採集お役立ちグッズ情報

ポータブル型ナビゲーション

k-sugano



 
いよいよ採集シーズン到来である!くわ馬鹿な諸兄も休日毎にフィールドへ出撃しているはずだ。
筆者の地元、近畿支部においてもその例外ではなく、夏号の採集記でお分かりのように4月から毎週のように(毎日という人もいるが(^^ゞ)近畿各地で採集を行っている。

特にシーズン初めに出現するヒラタクワガタは大量に採集されていて、ひょっとすると70mmオーバーの野外品も近々採集されそうな気配さえある。また新加入のtsuu3さんの影響もあってか、このところ近畿支部ではネブトクワガタが大ブレイクしているのだが、ネブトクワガタを一夜で数十頭も樹液見回り以外の方法で採集(次号で報告予定)する偉業を成し遂げた大馬鹿者もいたりして、大漁の情報には事欠かない。

さて、そのような情報に接する度に、「どこで採れたの?」と採集場所を聞きたくなるのは人情である。近畿支部では採集ポイントや採集方法を教えあっているが、実際に現地へ案内してもらわないと良く分からないことも多い。メールや掲示板、あるいは電話で聞いてもなかなかわからないものだ。

そこで今回ご紹介するのがGPSを使って、地球上の特定の場所を緯度と経度でデジタル表示しちまおうというポータブル型ナビゲーションシステムである。GPS(Grobal Positing System)はアメリカ国防省が打ち上げた24個の衛星からなる全地球測位システムで、湾岸戦争で一躍有名になり最近ではカーナビに使われているので皆さんにもおなじみだろう。

湾岸戦争で米軍部隊が自らの位置を確認するために使ったポータブル型の機器は、軍事用でも有り非常に高価なものであった。しかしこの手のものを安価に作るのは日本の企業のお家芸で、今回紹介するものは松下電工の製品「RV GEAR《ハンディマップナビ》ERV870」である。定価は66,000円と手軽に買える物ではないがちょいと無理をすれば買えないこともない価格である。


これの能書きには

「登山中に濃いガスが発生し、目標となる道標を見失ったとき、現在位置が確認できます。海釣りの場合は、よく釣れたポイントを記憶させ、次に行く時レジャーボートを前回ポイントの15m以内へ、正確に行く事ができます。」

とあるので、「海釣り」「クワ採集」に置きかえれば、もうこっちのもんだ(^^)v

この機器をお互いに持っていれば、GPSによって測定された位置、
たとえば「42°18 '24" N , 145°16 '22" E にオオクワガタのいる木がある。ちなみに標高は250メートルである」とかの情報を交換できて非常に都合が良い。

また、採集した標本のラベルにも


 


のように緯度経度標高が記せて資料としての価値が高まる。
採集屋&標本屋のくわ馬鹿には是非ともお勧めしたい商品である。
なんでも既にアメリカでは一部の昆虫採集器具店に置いてあるということだから、「志賀昆虫」や「むし社」でも早く取り扱っていただきたいと思う。

さて、宣伝めいてしまうが、近年これほど感動した昆虫採集用具(?)はないので、松下電工の宣伝文句をそのまま無断引用して終わりにしたい。

 
特長
液晶ディスプレイとマップウインドウの周囲にあるランプにより、緯度・経度情報のはいった地図上で自分の位置が確認できます。
    自分の位置であるマップウインドウのセンターポイントには、穴が空いており、地図に自分の位置をプロット(書き込み)することもできます。
表示機能は、現在地の『緯度・経度、高度』、『移動方向・高度』、そして『日付・時刻』も表示できます。
ふむふむ。高度もわかるとなるとコルリファンやツヤハダオタクにもピッタシ!!
目的地を入力すれば、現在地から目的地までの『直線距離・方角』も表示。
 方角の表示は、液晶ディスプレイだけでなく、マップウインドウの周りにある『ランプでも表示』します。
 『コンパス(方位磁石)』を内蔵しているので、マップウインドウ上部を北に合わせると、ランプの光っている方向が目的地となり、止まっている状態でも目的地がどの方向にあるのかわかります。
ふむふむ。先日、能勢で遭難しかけた近畿支部の某大石氏もこれがあればよかったのだ(笑)
現在地の測位は、GPS衛星24個の内最大8個の衛星を同時に受信し、その中でもっとも精度のでる組み合わせを自動的に選ぶことにより、高精度(測定値の平均15m)を実現しています。
目的地入力も(1)現在地を記憶する方法、(2)緯度・経度の値を入力する方法、そして、(3)緯度・経度情報のはいった地図からマップウインドウを使って入力する方法の3種類が選べます。
また、入力した目的地の順番を決めて、その順に誘導する経路誘導モードもあります。復路のために、順番を簡単に反転することもできます。
海上でも使えるように、速度単位(km、マイル、ノット)の切替や、海外でも使えるように、時差の設定や地図の測地系も変更できます。
また地磁気のずれも、自動補正する磁方位と地図に合わせる真方位の切替もできます。
電池は低温にも強いリチウム電池2本使用。連続測位しても7時間以上使用できます。
ふむふむ。低温にも強いのなら、冬季の材採集でもOKだな(^^)
また一度現在地を測定すると、GPS測定回路を停止する単発モードを使用するとさらに長時間使用できます。
雨や波しぶきがかかっても大丈夫な防まつJIS4級の防水構造。
マップウインドウがあるにもかかわらず、折り畳み構造により、胸ポケットにもはいる小型・軽量(約280g)と抜群の携帯性です。また腰のベルトやザックのベルトなどに取り付けられるポーチ付となっています。
さあ、これだけ書いたんだから一個くらいくれない?>松下電工さん(^^;;

参考
   現代最先端蝶屋道具時代「デジタルラベルとアナログラベル」大野義昭(季刊:ゆずりは1999spring)
   A&i 松下電工ホームページ http://www.mew.co.jp/times/9604/9604-11.html

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