沖縄採集記

〜 Kirk 〜

今年は7月22日〜26日まで、沖縄へ家族旅行に行ってきました。
その時の結果を思い付くままに書いてみました。

 

 

7月22日(1日目)

前日は旅行の準備で徹夜してしまった。
旅行の準備といっても、バナナの箱詰めくらいのものである。
例によって、台所の三角コーナ用ストッキング生地のものにバナナを詰める。
泡盛などないので、ホワイトリカーをまぶす。
漏れると臭いので、ジップロックにまとめて入れた。

朝5:24発の電車に乗り、空港バスを乗り継いで伊丹空港へ。
釣竿を改造した虫採り網はちょっと恥ずかしいので、妻が縫った布袋に入れて杖代わりに持って行く。
定刻通りJAL911便は離陸。低気圧の影響で少しゆれがあったが、予定より少し早く午前11:15頃に那覇空港へ到着。
着陸直前に機外を見ると、何とそこは雨。昨年の奄美大島が思い出される。昨年は水着を着ることもなく旅行を終えた。今年もか…とちょっと萎えたが、沖縄の天候は変わり易く、レンタカー店までの送迎バスを待っている間に晴れたり雨が降ったりと二点三転した。

しかし、沖縄の人は、まぁのんびりした性格なのね。それじゃぁ大阪では生きていけまへんで。
レンタカーの送迎バスの待ち時間は10分ということだったが、何の連絡もなく40分は待たされた。
そりゃ天気も変わるさね。やっとこさレンタカーを借りたときには時刻は午後1時をまわっていたが、
しかしそこは沖縄、気温は高くムッとした暑さで、道路も乾いてきた。
 
 

レンタカーは日産マーチの新車。まだ500kmちょっと。
がんばって山道を走ってもらわなきゃ。

時間も時間なので、まずホテルへチェックインして泳ぎに行くことにする。
沖縄自動車道を通って石川市へ。
SONYのカーナビ付きなので安心していたのだが、こいつが曲者で、道路の上を走ってる時は交差点を行き過ぎてから音声案内するし、住宅街の中では家の中を突っ切るしで、高速道路入り口に到着するまでに3回は道に迷った。 こいつと5日間付き合うと思うと嫌になったが、そのうち、なんとかナビの癖が分かってきた。
沖縄の高速道路は、平日の昼間ということもあるが、空いていて前後に車が見えない。快適ドライブである。
午後2時半頃、宿泊先のココガーデンリゾートオキナワに到着。チェックインを済ませる。
ここはコテージになっているので、夜の出入りは自由。夜間採集にはもってこい。
すぐに着替えて、車で10分ほどの系列のルネッサンスリゾートオキナワのビーチへ。平日でも結構人は多く、おネェちゃんも多い。今年はビキニがはやりなのか、うれしい限りである。 (^^)
とりあえず「沖縄の海で泳ぐ」という旅行の第一目的はクリア。天候がどうなるかわからなかったので、グラスボートにも乗っておいた。
ホテルに帰り、中華バイキングの夕食をとった後、虫採りに行くことにした。いつものように家族同伴で、夜のドライブだ。

目的地はあらかじめ地図で目星をつけておいた本部半島の八重岳。
58号線を北上するが、ものすごく眠い。30歳を過ぎての徹夜はむちゃくちゃ堪える。
眠気覚ましに「うぉ〜」っと叫びながら運転しても、何度も記憶を失うので、路肩に車を止めること3度。
最後はバケツをひっくり返したような雨で飛び起き、名護市内で八重岳をあきらめた。
ホテルへ帰る途中、沖縄高速の伊芸SAの灯下見回りで、女子トイレ入り口でタイワンカブトを1頭拾った。
初日の成果はこれだけで、先が思いやられる。
 
 
 

7月23日(2日目)

朝起きてバイキング形式の中華の朝食をとった後、昨日と同じビーチへ泳ぎに出かけた。
快晴とは言えないが、さすがは沖縄、日差しはきつい。甘く見て、日焼け止めクリームを適当に妻に塗ってもらったら、塗った通りに日焼けしてしまい、指の跡まではっきりくっきり。ただでさえ腹が出ているのに、背中を見せても恥かしい。
泳ぎは2時間ほどで切り上げ、午後は名護市内の観光に出かけた。そのまま八重岳へバナナを仕掛けに行くべく、車に積み込む。
名護フルーツパーク、名護のパイン園に「パイナップル食べ放題」のキャッチフレーズにつられて行ったが、居座って食べつづけられるほどうちの家族は図々しくはないが、そこそこ食べた。

名護パイン園では、蝶の展示をやっていた。
このハウスの中に放蝶してある。

たくさんのオオゴマダラの蛹も吊るしてあった。金ピカの蛹である。
初めて見たが、画像以上にきれいである。成虫より美しい。
ツマムラサキマダラや、カバマダラも放してあった。

ここでは、観光客目当てのクワガタを売っていた。
沖縄のクワガタと初対面。
全てノコであったが、オキナワのノコは赤い。

その後、やんばる亜熱帯園へ。
砂利の駐車場に車を停め、脇の草むらを見ると何かいる。
バッタかと思ったが良く見るとタマムシだ。
きれいな緑色だが、名前が分からない。
(後で図鑑を見ようと思いながら未だに見ていない)
夜ホテルで撮ったのであまりきれいではない。

時期が悪く、蘭の花の盛りは過ぎてるし、私にとってはありきたりの花ばかりであったが、ここでも、「生きた世界のビッグ昆虫大公開」と銘打って外国産の展示をやっていた。
ヘラクレスやマンディブ、ダイオウなんかも展示してあった。
ヘゴの木に網を張って飼育したクワガタを放し、それを採るという子供向けの夏休み企画をやっていたが、恥ずかしくてパス。大人380円、一頭も採れなかった時の保険にしとけば良かったと、入園した後で後悔した。


 
ひと通り観光をしたので、バナナを仕掛けに八重岳453mへ。
やんばる亜熱帯園からはすぐ近くだ。
バナナを仕掛けなきゃ、持ってきた意味が無い。
頂上まで車で行けるが、米軍の通信施設があるため、9合目あたりから先へは入れない。
道沿いにはずっと桜の木が植えてある。桜で有名らしい。
狙いはリュウキュウコクワなので、標高が高い方がいいかと思い、本部町方面への分岐点あたりに仕掛けることとする。夜はハブが怖いので、もちろん道路沿いだ。

仕掛けたハナからコノハチョウが寄ってきた。
沖縄では、コノハチョウとフタオチョウは天然記念物になっている。
ビロードのような羽は完品で、手を伸ばせば届く所にいる。
捕まえたい気持ちをぐっと押さえてデジ画像だけにしたが、
ごらんの通り失敗。
ビデオにしておけば良かった。
良く見ると、林の中で結構飛んでいた。

 

3箇所に分散して仕掛け終わったので、夜を待つだけ。
沖縄の日は長いので、本部町方面へ下って、夕食をとることにした。
ガソリンスタンドでおいしい店を聞いたが、知らないとのことなので、時間つぶしに、月刊むしにヒラタ採集の報告があった瀬底島へ寄ってみた。立派な橋が架かっていて、簡単に渡れる。しかし、サトウキビ畑があるのみで、どこにクワガタがいるのだろうか?橋を渡りきった所に林があるので、きっとここにいるのであろう。

本部町に戻り、大浜でうろうろしながら妻が見つけた「海鮮亭」という居酒屋で夕食。
これがヒット。「チョッチュネー」って感じの店員さんが親切で、料金も良心的でおいしかった。
海鮮定食とクスガラス?のから揚げは最高でした。
本部町へ行かれる時には、是非この店へ。オススメです。
夜の採集を前に、妻にうまいものを食わせておくと効果抜群である。

 
夜8時を過ぎ、再び八重岳へ。
街灯ひとつ無い道は、妻と二歳児とはいえ家族が一緒で心強い。
バナナトラップには、コメツキと蛾が大量に群がっている。
これは期待できるかもしれない、と思ったが、どのトラップにも何も付いていない。
仕掛けたばかりだし、まぁ仕方が無いわな。
あと二つとなった時、ひっくり返したら、一頭付いていた。
歯は小さいが♂だ。やったぁ、リュウキュウコクワだ。なんて運がいいんだろう。日頃の行いが良いからだなぁ、と小躍りしながら車へ帰って、車内灯で良く見ると、なぁんだヒラタの♂だ。いや、なぁんだじゃぁない、オキナワヒラタ初採集じゃぁないか。
これでクワガタボウズは免れた。



 

7月24日(3日目)

毎朝中華っちゅうわけにもいかないので、ルネッサンスリゾートオキナワで朝食をとることにする。
天気は曇りがちで、風があるのでビーチにも人がまばら。
ウェイトレスのお姉さんに聞くと、「ネッテイが来てるから」とのこと。あぁ、熱帯低気圧のことね。
今日は泳ぐのはやめて、やんばるの森を見に行くことにする。(完全に私の都合)
山ばっかりともいかないので、共栄ガラス工房で娘の足型を作ってもらい、万座毛を観光して、国頭村へ。

地図を見ると与那覇岳の麓に森林公園がある。
ここで、やんばる体験をすることにした。
奥間から林道へ。時刻は午後2時頃。
しかし、娘が寝てしまい、歩いて散策ができなくなったので、仕方なく車でルッキング。
森林公園といっても、キャンプ場もあるようだ。
路肩に車を停めて、ネブトでもいないかと松の倒木を蹴飛ばして割ってみたが、ゴキブリすらも何にも出てこない。車に戻ろうとしたら車内から妻が「そこにいる」とガードレールを指差す。
慌てて見てみると、ガードレールの上でタマムシが交尾しているではないか。これでタマムシ3頭目。

でも、関西で見るような樹液の出ているクワガタのいそうな木が
全く無いので諦めかけていたら、発見、樹液痕のある木。

誰かが削った様にも見えるが、状態から見て今年ではなさそう。
早速降りて見てみるが、樹液はわずかで、何にも付いていない。
それでもネブトなら樹液ダイブするくらいだからと思い、V字の
真ん中に溜まった泥を落ちていた木で引っかくとミミズが出てきた。
さらに掘ってみると、何やら動いてる。ヒラタクワガタの♀だ。
これでペア確保だ。(産地が違うけど・・)
 

周りの木を見渡すが、他にはいなさそうなので、さらに車で探索。
いたっ、タマムシだ。今度はスダジイ(だと思う)の樹皮に付いていた。大き目なので♀かな?
他にはいなさそうなので、さっきの木に戻ってチョウでも採ることにする。ルリタテハが舞っている。
網を持って追いかけ始めたら、先ほどの木の斜め上に、もう一本同じ様な木があるじゃないですか。

よぉく見ると、クワガタらしき虫影が見える。
ハブが怖いので、網の柄で下草を叩きながら崖を登る。
これも、削った痕に見えなくも無いが、下草が倒れていないので、
削られたとしても昨年のもののようだ。

いました、虫影はノコの♀。これでノコのブリードも出来るぞ。
この木はかなり樹液が出ていて、まだいそうだ。
樹皮の間を覗くと、いるいる。ヒラタのようだ。
車へ戻り、妻に「たくさんいるからちょっと待って」と言っておいて、
ピンセットとルアーケースを持って行く。
樹皮下から出てくる出てくる。
結果、ここだけでヒラタ2♂6♀、ノコ1♀。
嬉しくてデジ写真を撮るのを忘れた。

タコ採れの木の葉と花。
(誰か樹種に詳しい人いませんか?)

周りの景色。
右側が林道。

これでも満足なんだが、採れたら採れたで欲が出てノコの♂が欲しい。
一度山を下りてトラップを仕掛けることにする。

下りた所に国頭村物産センターがあった。
運良く、この前でパイナップルを売っていた。
熟れていそうなのを2個1000円で買う。
物産センターなので、ここに妻と娘を残し、トラップを仕掛けに先程の場所へ。
パイナップルなら即効性があるので期待大。
時刻は午後4時前。

ここにはやんばるの動物の
標本や昆虫の標本も展示し
てあった。
是非一度訪れて見て下さい。

またまた夜まで時間待ちなので、辺戸岬へ行くことにする。
鹿児島まで続く58号線を北上し、途中「茅打ちバンタ」に寄る。
下から見ると凄いが、上から見るとそうでもない。
昔は難所だったのだろうが、今はそうでもない。
近くに中学校があったのに驚いた。通学が大変そうだ。

辺戸岬へ着くが風が強い。
右手の山の上にドでかいヤンバルクイナの像が見える。

まだまだ明るいので、やんばるの森を回り込む形で、安波のサキシマスオウの木を見に行くことにする。
途中の道路には、ヤマガメ注意の看板があちこちにある。
安波に着くが、地図には天然記念物とあるのに案内看板がない。
農作業中のおばあさんに聞くと、墓場の敷地内にあるとおっしゃる。
沖縄のお墓は石作りの家の様な形をしているが、ここのは山の斜面に半分埋まったように作られてあった。
妻は蚊がいるからと出てこないので、一人で墓場へ見に行く。
どうも、天然記念物の群落ではないようだが、2本だけあった。北限ということもあってか、自慢の板状の根は40cmほどの高さしかない。
ここでは、ハンミョウがいたので、網を出してハンミョウ2頭ゲット。滋賀にいるのと大差が無い様に見える。
ハンミョウを追って農道を20mほど進んだ所で、野生のイノシシ家族と遭遇。向こうが驚いて、サトウキビ畑の中へ逃げ込んだ。

そろそろ暗くなってきたので、奥間へ戻って夕食をとることにする。
照首山を抜ける林道を通って、つまりやんばるの森を横断して辺戸名へ。
途中の橋の上からダム?の向こう岸を望む。
いつかこの森の中にマルバネ採集に来たいものである。

辺戸名の「ハイサイ」なる居酒屋で夕食。
ここもおいしかった。子供連れなので気を遣っていただきましたが、腹一杯になった。
沖縄の人はいい人ばかり。

午後8時になっったので、トラップを仕掛けた場所へと向かう。森林公園からはかなり下った所になる。
トラップを見回るが、何も付いていない。仕掛ける場所を間違えたか。
明日は来られないだろうから、見た所から回収していく。
 

昼間タコ採れした木を見る。V字の又にパイナップルを置いておいた
が、なにもいない。
しかし樹液部分でヒラタ♀発見。ここには、小さい♂も付いていた。

本命の斜面上の木に、はやる気を押さえ、ハブを恐れながら行くと、
ヒラタの♂だ。結構でかい。
(フィールドで見るとでかく見える。後で計ると58mm)
しかし、大量のコメツキがいる。
この木には昼間よりたくさん付いていて、ルアーケースがいっぱいになる。
結果、夜だけでヒラタ6♂11♀、ノコ1♂1♀。

少し下ったタマムシを採った木のトラップを見に行く。
いました。今度はオキナワカブトの♂が2頭。
標本用に欲しかったんですよね。
木の上をライトで照らすと赤いノコ♂が一頭とまっている。慎重に手で捕まえた。

これで、十分満足で、八重岳は遠いしどうでも良くなったのだが、バナナの回収に行かなきゃいけない。
帰り道からもちょっと外れるが、道を知ってる分、早く着いたように感じる。
時刻は夜10時過ぎ。
風が出てきたし、小雨も降ってきた。期待薄。
順にトラップを見て回り、回収してゆくが、昨日と同じく蛾とコメツキばかり。
それでも、ヒラタ2♂、ノコ2♀採れた。
このうちノコ1♀は黒く、なんだか越冬個体のようにくすんでいた。(気の利いた画像無し)

ホテルへ帰り着いたのが午前0時頃。
 

 辺戸名での採集結果。
ヒラタ♀は多すぎて撮っていないが、傷や歯先の欠けから、かなりの♀が越冬個体だと思われる。


 八重岳のヒラタ。
左端が初採集の小型♂。
ここのはどれも泥をかぶっていた。


いやぁ、実に内容の濃い、充実した一日でした。
 
 

7月25日(4日目)

昨日は大漁だったので、虫採りはこれで止めにして、今日は妻の言う通りの観光をすることにする。
まずは首里城。
朱礼門が工事中でやぐらが組んであり、見栄え台無し。残念。
朱礼門から城内に入るところでどしゃ降りとなり、しばし雨宿り。

首里城を見学した後は、土産物を買いに国際通りへ。
ここでもどしゃ降り。さすが沖縄、亜熱帯って感じ。

帰りに東邦植物園へ。
ここでも、昆虫展を開催してる。
園内バスで一通り巡る。
お決まりの何万匹かの鯉の群れにも餌をやった。
それから標本展示室へ。
沖縄に来て、たくさん見てきたので代わり映えしないが、
ヤンバルテナガコガネがきれいだった。

特別展示は、子供向けのワンダーランド。
オオゴマダラやキノボリトカゲなんぞにタッチできる。
クワガタもノコがいた。娘にも、こわごわ手に乗せてポーズを取らせる。
オヤジはビデオにカメラに大忙し。


 

出口では、標本の作り方の展示などと共に、カブトムシ生体を
売っていた。なんと、ホンドのカブトではないですか。
観光客目当てなら、オキナワカブトを売った方が放虫問題含めいろんな意味で効果があると思うのだが・・・。
1200円という価格にも驚いたので、係りの人に聞いてみたら、本州のカブトだから高いんだそうである。
目当ては沖縄県内の子供なんだろうか?
う〜む、子供が亜種がいることを知っているとは思えないが。
国産クワガタ下敷きだけ買って、複雑な心境で後にした。

ホテルに着いたらもう夕食時だったので、るるぶで探しておいしそうな店に行くことにした。
んが、これが大失敗。
芸能人が大勢来てて写真なんかもあったが、昨日、一昨日の居酒屋でうまいものを腹いっぱい食った我が家族は満足しない。なんと娘も食が細かった。値段も一番高く、妻はブツブツ。
外は、雨と風が激しくなってきた。

これで、沖縄採集記は終わりと言う所なのだが、世の中馬鹿はいるもので、もう一度タコ採れの木を
拝みに行くことにした。あの木なら絶対にボウズは有り得ないと思ったのだ。
外は風がきついが雨は止んだ。
娘は寝てしまい、何かあったら心配だからと家族で行動していた妻も、さすがに馬鹿には付き合ってられず、
一人で行くことに。
片道65kmくらいあるんだよね。滋賀県から能勢の山の一本の木を見に行くようなもの。
夜8時半くらいに出発したが、着いた頃には雨がどしゃ降り。
国頭村物産センターの駐車場で仮眠を取って納まるのを待つ。
午後11時半になって、少しは雨もおさまったかのように見えたので、山道へ。
風が物凄く強く、木がしなり、小枝や葉が道路に落ちている。
一人は心細いが、道を知ってる分気が楽。

V字の木に到着。
ん、裏に何かいる。オキナワカブトの♂だ。来た甲斐があった。
しかし何処かおかしい。角の先が無い、奇形だった。

奄美で雨の夜、ハブが木に登っていたのを思い出し、念入りに懐中電灯で樹上を照らしてから、雨に濡れるがままに、斜面を登る。
うへぇ、大きなムカデがいる。下側にはこれまた大きなナメクジ。(南国のおナメってどうしてこう大きいの?)
どちらも苦手だが、雨の日はしょうがない。ピンセットや木切れで場所を譲ってもらう。

いましたいました、ノコの♂が。
樹皮下にも、まだいるぞ。
  
風雨の為、カメラを持ち出せなかったが、この木は凄いですね。
結果は、ヒラタ4♂3♀、ノコ3♂1♀。
雨の中でもいるもんですねぇ。

国頭村物産センターに休憩によったら、地元の若者達が暗闇の中、誕生会を開いていた。
ハッピバースディ〜♪♪と歌ってやがる。
屋根の下で食い物広げて男女がだべってる。(ちょっと羨ましかったりする)

帰りは眠さも吹っ飛び、雨ではあったが結構快適ドライブ。
午前2時にはホテルに着いた。
帰って良く見ると、ノコ1♂の左前足のフセツが無い。欠損ではなく、奇形のようだ。
カブトといいノコといい、農薬とかなにかの影響でもあるのだろうか。
 

 

7月26日(帰る日)

チェックアウトした後、ルネッサンスリゾートオキナワで朝食。
最後に蝶を採りたかったが、クワガタ発見で慌てたので、三角紙を全てタコ採れの木周辺でなくしてしまい、
諦めモード。
ホテル近くの蘭屋さんにより、小型の蘭を記念に一鉢買う。
沖縄に来たのだから、最後にひめゆりの塔へ行くことにする。
観光客がほんの数十分見学するだけで理解できるほど、薄っぺらな問題ではないが、いろいろ考えさせられた。
時間があるので琉球ガラス村を見学し、那覇空港へ。

レンタカーを返し、空港で遅い昼食をとった後、JAL918便で伊丹空港へ。
北海道便での機長刺殺事件の影響で、チェックが厳しい。
リュックからピンセットとノギスを取り出させられた。
機内では、台風5号のため奄美大島上空で揺れが激しくなるとアナウンスがあった。
ん?、ということは、昨夜は台風の中クワガタ採りしてたわけ?
どうりで沖縄のネッテイは激しいと思った。
新聞読むまもないし、TVも見る時間がないくらい遊びまわってたからなぁ。

伊丹に着いて、新大阪駅へ向かう空港バスのなかで、蘭が無いことに気が付いた。
しまった、レンタカーの中に忘れたんだ。(後で電話したが見つからなかった。)

自宅へ着くと、アパート前の休耕田が整地され、マンション建設の為のプレハブが建っていた。
なんだか長い夢から覚めたようだ。
 
 

採集結果

オキナワヒラタ  15♂20♀
オキナワノコギリ  5♂ 5♀
タイワンカブト   1
オキナワカブト   3♂
?タマムシ     2♂2♀
ハンミョウ     2
 

家族旅行にしては、大満足な結果となりました。
馬鹿な夫に付き合ってくれた妻と、毎度オヤジに振り回されても文句を言わない娘に感謝します。
これからも宜しくね。

文責 : Kirk / yabe@osk2.3web.ne.jp

 
  くわ馬鹿秋号に戻る!