8/2 茨城オオクワ あいあん編


00/8/2

某県某所

【70!】

あいあんさんが、この日曜日にオオクワ70.0mmを某県某所で樹液採集したというセンセーショナルなニュースが飛び込んできた。ここ1ヶ月ほど、身の回りでものすごい数のオオクワが採集されており、どれも印象深いのだが、特にこの1頭は2日間脳髄を刺激し続けた。

おかげで居ても立ってもいられない状況になり、今日は千葉を回ろうかなとヨメの根回しをしていたのだが、ここであいあんさんから「採集に行きませんか?」という夢のような電話がかかってきた。1も2もなく飛びついたのは言うまでもない。

それにしても、あいあんさんがオオクワだけのために動くというのは珍しいことだ。少なくともここ数年はなかったことだろう。それほど前回の採集は強いインパクトがあったということだ。そして、今日は触角がビキビキ動いているということだ。これはタダごとではない。

平日だというのに、さっさと段取りを終え、あとはあいあんさんの到着を待つばかりという状態となった。


【吉報】

それにしても、今日は平日だというのに、r.matsudaさんは青森へ、ポンカンは北陸へ、クワ道さんは山梨へそれぞれ採集に出かけており、∞度もますます度合を増してきた感がある。

そんな中でクワ道さんから連絡が入った。山梨でオオクワ♀を採集したとのこと。やりすぎ!!

このクワ道さんのポイントには一度だけ連れて行ってもらったことがある。雰囲気はムンムンで人が入った形跡もなし。こんな場所をよく見つけたものだ。しかも平日に何度も通い続け、ヒラタを数頭採集している。本人は「まあ、そのうちここで」という感じで、本気でオオクワを狙っていたわけではなく、今日もヒラタ狙いでここへ行ったようだ。こういう形で日頃の努力が実を結んだことは、相方としても非常に嬉しい。


【出発】

予定時間にあいあんさんが到着。さっさとあ〜車に荷物を積み替え、さっそく高速に乗った。ポイントまでの数時間は話をしているとあっという間だ。今日も気温が高く、虫は動いているだろう。

途中の街灯の下を見ると、カブちんがゴロゴロ落ちている。この数はすごい。


【最初のポイント】

まず手始めに、ポイントの近くの雑木林に行くことにした。コナラの木がありカブちん、ノコ、コクワがそれなりについている。やはりカブちんの数が非常に多い。

別のクヌギの木ではカブちんが14頭ほど根元で入れ食いしていた。どこか行ってくれ。(-_-;)

オオクワに期待したのだが、不発に終わった。


【さらにもったいぶって・・・】

さらに別の雑木林に移動する。ここもクヌギとコナラが多く、相も変らずコクワ、ノコ、カブちんという面々だ。

非常に有望なクヌギを1本見つけた。脚立がないと登れない位置に洞があるのだが、大量の樹液を出していて雰囲気は抜群。次回は必ず登ってみようと思う。

さらにもう1本、こちらはコナラだが、根元の樹液がすごい。樹皮下にノコ、ノコ、ノコ、コクワ、コクワ、コクワ、コクワ、コクワ・・・という感じで大量のクワガタが入っている。あ〜の予想が正しければ、ここに必ずオオクワがつくはずだ。次回に期待しよう。

では、いよいよポイントへ向けて移動だ。


【その前に】

ポイントへ向かう途中に明るい水銀灯があったので吸い寄せられていった。

外灯ごとにカブちんが数頭ずつ落ちているのだが、いちばんすごい場所でざっと数を数えてみた。1、2、3・・・12、13、14・・・25、26・・・31、32・・・何頭いるんだろう???(^^;)

たった1本の水銀灯で30頭以上のカブちんが転がっていた。しかしクワガタの姿はなし。


【右手】

いよいよ、あいあんさんが開拓したポイントに到着した。よくこんな場所を見つけたものだ。

まずは70.0が採れた樹皮部分を見せていただいた。「お〜〜〜〜〜、これか〜〜〜。」ここにオオクワがいたという事実だけで感激するものだ。残念ながら、今日はカブちんの♀が入っていた。邪魔。(-_-;)

そして、あいあんさんが目をつけていたという、さらに上の洞がある。これは脚立なしではまず登れないのだが、見ただけで「いかにも」というシチュエーションだ。あいあんさんが我慢できずに平日に動くというのが一発で納得できた。今日まで眠れぬ夜を過ごしたに違いない。(^^;) 下から懐中電灯で照らしてみると、コクワらしい影が見え隠れしていた。当然カブちんもたくさんいる。下の方まで樹液の匂いが漂ってくる。しかし、脚立を掛けてもきっとあの洞には届かないだろう。

ここはあいあんさんにお任せして、あ〜は近くの開拓などをやることにした。しかし、木などほとんどないので仕方なく外灯をチェックすることにした。バンバン飛んできそうな場所だが、見つけたのはカブちん1コだ。

あいあんさんは、まだオオクワの木にへばりついている。かなり時間潰しをしたが、ヒマになったのであいあんさんを照してみた。かなり高い場所にいるので、何かと不自由かなと思ってサポートの意味で照してみたのだが、何だかイヤがっているように見える。???よくわからない。

そんなことを数分繰り返していたのだが、途中ではっきりと拒絶の態度が見て取れた。それと何か言いたげな顔も見えた。そのあと、強烈なライトでこちらの目つぶし攻撃を仕掛けてきた。復讐か?(^^;) 「もしかしてオレはケンカを売られてるのか?(^^;)」などとアホなことを考えながらあいあんさんのいる場所へ近づいてみた。

いる!大歯がいる!

声を殺してあいあんさんが脚立の上から言ってきた。

「まぢ???」

照しちゃダメだって!

そういうことか!!よくもまあ、ここに来るまでそんなことに気づかなかったものだ。あいあんさんは、とても到達不可能と思われた洞まで覗いてきっちりとオオクワの大歯型を発見していたのだ。光に敏感なオオクワは懐中電灯でまともに照すと奥に引っ込むに決まっている。

それにしても脚立の一番てっぺんに登って洞を見ているこの根性がすごい。あ〜もようやくサポートに回ったが、よく一人でやっていたと思う。完全なアクロバットだ。出初め式を一人でやっていたようなものだ。(^^;)

ペンライトを渡し、あいあんさんもしばらく格闘していたが、腕の動きが止まり、ゆっくりと脚立を下りてきた。どうやら一旦諦めたらしい。さすがにあの不自由な状態で洞採集をするのは無理だ。次の対策を考えなければ・・・

しかし、次の瞬間あ〜の目の前にあったのは、あいあんさんの右手であった!

「まぢ?!!!」

その手をつかむ。

そして、反対側の手が開かれた瞬間に目に飛び込んできたのは太いオオクワ♂であった!

「やった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!(^o^)」

もう一回握手!!

大興奮状態だ。今まで見たこともないような大量のダニ。(^^;) ワイルドを実感する。

やっぱり樹液採集は最高だ。サイズは64.4mm。立派なサイズである。こんなやつがいるなんて!う〜〜〜〜ん、素晴らしい!! もう言葉にならない。


【その後】

それから周辺の外灯などを見たりしていたのだが、いい加減遅い時間だ。これから帰ったら何時になるのだろう?(^^;) 明日も会社だぞ〜。(^^;)

とりあえず退散することにした。すでにあいあんさんは疲れ果てて今にも落ちそうな状態だ。「あ〜さん、よく眠くないですねえ」と、あいあんさんは言っているが、あ〜に言わせれば「あいあんさん、よく眠いですねえ」という感じだ。どうやら興奮さめやらないのはオオクワを採ったあいあんさんではなくて、あ〜の方だったようだ。(^^;)

結局、あ〜邸に到着したのは午前3時半。「よいこ」の時間はとっくに終わっている。よくやるわ、ほんと。

これで握手4連発受けだ。今度こそ、こちらから握手をしてやる!!

お疲れさまでした!!


本稿は2000年8月2日付で掲載した採集記に加筆・修正したものです

2000.8.16

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