今度も心配な試合だ。 さっきのメタリフェルが又出てくる。 それだけではない。 ゼブラは人の気配を感じただけで全ての足を引っ込め すぐポロッと落ち、大顎の間に指を入れても挟まない 平和主義者であるからだ。 予想通りの展開だった。 やはりゼブラは言うことを聞かなかった。 リングに上がってもすぐに降りてしまうのだ。 さすがのメタリフェルも腹が立ってきたようで 時折大顎を振りかざすようになった。 これでゼブラがやる気を出せばいいのだが。 そのままきっと終わってしまうと誰もが思ったていたのだが、 相手に気づいたゼブラはリングにとどまり、じっとメタリフェル を見据えた。 メタリは長い大顎でゼブラを上から挟んで投げ飛ばそう とした。が、しかし、そこをかいくぐってゼブラが突進。 がっぷり四つに組む。 ふところに入られたメタリフェルはやりにくそうだ。 メタリフェルより体の小さなゼブラが攻めだした。 ギリギリと力強く何度も挟み、強引に押していく。 足の細いメタリは踏ん張りが効かないのかじりじりと後退する。 とうとうゼブラがメタリをリングの外に追いやってしまった。 メタリはすぐに戦意喪失。逃げ出してしまった。 この勝負、寄り切りでゼブラの勝ち。 |