さて、しばらく休刊ということで、ちょうど私も香港を離れることだし、この駄稿も今回でおしまい。
もうこれ以上くだらないことを書くのもあれなんで、今回は早速前回のプレゼントクイズの回答編と言う事にします。設問が難しかったのか、皆さん読み飛ばして頂いたのか、応募者は2名様(オーッ寒っ!ぶるぶる)です。
このお二人の回答をダシにしまして、正解と解説を少し。二人とも良い味が出ていまーす。では問題のおさらい。和文中訳及び、中文和訳です。
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1
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怪力独角仙 | ヘラクレスオオカブト | ヘラクレスオオカブト | ヘラクレスオオカブト |
2
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海神独角仙 | ネプチューンオオカブト | ネプチューンオオカブト | ネプチューンオオカブト |
3
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龍眼鶏 | テングハゴロモ | ユカタンビワハゴロモ | 目玉チョウ |
4
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彩蛙甲虫 | モモブトルリハムシ | タマムシ | モモブトハムシ |
5
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小提琴虫 | バイオリンムシ | バイオリンムシ | コバイオリンムシ |
6
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メネラウスモルフォ | 大藍魔爾浮蝶 | 美内羅馬爾火 | 目値羅臼漏楼FO |
7
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オニヤンマ | 無覇勾廷 | 鬼閻魔 | 鬼蜻蛉 |
8
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ゴホンヅノカブト | 五支独角仙 | 五角独角仙 | 五本独角仙 |
9
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アトラスオオカブト | 阿特拉斯独角仙 | 阿特拉斯独角仙 | 阿特拉巣独角仙 |
10
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ヒメカブト | 亜州独角仙 | 姫独角仙 | 姫独角仙 |
回答例と解説:1.ヘラクレスオオカブト
これは二人とも正解。
2.ネプチューンオオカブトこれも二人とも正解。
3.テングハゴロモAさんの回答はハゴロモが合っているので5点、だけど鶏から推察するなんてスゴイ!
4.モモブトルリハムシBさんのは正解とします。キーワードは”蛙”でした。見えるでしょ。
5.バイオリンムシ提琴はあのての弦楽器の総称で小提琴がバイオリンって言うんだって。
だからBさんの”コ”は余計だったので1点減点。
細かいことをいえば、バイオリンムシだってマルクビだとかいくつか種類がありますが。
6.大藍魔爾浮蝶これは意味を訳すしかないね。実はある本(周徳慧 訳)の受け売り。
でもこの中文名から逆にメネラウスは出てこないよな。で、この設問の狙いはモルフォをどう訳すかがポイントだった。
7.無覇勾廷正解は廷の字にムシヘンが付くんだけど、そんな字は出てこないので。(張永仁訳)
オニっていうのが和名につく虫は結構多いんじゃないだろうか。
ただこのオニの中訳が難しい。鬼というのは中国語では広く妖怪、幽霊の類を意味する。
日本の鬼は頭に角が生えていてトラのパンツをはいている(高木ブーがやってるヤツ)イメージがある。
(k-sugano注:ふるーい(^^;)
トンボは蜻蛉、ヤンマは蜻廷といいます。
8.五支独角仙これはちょっとひとひねりして欲しかった。ゴホンのホンは”支”(数量詞)と訳す。
ヅノは既に独角仙のなかにあるので重複するので訳さないでよろしい。
では”五”と”独”が矛盾するのではないかという指摘もあるが”独角仙”でひとつの単語となっているので分解はできない。
9.阿特拉斯独角仙アトラスをどう訳すのか、これはもうネプチューンと同様に固定された訳があるのでこれに従う。
10.亜州独角仙(姫独角仙・張永仁)、(黒鍬良・香港昆虫香港大学編)最後に、本当はこれもひとひねり欲しかった。ヒメというのも和名の接頭語としてよく使われている。
以前BBSでオオクワの属名とコクワの属名に関する話題があった。
似たような話に、台湾ではタイワンモンシロをモンシロチョウとよび、モンシロチョウを日本モンシロチョウとよんでいる。
つまり視点の中心がどこにあるかでそのへんのネーミングが変ってくると言いたい訳。
で、同様に例の日本のカブトは”日本独角仙”と呼び、ではヒメカブトはアジアに広く分布しているので”亜州独角仙”と名付けた由。
以上のような結果で、これをもし学のある中国人に出題しても全問正解者はないかもしれない。
中国語をかじったとこがあるとおっしゃるAさんは回答がさすがにハイセンス、辞書をみながらカンニングしてもやはり難しいだろう。
一方、中国人の彼女と付き合っているBさんは、活き字引を使ってカンニングをしてもフツウの中国人じゃ虫のこと自体知らないかも。ということで、Aさんには”象印賞!”としてクワガタ標本を、Bさんには”欽ドン賞!”としてこれまたクワガタ標本を送ります。(そういえばお二人とも例の50頭セットを申し込まれているので、セットと重複しないクワガタを送ります。)