続・悲しきかな羽化不全 / naoworld
前回から早半年、いろいろ実体験(苦労)をしつつ、
より羽化不全をなくす為、考察、実験を繰り返してきました。
現時点で新たに分かった原因、効果的な対策を紹介します。
尚、基本的には「不全するヤツはする!」という大前提は変わっておりません。
この記事を読んで、いかなる事象が起ころうとも、私は一切責任を持ちませんので
各個人の判断、責任において対処等を行って下さい。
新たな羽化不全の原因の発覚!?
今年の夏は異常だ!毎年言っているようではあるが、ホントにメチャ暑い(^^;
行く年も四国地方の夏季をしのいできた国産ドルクス成虫達も、今年ばかりは
そうは行かないみたいで、飼育数の8割が死亡してしまった(^^;;
飼育温度にデリケートな外産達は某避暑地へバカンスに出かけているが、
出発が遅れたものは避暑地へ行っても、数日後に避暑地で死亡してしまったりもした(^^;;;
「不全の神」なんて呼ばれたりもしたが、今度は「殺戮の神」と呼ばれるように
なるのではないか?なんて考えたりもした。
さて、こんな中、某避暑地(24時間温度管理ができる場所)ですくすくと
育っている幼虫達が前蛹、蛹へと成長し、現在主流になりつつある
オアシスを使った人工蛹室に移そうとしていた時でした。
いつものように慎重にスプーンでオガを掻き出し、蛹室に到達し「ポコッ」と
蛹が目に飛び込んだ瞬間「もわ〜っ」と、生暖かい、湿度のこもった匂いが
漂うではありませんか!(^^;
例えるなら、、、露時期の窓ガラスの内側に付いた水滴、またはそれが乾いた匂い!
(この例えで分かった人はエライ!(^^;)
温度管理のできるこんな涼しい場所で、、、なぜ?
もしや、この熱のこもりと異様な湿度、、、なにか影響しているのでは?!
蛹室内の「熱のこもり」と「湿度」
今までを振り返り、クワガタ自身の過失?による羽化不全を除いて原因を
考えてみると大まかに、オガの劣化、飼育温度になります。
暑けりゃ、国産も外産も、成虫も幼虫も死亡する。乾燥、蒸れ過ぎも同様である。
死亡しなくても、動きが鈍くなる、何かの機能に影響が出ても、不思議ではない。
オガの劣化は泥状になり水分も出す。蛹室の内壁は外敵から身を守る為か、
かなりカチカチに固まっていて目が細かい(泥を固めたような場合もある)。
この様な蛹室では酸欠も起こり得るとも考える。
以上の推測から、蛹化、羽化に必要な体力がない、もしくは衰弱、
機能障害が起こった、ことにより羽化不全等になるのではないか。
オアシスを使った人工蛹室を用いても羽化不全を起こす場合があるのも
これが原因かも知れない。
機能障害の例:羽が完全に動かせない。後ろ羽の水脹れなど。
新たな?対策!
対策!とは言っても、実は簡単なことで、、、
蛹室の上部をスプーン等で取り除いてやるだけです。
取り除く時期は、蛹化後2週間くらいで、蛹の透明感がなくなり、
ある程度、薄茶っぽくなったくらいが適当でしょう。
当然、蛹室内にオガが入り込んだら、蛹を取り出して綺麗に掃除してから
蛹を蛹室に戻します。瓶側面に蛹室を作ってたら、羽化を鑑賞する為に
側面のガラス面も綺麗に拭いておくと良いです。
この方法は、大型ヒラタの羽化でアゴを伸ばす時に邪魔にならないように
蛹室の上部と取り除くという、過去から知られているものですが、
効果はイマイチ良く分からない...でした(^^;
ですが、、、実はこんな効果もあったなんて、、、。(都合良すぎ(^^;)
現在では「露天蛹室」「露天堀り」とか言われている?みたいです。
(過去は「天井スライス」とか呼ばれていたかも?...失念(^^;)
注意:
今回の対策は蛹室内の「熱」「蒸れ」「酸欠」をなくすのが目的です。
ですから、前回の記事の対策(という程のものではないが)と併せて、
どんな対処をするか、各自考えて行って下さい。
最近の私のやり方は、オガの劣化がほとんど無く、比較的瓶の上部に蛹室を
作った場合は羽化までそのまま。状況を見ながら割り箸で穴開け、もしくは
天井スライス。オガの劣化がある程度ある場合は、基本的に天井スライスを
行い、状況を見ながらオアシスを使った人工蛹室に移しています。
最後に...
今回の方法を取り入れてからは羽化不全が激減し、
(クワの数も激減したが、初めてアンタエウスの完品を羽化させました(^^;)
悲しみの少ないクワライフになっております。
この記事で、より多くの皆様に羽化不全減少の手助けになれたらいいなと思います。
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