あなたは、
チリクワを信じますか?
チリクワを求めて −その後−

by 虫キチコージ



●補足記事ではあるが、補足部分だけでは分かりにくいであろうから、前回の記事の内容もリピートさせていただく。その辺は、どうかご容赦を・・・。

リクワを求めてチリに渡り、発生時期をはずし、見事に玉砕した私は、そのうっぷんを標本を購入することではらそうとした。前回ご紹介したセルジオ氏は、日本のインターネット掲示板上にもちらほらと登場する怪しい標本商である。何とか実物のチリクワを見てみたかった私は、セルジオには現地で「日本は活きクワの輸入は駄目よ」なんて教えておきながら、帰国後「活きチリクワを送ってみて」なんて思いっきり矛盾したメールを連発するのであった。

そんなセルジオ氏も、興味を持ったらしく、今年の始めにプライスリストなるものを送ってきた。活きチリクワが載っている。少々値段は高いが、当時チリクワ病に犯されていた私は、迷うことなく発注をした。2月4日のことであった。死着の可能性が非常に高いであろうと思ったが、まぁ、現地でお世話になったお礼と思えば高くない。たとえブツが全く来なくても、私は怒らない。こういうと、まるで仏のようだが、それは違う。実は昨年現地にクワ採りに行ったとき、現金をほとんど持っていなかった私は(出張中で、本当に行けるとは思っていなかったんで(^^;))、交通費、宿泊費、食費、すべてセルジオにお世話になってしまったのだ。そのお金を返すと思えば、逆にチリクワが来ればラッキーなのであった。

セルジオから確認のメールが入り、送金を手配する。後はブツが入ってくるのを待つだけとなったとき、正直言って遠足前の子供のような気持ちであった。「まだかなまだかな」なんて思いながら待てども、いっこうに送ってくる気配なし。相手はラテンだ、ここは気長に待つか・・・なんて思っていたら4月になってしまった。たしかチリクワの発生時期は2〜3月だったはず。もうシーズンも終わっている。案の定、4月7日に「プロブレム」なんてメールが入ってくる。彼の手元に25ペアのチリクワが届いたそうだが、うち生存していたのは3♂5♀のみで、しかも全部瀕死の状態だという。何となく予想はしていたことだが、まぁ、そんなもんかとあきらめ、来年再度チャレンジしましょうということになった。ってこんな事書いちゃっていいんかいな・・・(^^;)

6月22日、他に発注していた標本が届く。実に発注してから4ヶ月以上かかってしまったわけだ。送られてきた標本の中には、前回「新種」と記載されていた、サメハダクワガタの一種が入っていた。いつ、誰が記載したのかは不明だ。サメハダクワガタ類についてはまた次の機会に紹介したい。