採集記 1999.08.11〜12 檜枝岐編

毎年恒例?hoshiさん迎撃オフ


タカ  taka@comic.to




プロローグ


昨年に続き、hoshiさんが夏休みを利用して上京することになった。
となれば、迎撃しないわけには行かない。
さて、檜枝岐にしようか、韮崎にしようか。
どちらにせよ、採集だ!
これ以外にhoshiさんを迎える手段はない!!(^^)
ま、可能性から行って、やはり今年も檜枝岐だろうなぁ。
ちょうどこの時期は月齢も良く、最高の時期でもあるし...

通常ならオフするとなるとメールのやりとりが忙しい。
が、そこはいつものメンツ。
分かり合えている部分が多く、殆ど連絡は必要なかった。
メンバーはhoshiさん、r.matsudaさん、そして私である。

この週、一週間休暇というr.matsudaさんは先に現地に乗り込み、灯火を始めるとのこと。
と言うわけで、昨年同様、大宮駅でhoshiさんとは待ち合わせることになった。
待ち合わせ時間はPM1:00
途中、若干手間取ったらしく、多少hoshiさんの到着が遅れたが、ほぼ定刻通り待ち合わせ完了。
岩槻インターへ向かう。
表示では宇都宮辺りで渋滞とのことであり、ちょっと不安であったのだが、実際に行ってみると殆ど止まることもなく順調に進んだ。
現地到着、午後6:30
matsudaさんにも無事会合を果たす。
なんと、matsudaさんは前日の晩に2♀をゲットしたとのこと。
いやがおうにも盛り上がってきたのであった。



初日夜の部


PM7時頃、やや早めであるが、待ちきれない我々はいよいよ灯火を点灯する。
周りは薄暗くなってきた程度である。
ちなみに、今回はいつもの灯火ポイントではなく、もう少し上でライトトラップを張っている。
この時期、いつもの灯下ポイントは混み合うのではないかとの思惑からであった。
幸い、所有者の許可も得られ、準備は万端である。

すぐにでもクワガタが飛んでくるのではないかとの期待が膨らむのであるが、さすがにそう甘くはない。
PM7:30頃、そろそろ本番も近いと言うことで、街灯採集にも向かうことにした。
さすがにライトトラップに関しては、他の採集者が割り込んでくることはない。
従って、1名をトラップに残し、2名で街灯に向かうことにしたのであるが、残る一人をどうするかで悩んだ。
今回の一番の目的は、hoshiさんにオオクワをゲットして貰うことであるため、hoshiさんを確率の高い方にしたかったためである。
とは言え、このポイントで昨日2♀採れており、また、街灯採集でも大いに実績があるので、なかなかどちらとも言えない。
結局は、私とr.matsudaさんが街灯を回ることにし、hoshiさんをライトトラップに残すことになった。

車に乗り込み、街灯ポイントへ向かう。
途中、いつものライトトラップポイントを通ったが、やはり一機、ライトトラップが行われていた。
まず、自販機ポイントに到着。
と、そこにはウチヤマさんが。
 「今日はどうですか?」
などと軽い会話を交わしながらも、
 「う〜む、こりゃまずい(^^;」
と密かに思い、次のポイントへ。
 ちなみに、前の晩、ウチヤマさんがこのポイントで1♀、HOTさんが隣のポイントで1♀、OB5さんが別のポイントで1♀をゲットしたらしい。

次のポイントは、今までかなりの数のオオクワが採れていたポイントなのであるが、最近マナーが悪い採集者が多いらしく、ここのところ、看板のライトを消されてしまっている。
...はずなのであるが、今日は何故か看板が点いている。
こりゃ、今日は期待できるかな(^^)
...と思ったら、ここにはJIROさんが...
さすがにいつものメンバーである。
ポイントははずさない(^^;
JIROさんはこの看板の持ち主と親しくなり、採集に来るたびにわざわざお願いして点けさせて貰っているとのことであった。
う〜む、やるもんだ(^^;
しばらく話してから、次のポイントへ向かうことにした。
ちなみに、いつものポイントでライトトラップをしているのは、OB5さんであるとのことであった。
しかし、こうにも仲間内でバッティングしてしまうと、どうにも都合が悪い。(^^;
なるべく他のポイントを中心に探すことにしよう。

次のポイントではようやく、ミヤマ♀(だったかな?)をゲット。
本日初のクワガタである。
いらないのであるが、一応確保した。
クワ馬鹿のサガである(^^;

その後、何頭かミヤマ、ノコ、コクワなどをゲットしたが、意外と数が少ない。
今日のこの最高の時期、状態でこんなに採れないなんて、どうにも信じがたい。
とは言っても、採れないものは仕方がない、hoshiさんの待つライトトラップポイントへ戻ることにした。
途中、ふと思いつき、ある街灯の下を探してみることに。
車を少し離れたところに置き、街灯に向かって歩いていくと向こうから車が出てきた。
 「あちゃ〜、バッティングした(^^;」
が、折角なので、一応見に行くことに。
数カ所ある街灯の一つにr.matsuda氏が向かい、私は別の街灯へ向かう。
...とその時、
 「いましたよぉ!」
と、r.matsuda氏の声。
どうやら、たった今飛んで来たらしく、内羽もしまっておらず、ひっくり返っていたとのこと。
 「し、しまった。そっちの街灯から探すんだった(^^;」
と密かに思ったのである(^^;が、まぁ、r.matsuda氏がゲットしたなら別に悔しいわけではない。
考えてみると、前に出ていった人達に採られなくて良かったわけである。
地元の人の迷惑にならないようにと、車を少し離れたところに置いたことが功を奏した。
こんなことも有るんだなぁと、思ったものであった。

で、ライトトラップポイントへ戻ると、hoshiさんが、
 「変わったものが採れましたよ。」
と言うことで、成果を見せてくれる。
 「おぉ! オオクワの♂!」
と、一瞬思ったのであるが、よく見ると何だか足が長い。
なんと、ヒメオオの♂であった。
う〜ん、残念ではあるのだが、なかなか立派な♂である。
測ってみると、50mmオーバーであった(r.matsuda氏が持ち帰り正確に計ったところ、52mmであったとのこと)。
それはそれで、立派なヒメオオであった。
他には、ミヤマ、ノコ、コクワ、アカアシなど多数がゲットされていた。

が、その後、クワ足もパタっと途切れ、順番に街灯採集に出かけるも、採れたのはミヤマなどばかりであった。
AM1:00頃、ついにあきらめて私は就寝。
2時頃にはhoshiさんも寝たとのことであったが、何とr.matsuda氏は4時頃まで粘っていたとか...
さすがである。
ただ、残念ながらこの日のオオクワは、街灯下での♀1に終わり、今晩に期待を繋げたのであった。



2日目午前の部


はっきり言って、オオクワにしか興味がない3人である。
夜に向けて、充分な睡眠をとっておくのも一つの手なのである。
が、実は私は「勝手にクワガタ」10000カウントゲットのプレゼントとして、FJさんにヒメオオをプレゼントする約束があり、ヒメオオポイントへつきあって貰うことにした。
まぁ、オオクワにしか興味がないとは言え、そこはやはりクワ馬鹿のサガ。
着いてしまえば、真剣になる(^^;
 「よっしゃ、採るぞぉ!」
と意気込むのであるが、何もいない(^^;;;
アカアシすらいないのである。
いつもならアカアシが鈴なりになるポイントにすら何も着いていなかった。
どうやら、先にこのポイントに入った人達がいるらしい。
が、まぁ、折角来たのだからと言うことで、先に進むことにした。

で、いつものように、hoshiさんとr.matsudaさんに歩きながら探して貰い、私は車でトロトロと進む。
道沿いのヤナギは二人に探して貰うことにし、私は群生しているポイントまで先行した。
と、群生ポイントのちょっと手前、見ると黒い陰が...
あわてて車をバックさせ、見ると紛れもなくヒメオオが。
しかも、ペア。
更にそのペアの向こうにもヒメオオがいる。
なんと、早くもヒメオオ2♂1♀をゲット。
もっとも、その3頭を採っている間に、1頭クワガタが落ちていった。
もしかしたら、そいつもヒメオオだったかも...
ま、でもこれで予定のヒメオオは確保。
後はのんびり探すことにしよう。(^^)

で、結局その後、更に1ペアを発見。
今まで96年に1ペア、98年に1♂、今年99年に1♂の合計4頭のヒメオオしか採ったことがない私にとって、5頭のヒメオオは圧倒的な新記録であった(^^)
ちなみに、r.matsudaさん、hoshiさんも数頭のヒメオオをゲット。
まだまだポイントは先に続くのだが、「もうこの辺で良いか」と言うことで、途中で引き返すことにした。
ちなみに、途中で、先行していた別のグループの車が戻ってきたのだが、1頭も採れなかったとのこと。
やはり、ヒメオオの場合、先行すればいいってものでもないらしい。
ただ、それにしてもアカアシが1頭も採れなかったのが不思議である。
どうしてしまったんだろう>今年の檜枝岐



たまには昼飯のことでも...


いつもなら、林道から戻ってきて、檜枝岐村に入る所のそば屋でカルビ丼を食べるところである。
が、今回はr.matsuda氏の「カミキリポイントにも行ってみたい」とのこともあり、あ〜さんグループ御用達の「焼き肉フロンティア」に行くことにした。
ここは、舘岩村にあるのだが、林道からは遠いこと遠いこと(^^;
いくら走っても着かない。
ようやく到着したときには雨が落ちてきてしまっていた。
焼き肉の味は、まぁ、好みにもよるだろうが、なかなかであったことは間違いない。
通常なら檜枝岐で二晩採集すると、くたくたになって帰り道が危ういのであるが、今回は全く問題なく帰宅することが出来た。
これも、焼き肉パワーのおかげだったのかも知れない(^^;
焼き肉フロンティアはご夫婦と娘さんでやっているらしいが、なかなか人柄も良く、アットホームな感じである。
クワガタの話などをしたり、昨日までにゲットしたクワガタを見せたりして、楽しく過ごさせていただいた。
もしかすると、これからは檜枝岐に来るたびに訪れることになるかも知れない。(^^;
それにしても、檜枝岐の食事、来るたびにだんだん贅沢になっていく。
菓子パンやセンベイなどでごまかしていたのは、いったい何だったんだろう(^^;



2日目の夜


その後、アルザの温泉に入りゆっくりと気力を高め、夜を待ったがなかなか雨が上がらない。
幸い、採集時間頃にはなんとか小降りにもなり、採集GOとなったが、やはり影響があったようである。
ライトトラップを張り、街灯採集にも行くが、なかなかクワガタの数は増えない。
それでも、ミヤマ、ノコなどをゲットはするが、オオクワのオの字も見あたらない。
下の方のポイントでは遂に雨が強くなってきてしまい、仕方ないので、上の方の街灯ポイントへ行くことにした。
実は、この段階で、昨日からゲットしていたミヤマ、ノコ、コなどは、帰りには全てリリースする予定でいた。
が、かれこれ50頭くらいいたクワをただ漠然とリリースするのももったいないような気がして、誰か貰い手はいないものかと探していたのである。
上の超有名ポイント着いてみると、既にメインの電気は消され、もうじき街灯のライトも消える時間になっていたが、親子連れの採集者らしき人達がいる。
もしかして、クワ達を貰ってくれるかな?と思い、声をかけてみた。
 「今晩わぁ、今日はいかがですか?」
 「いやぁ、今日は駄目ですねぇ。」
 「ミヤマとか、ノコとかも駄目ですか?」
 「いや、ミヤマなんかは結構採れましたけど...」
う〜む、それじゃ貰ってくれないなぁ(^^;
 「昨日オオクワ採れたんですよ」
 「ええっ?」
昨日から今日に掛けて、何人かの採集者に声を掛けたのであるが、昨日オオクワを採ったのは我々だけかと思っていた。
意外や意外、親子連れの採集者でオオクワをゲットしていたとは。
なかなか侮れない親子連れである。
後で分かったのであるが、この親子連れはBBさんと言う、私のメール友達であったらしい(^^;
この時期、檜枝岐に来ているという話は聞いていたのであるが、遂に会えなかったなぁと思っていた。
実際にはお会いしていたなんて...(^^;
もっとじっくりお話をすれば良かった。
ちなみに、BBさんは2♀、BBさんチームで6♀のオオクワをゲットしたとのことであった。
う〜ん、凄い成績だ!
聞く限りでは、どうやらBBさんがゲットしたポイントは私の知らないポイントであるらしい。
檜枝岐も相当通い、知らないポイントは無いんじゃないかと思っていたのであるが、檜枝岐も奥が深い。
まだまだ頑張らなくちゃいけない。



あっと驚く帰り道


BBさんにお会いした後、ちょっと頑張ってみるかと言うことで、檜枝岐から舘岩方面に向かう横道へ進んでみた。
が、横道へ曲がって100mもしない内に、バケツをひっくり返したような雨が...
 「どっひぇ〜!」
と言うことで、あわててUターンし、ライトトラップポイントへ戻ってきた。
 「ちょっと雨、やばそうですよ。あきらめて帰りますか?」
と言うことで、ライトトラップを畳み始めたのであるが、若干間に合わず、ライトトラップポイントにもバケツ雨が...
ぐしょぐしょになりながらもようやく片づけが終わり、遂に檜枝岐を去ることになった。
帰り道雨はやまないが、前後を走る車もおらず、順調に進む。
もうすぐ塩原温泉街と言うところになって、対向車線にオートバイが停車した。
 「な、なんだぁ?」
と思いながらも、間に合わずスルーパス。
hoshiさん曰く、
 「なんだか、手を挙げていて、止まって欲しそうでしたよ。」
とのことであった。
 「故障でもしたのかな?」
と思い、50mくらい過ぎたところで車を止めると、オートバイが戻ってきてくれて、
 「この先で今崖崩れが有りました。
  私はバイクなのでその横をすり抜けてきましたが、車は通れませんよ。
  本当に今しがたのことなので、警察なんかも来ていません。」
とのこと。
 「がぁ〜ん! ひょっとして、檜枝岐周り小出経由で帰らなくちゃならないのかぁ?」
と不安が募る。
スピードを緩め、ゆっくり進んでみると、見事な土砂崩れ。 直径が1mも有ろうか(ちょっと大げさかも(^^;)と言う木が倒れ、土砂と共に道路をふさいでいた。
 matsudaさん曰く、
 「日光経由で帰らなくちゃ駄目ですかねぇ」
あ、な〜るほど、小出まで行く必要はないんだ(^^;とちょっと安心する。
(後で聞いたのであるが、実はこの日、日光経由の道も土砂崩れがあったとのことである)
 「どうしようか」
などと話していると、近所のお母さんが娘さんと連れだって土砂崩れを見に来た。
どうやら、土砂崩れの音に驚いて見に来たようである。
幸いにして、このお母さんに脇道を尋ね、わずかに遠回りをしただけで無事帰ることが出来たのである。
もし、この二人が出てきてなかったら、相当遠回りをしなくちゃならなくなってしまい、危ないところであった。
もっとも、危ないと言えば、もちろん土砂崩れである。
もう少し、時間が早かったら、もしかして直撃されていたかも知れない。
また、バイクの人が教えてくれていなかったら、快適に車を走らせたまま、土砂の中に突っ込んでいた可能性もあった。
いやぁ、本当に微妙なところであった。
ラッキィと言うのか、アンラッキィというのか...
ま、事故も起こらず、大した遠回りもせずにかえってこれたのであるから、まぁ、ラッキィと言っても良いだろうなぁ(^^)

で、無事塩原・西那須野インターに着き、高速に乗って最初のインターで解散することになった。
ちなみに、hoshiさんについてはr.matsuda号にてhoshiさんの実家まで送っていただくことにした。
また、初日にr.matsuda氏がゲットしたオオクワ♀はhoshiさんに委ねられたようである。
さすがはr.matsuda氏である。
う〜ん、良きかなクワ友。
また来年も、是非檜枝岐でお会いしたいものである。



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