三多摩多摩川採集オフ

<平成11年4月10日・多摩川>

by JIRO

 

朝からどんよりと曇っている。予報をチェックするが夕方まではとても持ちそうにない。

不安ではあるが、とにかくJRの駅に田老さんを迎えにゆく。12時待ち合わせだが、15分前に到着。早くも降り始めてしまった。

 

待っていると左手に傘、右手に手グワを持った怪しげな人を発見。バスターミナルのあるロータリー内部である。勇気あるなあ〜。ここで予定通り田老さんご一家と合流し、集合場所に向かう。やや早かったので、暇つぶしに駐車場で先週採ったヒラタ♂と、散歩に連れてきたいくつかのクワガタを出して田老さんとお子様達に見せて時間を潰す。

 

雨脚が強くなる中、OB5さん、Mt.TAKAOさん&お子様、BASSERさんご一家が到着。しばし挨拶&談笑をする。いつもそうなのだがこの時間帯が楽しいのだ。雨は強くなったり弱くなったりしているが、とにかくポイントに向かう事にした。

 

多摩川の土手に車を停めてポイントに入る。大人がOB5さん、Mt.TAKAOさん、BASSERさん、田老さん、私の5名。お子様は5名である。ポイントは拝島・昭島方面の多摩川河川敷である。先週の下見で発見しておいたのは樹種不明の太い立ち枯れ。根元から幹が2本あったのだが、うち1本は先週私が押し倒したもの。先週は押し倒した時にヒラタ♂を根元から採集したのであるが、倒した幹からはコクワ幼虫がタコ採れしたのである。

多摩川土手にて

 

まずは先週倒した木を少し割ると、さっそくコクワ幼虫が現れる。お子様達から歓声が上がる。この材はお子様達にまかせる事にした。残っていた立ち枯れはおよそ高さ1.5m、太さ40センチ。まず押し倒し、根元をチェックすると食痕だらけ。やや食痕が大きい。MtTAKAOさんがさっそくノコの幼虫を割り出したのを手始めにボロボロとノコ幼虫とヒラタの可能性のある幼虫が出てくる。

 

一方でキッズクラブの方はは倒木からガンガンとコクワを割り出している。「あ!いた!」「ホントだ!」「も〜らい!」...将来有望なクワ馬鹿になる事間違い無しである。我々が割り出した幼虫もどこからか現れて持って行くのである。おかげで私のルアーケースはいつまでたってもカラ。BASSERさんあたりのルアーケースはテンコ盛り状態である。いやいや。あんなに持って帰ってどうするのだろう。知〜らない。

戦果

 

田老さんはあきれたのかお子様達の監視役にまわってくれた。

 

OB5さんと私がシャベルを用意してきていたので、根っこを掘る事にする。食痕でグズグズなので根はすぐに崩れてしまう。OB5さん、MtTAKAOさん、BASSERさんと交代で根の周囲をひたすら掘って行くと、OB5さんがかなり大きなノコ成虫を蛹室ごと掘り当てた。なかなかお目にかかれない良型の大歯型のノコ♂である。

 

こうなると目の色がかわるのはクワ馬鹿の性である。時折雨脚が強くなるのもかまわずとにかく掘り続ける。すると、ノコの成虫が深さ40〜50センチの土中からボロボロと出てくるのである。楕円形の蛹室ごとボコッと出てくるのはなかなか興味深く、また原歯形が1頭も出ず、大歯の♂の良型ばかりというのは不思議であった。♀もほとんど採れず、わずか数頭にとどまった。しかしシャベルでノコを採るというのも新たな経験である。

 

この頃けむしご夫婦から携帯に連絡が入った。法事を途中でブッチしての参戦である。やがてけむしご夫婦が到着した頃には、根っこ周辺はまるで塹壕のような状態になっていた。

やや先発組も消耗していたので、さっそくけむし♀さんが「え〜?いいんですか〜?」と笑いながら塹壕に入る。「あ。いた♪」と、ものの2〜3分で良型のノコ♂をいきなりゲット!。このあとけむし♂さんも本日一番の大型ノコ幼虫を割り出した。...さすがである。

 

しかし周囲をほぼ均等に掘ったのに、ノコが出てくるのは何故か立ち枯れの南側ばかり。土中に日照の影響があるとは思えないが非常に不思議であった。固い根っこの内部に蛹室をつくっていた大歯のノコ♂もいた。こんな部分から出てこれるんだろうか?

 

やがて4時近くなったので、塹壕のような状態になったポイントを残った材と土砂で埋め戻し、周囲のコナラの林をルッキングしながら終了モードに入る。その後カラオケボックスに移動し、今日の戦果を机の上に並べて談笑する。机の上に乗ったノコ成虫の山を見てバイトのお兄ちゃんもさぞかしビックリしたに違いない。

全員で記念撮影

 

途中参加のけむしさんは明日は霞ケ浦でバスの試合だそうだ。法事との合間を縫ってのご参加には感謝である。クワの話とバスフィッシングの話題でしばし談笑して6時前に解散とした。天候には恵まれず、また幹事の不案内で本命のヒラタ成虫は採れなかったものの、ノコの成虫がボロボロ採れたし、怪我もなく将来有望なお子様達にも楽しんでもらえたようで、ある程度満足の行く楽しい採集オフであった。



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