初夏の樹液採集2001

ザ・ナイトウォーカーズ


今年も5月中旬に活動を再開した兵庫ナイトウォーカーズは、6月16日の本番に向けて各自ポイントで下見を重ねていた。 6月8日には宝塚から一隊、明石から一隊が出発、神戸で合流する下見会が行われ、ヒラタクワガタ28頭(最大67.5mm♂)を得て 良い感触を掴んでいた。67.5mmはKAZさんの自己ベストであったが、k-sugano支部長の素早い差し押さえにあい、氏の標本箱に去って行った(合掌)。 6月12日も兵庫県東部にKAZ師弟隊と支部長&リュージョン隊が別々に出撃、ともに短時間ながら合わせてヒラタ12頭をはじめ、ノコ、ミヤマ、スジ、コ、ネブト、チビの7色を揃えて楽しく帰還した。機は熟したのである。

さて本番6月16日午後、好天に恵まれた聖地社町に兵庫ナイトウォーカーズが集まり始めた。涼の父、KAZ。、SIGMA B、てらぼん、リュージョンの5名である。何が聖地か知らないが、500頭飼育しても倒れない聖人が居るそうである。 最後に登場したリュージョンによりナイトウォーカーズの旗が披露された。これは、ますます勢力を拡大する20mm倶楽部の脅威から、ナイトウォーカーズの結束を高めるため(要するに引き抜かれるのを恐れている(笑))、涼の父より 作成を依頼されたものである。当初、進入禁止のマークの中にコルリを入れて、踏み絵にもなるように作れ、と無茶な要求があったが、そこはリュージョンのセンスが許さず、ナイトウォーカーズが納得できる構図となった。早速、リュージョン車 のリアガラスにガムテープで張り付け、意気揚々とスタートしたのであった。

←団旗。夜空と森と2つのライト、そしてナイトウォーカーズのN・W・Sが見えますか?

まずは実績場所の下見を行ったが、きなりネブトの大歯を発見。しかし、すぐ横にオオスズメバチが…。ここは,特攻隊長のリュージョンの出番だ。山菜堀りでオオスズメバチを押さえ込みにかかった。「早く殺せ!」「あっ、逃げよった!」 斜面にへたり込む涼の父とKAZ。耳元で羽音が聞こえた時は生きた心地がしなかったと怒る涼の父。良い子は絶対にまねをしないでね(^^ゞ。結局、ネブトの他は、コクワをタッチして小さいヒラタを追加してポイント移動。 続いて、大きなヒラタが棲息するといわれる池の端を探そうと言うことになったが、池は見えるがそこまで行くことが出来ない。途中で車を止め、リュージョンが栗の花採集をしてみたいと長い捕虫網を取り出す。その間、他の隊員たちは木の根周りを掘ってコクワを掘り出している。 結局、栗の花採集は不発に終わり、再びポイント移動。その後、「大深山」と書いてあるお寺に喜んで突入したりで暇つぶし(^^)。ムカシトンボらしきものが見えたと言って車から降りた涼の父をうっかりバックではねるという笑い話のみを追加し、 柳の木とかも見て回るがさっぱり採れない。そうこうするうちに仕事で遅れたtaniが合流したので二隊に分かれて本格採集に戻った。

ノコの居ない地域では栗の花クワ採集は無理か?小さなコガネムシばっかり。

KAZ隊は新ポイントの根元の泥からネブトをゲット。次に低速巡回の車窓から「あっ、アキニレの木、新発見!」。降りてキックしてみると何かがブーンと羽を広げて落下した。 地面を探すとヒラタ♂55mmだ。昼間から飛ぶか(^^)?。更にアキニレからヒラタを追加して「おお、いくらでも新ポイントあるぞ、もっと探そう」となった。 次は林の中に深く分け入り、リュージョンが洞の中の良型ヒラタを発見したが、大ナメクジにビビッているうち奥へ奥へと逃げられてしまった。この後、リュージョンがとった行動は、他の隊員たちを呼び寄せるために牛の鳴き声をまねて林の中で吠えまくるのであった(^^ゞ。 トラップを仕掛け終わった涼の父隊がここで合流。「こんなところに牛小屋なんかあったかいな?」と不思議がる涼の父。しかし、正体が分かってからはすっかりこれが気に入ったようで、真夜中にも吠えまくっていた馬鹿おやじであった(笑)

てらぼん(赤)は1999年デビュー時と同じ格好で登場

ここで6時を回ったため、夕食タイムとなった。20mm倶楽部からは、「ナイトウォーカーズじゃなく、ナイトオカズだ!」と揶揄されるぐらい焼肉が好きな我々である。今回は時間がもったいないのでバーベキューはしなかったものの当然のごとく焼肉屋へ(^^ゞ。 運転手のリュージョン以外はビールで乾杯!プハッ〜!旨い!当然のことながらクワ談義で盛り上がる。「でかいの採れても支部長には黙っておこうぜ!」「ハハハハハ!」と言った尻から携帯に支部長のテーマが♪(^^ゞ。支部長、tsuu3、kirkさん、しゃあげんさんたちの20mm 倶楽部は新潟でコルリを取っているはずである。うーむ・・・相変わらず鋭いお方だ(*^^*)。「採れた?」「32mmのネブトが採れたよ」と横からてらぼんが聞こえるように大嘘を(爆)。「サンクス!」と支部長(^^ゞ。嘘だから良かったが、本当ならこの時点で支部長のものとなる(^^;;;。 今、この原稿を書いている時点では、本当だと信じ、督促を繰り返す支部長であった(笑)。電話の後、倒れる程荒食いしながら夜本番の作戦を練った。昼から採集してるんだから適当に近場を回って切り上げると思っていたら大間違い。みんな徹夜採集の意欲満々だ、げろ〜!

6名は団旗を貼った2台に分乗して一気に宝塚へ移動した。何故クワガタの宝庫を通過して都市部まで出てしまうのであろうか?それは社〜宝塚間を担当するKAZ調査員のポイント開拓が一向に進まないためであった。いつまでかかるんじゃ〜! 宝塚は下見で好調だったが、この晩は先行者による一掃の後のようで、ヒラタ3頭のみ。恐れていた都市部の採集圧は次のポイント西宮でも我々を苦しめた。しかしナイトウォーカーズはここから本領を発揮する。 住宅地内の一発屋ポイントでヒラタ・ノコを積み重ね、必勝の木に至った。ここはヒラタが常駐しており、昨年には洞の中から指を挟ませて68mmを引きずり出して採集している。まさにその穴に大型ヒラタが居るのをSIGMA Bが発見、ピンセットで悪戦苦闘する。 顔中汗だらけにしたSIGMA Bは一旦林外に出て曲げスポークを持って戻り、ついに掻き出しに成功。66.5mmの大顎の長いカッコイイ個体、本日のハイライトシーンだった。

ナラの樹液をチェック。使うのはピンセットと針金だけ、深追いせず。

次に2台は西神戸に移動、なんと地区担当てらぼんが車酔い・焼肉酔いでダウン、暗闇を案内人無しでさまようことになってしまった。ここは「ローバーポイント」と呼ばれ、真夜中に老婆が乳母車を押しているという話をてらぼんから聞いており、怖がりの涼の父では単独採集ができないところだ(笑)。 しかし、過去に採集で首吊死体をも発見したというリュージョンはそんなことはお構いなしにポイントへ一直線!SIGMA Bが幹にペタリと居たヒラタを採り、リュージョンが木 に登り穴からヒラタ60mmペアを引き抜く。 しかし先週の下見会で大型の出た奥の樹液ダラダラの木は小ヒラタと小ノコのみ。非常に期待していたポイントであったが、ミヤマも皆無で寂しい結果となった。案内人抜きでは話にならん、と次の池の周りのポイントではてらぼんをたたき起こして連れ出すが、先行者のせいかなあ、ヌルっと敗退(ToT)。 仕方ないので、道端に居たザリガニを撮影(^^;;;。リュージョンは巨大なシロスジカミキリを捕らえて遊んでいたのだが、どうも涼の父はこの虫が怖いらしい。手で持てないんだもん(^v^)。

前列:tani、後列:てらぼん、SIGMA B、KAZ。、リュージョン

ここで深夜1:00となり、試験を控えたtaniさんは「落ちろ!」の激励を受けながら帰還した。少年野球を控えた涼の父や草刈りを控えたKAZはますます元気、不得意な三木・小野をすっ飛ばして社へ戻る。ここでナイトウォーカーズはおもむろに大型捕虫網を伸ばし蛍狩りを始めた。 真夜中2:00にキャッキャ言っておじさんたちが走り回っている姿を想像していただきたい(^^;。
「真夜中でも飛んでる〜!」
「で、でかい!ゲンジボタルや!」
「これじゃ20mmクラブみたい」
「いやいや、福井ではコルリなんて行けば誰でも採れる」
「支部長はホタル採りながらワシは天才やと言うとった」
「こんなんに天才もクソもあるかい!」
など賑やかなこと! クワに戻ると、例のアキニレの木では、昼にヒラタを採った穴にまた次のヒラタが入ってた。枝先の大きなミヤマは帽子でゲット。細幹をキックすると何かボトボト落ちてくるがミヤマ1匹をKAZの目でゲットした他は行方不明だ。新ポイントは好調、大切にしようね〜。 その後、あちこち回ったが、予想外の大不振で、新ダイーンの木(なんじゃその名前!)に2桁のミヤマが付いていたのが唯一の収穫だった。最後に公園周りでカブト虫大型のHシーンを見物し、長い採集をお開きとした。集合場所の駐車場に戻って数えてみると、

ヒラタクワガタ 17頭 最大66.5mm (♂14頭、♀3頭)
ミヤマクワガタ 20頭ぐらい 最大65mm
ノコギリクワガタ 3頭 最小クラス(ToT)
ネブトクワガタ 3頭 最大24mm
コクワガタ 数10頭 ←殆どリリースしたから写ってない(^o^;;
カブトムシ 3頭 ←誰も持って帰らないので見ただけ(^o^;;
シロスジカミキリ 3頭 ←怖いって人がいるのでリリース(^o^;;
ゲンジボタル 2桁

中央が66.5mmのヒラタ

出発前は7種、70mm、ヒラタ100頭などと豪語していたが、随分下回ってしまった。でも3回でヒラタが57頭採れたし、この日は他の採集者さん達が沢山採れたんだろうからまあいいか(^^)。 普通種の樹液採集は、このように複数メンバーで同じ木に行くと先頭の人しか採れないので効率が悪い。でも交代し、譲り合いながら、誰が採ったというでもなく楽しめればそれでいのでは? 季節の恵み、樹液採集。小さくても、ありふれたクワガタでもいい。子供の時の感動を忘れていない自分に出会える夜がそこにある。皆さんもこんなナイトウォークを存分に楽しんでください!

ご意見は、リュージョンまで(^o^)/~  rjyo@jttk.zaq.ne.jp 

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