであるが、お盆休みが17日まで会った関係で出勤日であった。
本来なら、採集になど行けるわけがないのであるが、こうなるともう意地である。

  採れぬなら、採って見せよう新潟産

写真は8/5に檜枝岐で採集した
ヒメオオ
ヒメオオ2000.08.05
会社を出発したのが午後5時半。
現地到着は午後10時半であった。
本当は高速を使わずに行きたいのであるが、だんだん疲れもたまってきており、高速を使う距離が伸びてきてしまっている。
ま、その分現地到着が早くなるのではあるが...

まぁ、結果は言うまでもないが、他のクワは結構来ていた。
この日は、ミヤマ67mmを筆頭に、ミヤマが2♂1♀、ノコ♂3、アカアシ♀2、コクワ1ペア。
更に、特筆することとして、ヒメオオ1♀が採れた。
まぁ、ヒメオオがいても驚くほどのことではないのであるが、比較的標高も低いのでチョット難しいかもしれないと思っていた。
もっとも、私の場合、オオクワにしか興味がないみたいなので、思ったほど嬉しくはなかったが(^^;



第七回目


今回は群馬支部のnamihiroさんと、クワ道さん、ポンちゃん、カンちゃんとの採集である。
なんと、私の他のメンバーは前日檜枝岐でやって、この日新潟、翌日また檜枝岐と言う凄い予定であった。
しかも、namihiroさんは5♀、クワ道さん1♀、ポンカンが1♀採集してきていた。
(ちなみにnamihiroさんグループは翌日の檜枝岐でも2♀採っている)
う〜ん、無理をしてでも檜枝岐からつきあえば良かったかなぁ(^^;
(実は、前日は同期の奴が海外に出向と言うことで、送別会があったのである)

さて、この日も群馬灯火システムが登場している。
どうやら、群馬支部は私に新潟産を採らせるために、みんなで灯火システムを持ち出してくれているような気がする。
う〜ん、本当にお世話掛けます。
ただ、私、ライトトラップと相性悪いみたいな気がするんだよなぁ(^^;;;

で、到着してみるといつものトラップ場には鍵がかかっており、やむなく一つ下のトラップ場でセット。
クワ道さん達も隣りにライトトラップをセットした。
群馬システムは、最近遂に1500Wとなっており、初めてここでライトトラップをやるというクワ道さんにはちょっと辛いかもしれない。
せめてもと言うことで、より有望そうな場所にクワ道セットをセットして貰った。
そのおかげか、第一クワはクワ道セットに飛来したアカアシであった。
が、その後クワ道セットにはクワは飛来せず、9時半頃にはセットをたたみ、帰ってしまった。

我々はと言うと、コクワ♂の飛来を始めとして、ぼちぼちクワ、カブが飛来した。
もっとも、6時半頃ライトONし、9時半頃までの間に来たのはたかだか10数頭程度である。
昨日のオオクワ♀5頭とかの檜枝岐とは雲泥の差であった。
今回も、私は群馬システムに頼って、街灯ルッキングに出ることもなく、システムに張り付いていたのである。
が、さすがにしびれを切らして、午後10時ちょっと前、ルッキングに出ることにした。

今年のルッキングポイント4箇所を回るが、オオクワどころかコクワさえいない。
仕方がないので、チョット離れた町の方まで足をのばしてみることにした。
群馬支部のhiroさんが昨年2♀採ったと言うところに来てみると、
  「おっ! クワ発見!」
と言うことで、久々のミヤマ♂ゲットとなった。
  「また、クワが飛び始めたのかなぁ」
とか思いながら回りをルッキングしてみると、前方に今にも飛び立ちそうに羽を広げているクワ♀がいる。
  「おっと、逃がさないよん(^^」
とか思いながら、飛び立つ所を上から押さえる。
  「ん? でかいぞ...」
明かりに照らしてよく見てみると...

  「うわぁ〜!!! ゲットォ!!!!!!!!!」

遂に、遂に、遂に、オオクワ♀ゲットの瞬間であった。
昨年新潟に来始めてから、苦節13ヶ月。
回数にして10回目の新潟採集、そして、9回目のこのポイントのことであった。

クワ道さん、ポンちゃん、カンちゃんなどが参加している∞クラブにおける、オオクワゲットの合図は「握手」である。
私もそれを真似て、
  「灯火システムの所に戻ったら、何も言わずにnamihiroさんに近づき、おもむろに握手を求めよう」
とか思いながら、車を走らせた。
灯火システムポイントに着き、はやる気持ちを抑えながら、namihiroさんに近づいたのである。
が、後5mと言うところになって、namihiroさんが、
  「どうでした?」
私はもう、我慢がならず、思わず、
  「ッシャァ!」
とガッツポーズ。
残念ながら握手まで至らなかった(^^;
この後すぐ、namihiroさんが街灯ルッキングに行ったのは言うまでもない。

実はその後、7頭のクワが飛来した。
もちろんコクワ、アカアシなどなのであるが、チョット変なことに気が付いてしまった。
実はこの7頭の内、群馬システムのシートに来たのは2頭だけだったのである。
他の5頭は、10mくらい離れた壁の所に飛来していた。
もしかすると、この新潟産地においては、群馬システムは明るすぎるのかもしれない。
灯下ポイントは結構狭く、片側は崖になっているのである。
ひょっとすると、オオクワも来ていたのに、その崖の方に落ちていたのかもしれない。
などと言うことを考えさせられてしまったのである。

が、まぁ、何はともあれ、新潟産オオクワゲットである。
ようやく今年の目標を達成することが出来た。
これからは、オフミを兼ねた採集、新ポイントの探索に向かうことにする。
もちろん、時間があればここ新潟ポイントにも来ることであろう。
気持ちにも少し余裕が出てきたようである。
これから新潟産を狙う人にアドバイスを送る。

  採れぬなら、採るまでこよう新潟県

さっきの句よりは余裕が感じられることであろう(^^;;;;



エピローグ


以上が私の苦節13ヶ月の激闘の物語である(^^;
血と汗と涙を流しながら、遂に勝利をもぎ取った。
これから続く諸君、決してあきらめること無かれ。
これだけついていない私ですら、いつかは採れるのである。
きっと、あなたもオオクワに巡り会える日が来るものと信じてやまない。

次週、9月2日(土)は群馬支部と檜枝岐採集を予定している。
久々に新潟に行かない週となるかもしれない。
が、1日(金)と言う手もあるなぁ。
やっぱり行くかなぁ...(^^;

クワ馬鹿が発行される時には、どうしたか、結論は出ているはずであるが...






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