7/15 茨城オオクワ’あっち’と’こっち’編 part2


00/7/14

茨城県某所

【準備運動】

明日は久々のクワ道さんとの採集だ。あ〜道コンビの採集は、滋賀でのミニ採集があったものの、本格的な採集はなんと5月27日以来となる。これだけ間が空くなんて信じられない話だ。体を暖めるべく、準備運動で茨城に出掛けた。とにかく明日は体力勝負だ。


【「あっち」と「こっち」再び・・・】

前回の感激を胸に、今回は思いっきり期待をして最初から取っておきの場所へ向かった。

そして・・・

ポイントに到着した瞬間、なんと、また「あっち」「こっち」オオクワを発見した。いきなりである。ウソみたいだ。

見間違えるはずもない光沢と太さ・・・やはり一目でオオクワとわかる。サイズは小さくても、とにかく太いのだ。

今度は「あっち」が♀「こっち」が♂であった。

前回やっているとはいえ、やはり一度に2頭もオオクワを見つけてしまうと、どっちから採っていいのかわからない。大パニックだ。高鳴る胸の響きを押さえつつ、ちょっとだけ考える。以前クワ道さんが♀を発見したとき、スズメバチに突かれてポロっと落ちて逃してしまったという話を思い出した。

「あっち」も「こっち」も今日は手を伸ばせば簡単に採れるのだが、♀が落ちたら探しにくいだろうと思い、「あっち」の♀から採ることにした。というか、撮ることにした。まずは写真撮影だ。どうせ採集記を書くなら、採集過程の写真をヤラセなしで撮りたい。採集過程を読者の方と共有できれば楽しいだろうなあ、というのが以前からのあ〜の考えである。

まずは♀だ。はやる気持ちを抑えつつ、「落ちませんように!」と祈りながらシャッターを切った。

今期初♀@ピンボケ

そして慌ててわしづかみにする。(^^;) やっと♀を採集することができた。今年初めてである。そして樹液採集で♀を採ったのも初めてだ。


【こんなバカ、見たことない】

次は「こっち」だ。目の前で洞の横の樹液を舐めている。40mm強の小さな♂だが、ケツが太く貫録がある。小歯型だ。♀がすでに採れているので、多少の余裕があった。デジカメを構えつつ、ベストなアングルになるのを待つ。

頭を隠してケツしか見えないので、じっと待つことにした。

5分経過・・・

10分経過・・・

いい加減、採ってしまおうかと思った頃、向きを変えてこちらに頭を向けた。小歯型でも充分かっこいい。(^^) 案外よく動くので、なかなかシャッターを切れない。ピントが合った瞬間に向きを変えられてしまう。悪戦苦闘を繰り返した。そのうちスローモーションのようにゆっくりと、ノソッ、ノソッっと洞の奥の方に入っていく。そして全く姿が見えなくなった・・・

あれ?もしかして逃げられたの?

自分の手のうちにあると思っていたので、全くノーケアだったのだが、どうやら逃げられたらしい。(^^;)

撮影に取りかかって丸々10分間、目の前の「こっち」を掴めば簡単に採れたのだが、洞に消えていくその一部始終をボケ〜〜〜〜〜〜〜っと見ていた。写真も撮れなかった。自分でどういう心境だったのかよくわからないのだが、やはり動揺していたのだろうか?それとも採集より写真を優先してしまったのか???(^^;) とにかく取り逃がしたことは間違いない。こんな逃げられ方も珍しいだろう。

アホか >俺

前回の例もあり、すぐに洞から出てくると思たので、余裕をぶっこいて、しばらく他の木を見回って時間を潰すことにした。ノコ8♂♂、6♀♀とコクワを40頭程度見つけた。

 

・・・・・・・・・さて、もう一度「こっち」を採りに戻ってきた。

予想に反して「こっち」は姿を見せない。ここで初めて「ヤバい」と思った。撮影なんか考えずに採っておけばよかったと思っても後の祭りだ。しばらく手段を講じたりして粘ってみたのだが、さすがはオオクワ、二度と姿を現さなかった。こうなると諦めざるを得ない。なんとも間抜けな話である。

あ〜は素人だし、余裕でオオクワを見逃すような身分ではないのだ。何頭採れても同じように嬉しいし、それぞれ鮮明に記憶に残っている。だから、「こっち」を取り逃がしたことは当然悔しい。

35.5mm ♀ 「あっち」

後ろ髪を引かれながら、泣く泣くポイントをあとにしたのであった。♀はダニもおらず、完品なので新成虫だろう。

この取り逃がした♂を探しに、またこんなところまで通ってしまう自分を想像して気が遠くなってしまった。


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本稿は2000年7月15日付で掲載した採集記に加筆・修正したものです

2000.8.16

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