1999.9.10(金)〜11(土)にかけて福島県南会津郡檜枝岐村周辺にてまちかねBBS系
檜枝岐大採集オフが行われた。林道に渋滞ができ、真っ暗なはずの暗闇が煌々と照らされた
伝説の採集については別途採集記が掲載されていると思われます。そちらをお楽しみ下さい。
この採集記はその翌日のおまけ採集記である。

9.12(日)朝、今回参加できなかった方にヒメオオをちょっぴり持ち帰るべく、林道に向かった。
ほんのちょっとだけ採集できればいいので、比較的道の良い反対方向から入り、標高800m
付近を目指す。程なく800m地点に到着し、ルッキング開始。最初に見えたのは大きなスズメ
バチ2頭、それに見慣れないゴミムシダマシの様な甲虫も一緒に樹液を舐めている。

続いてノコギリクワガタ、ミヤマクワガタが見つかるが、どれもフセツがとれたり、大顎が欠け
たりとみな痛んでいる。

900mに少々標高をあげてルッキング再開。程なくヒメオオ♀を発見。ほかにも小型♂が別の
枝先についている。ネットを寄せて順番にネットイン。すぐ隣のヤナギの枝先にも中型♂らしき
陰が見える。ちょっと陰だったので、かなり慎重にネットをよせ、揺らす。なんとかネットイン。
でもヒメオオ♂ではない様だ。アカアシの大きめ?でもない。はて?ネットを寄せてじっくり見る
と、見慣れているが見慣れないクワであった。それはコクワ...。ここでしかもヤナギの枝
先に つくコクワってのはレア?大きさは48.5mm程あり、コクワとしては結構大型です。

内歯が片方欠け、触覚も一部欠損してるが、胸部側縁の形状がちと変わってるので一応持ち
帰りました(ヒメオオとの雑種だったらいいなぁと思ってさ。)。持ち帰りよく観察してみました。
胸部側縁の形状(Point3)は”月刊むし 1999.6 クワガタ特集号104P掲載のヒメオオ×
コクワ)と 思われる個体に似ており、あとは複眼前方の平らな部分の突き出し(Point1)幅が
広い、胸部前方の張り出し(Point2)が強い様です。ただ、爪間板もある様ですし(ないところも
あるが、後で欠損したと思われる。)、ヒメオオ×コクワの種間雑種とするには決め手にかける
感じです。

続いて標高1000m付近へ移動し、ルッキング再開。ここでもヒメオオのシルエットをいくつか
確認し、お手軽そうな場所から順番にネットを寄せネットインしていきました。3♂1♀採集した
時点でおみやげ用に十分な数前日採集分と合わせて6ペアを確保したので、まだヒメオオは
枝先について居たが、時間にしてわずか1H程のお手軽採集を終了。

広めの場所でUターンして林道を下りますと、突然崖の上から何かがガサガサ落ちて来ます。
落石?、やばいなぁ林道ふさがんでくれと祈りよく見るとなんか違う。動いています。
熊?でもなさそう。結構大きな動物では ありますが、黒くないです。

それは若い小型のカモシカでした。どうも上の方から滑落してきた様です。
生きてますが、ちょっと元気がありません。どこか怪我したのでしょうか?それとも病気で弱っ
て滑落したのでしょうか。どちらにせよ私にはどうしようもありません。元気を取り戻して欲しい
と願いつつその場を後にするしかありませんでした。

この日の成果:ヒメオオ4♂♂2♀♀、コクワ1♂、ミヤマ1♂、ノコギリ2♂♂
         ヒメオオ、コクワ以外はリリース。          

これで今シーズンここでの採集は終了。来年春、コルリ採集で訪れるまで暫くのお別れです。

ではでは。



参考文献:(有)むし社発行
       月刊むし 1999.6 クワガタ特集号・11
       P104 土屋 利行氏 コクワガタとヒメオオクワガタの種間雑種

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