エンジン始動時のNOx排出量、燃料消費量に関する実験結果

実験者:東京都環境科学研究所 横田主任研究員ほか

動時のNOの増加量は
ガソリン車で0.03.0m/
ディーゼル車で4.623.4mg/


始動時の燃料の増加量は
ガソリン車で
0.0742.0ml
ディーゼル車で0.0150.98ml

始動時のバッテリー電力消費量は
ガソリン車で平均0.23Wh
ディーゼル小型車で0.10Wh
ディーゼル大型車で0.21Wh

実験方法
各測定の前に試験車を速度50Kmで、20分間の暖気運転を行った後に、アイドリング状態にした。
A/T車は、シフト位置をDレンジとし、ブレーキペダルを踏んだ状態とシフト位置をNレンジとした状態での二つのアイドリングを測定。
手動変速の車両はNレンジとした。
アイドリング停止時間は基本的に10s, 30s, 60s, 120s, 180s, 360s, 600s, 900sの8段階とした。
バッテリー消費電力の計測はクランプ式電流計により、始動時の電流を測定した。

測定結果
アイドリング時のNOx排出量は
ガソリン車については、Nレンジ0.0000.001g/,Dレンジ0.0000.11g/分と非常に少なく、検出限界以下の場合もあった。
ディーゼル車は総排気量にほぼ比例して増加し、0.080.52g/分の範囲であった。この値は東京都実走行パターンの21.7%にも達する。
燃料消費量はアイドリング時にはガソリン車とディーゼル車の差はなくガソリン車で1023ml/
ディーゼル車で927ml/分の範囲であった。
これは、東京都実走行パターンの27.0%に達する。

以上の測定からガソリン車に関してはNO1については、アイドリングストップの効果はあまりないが、燃料消費量から見ると3〜5秒間以上アイドリングストップを行えば効果があり、ディーゼル車に関して言えば3〜5秒間以上のアイドリングストップの実行はNOx,燃料消費量ともに削減効果がある事が解った。

CO2に関してはガソリン車、ディーゼル車戸共に燃料消費量に比例して発生するので、アイドリングストップにより削減される燃料に比例して削減効果が期待できる。

注1ガソリン車の一部にエンジン停止時間が10〜15分を超えるとNOxの排出量が増加する車があったが、原因として排ガス浄化装置の触媒が冷える事が原因と考えられるがはっきりした理由は解らない。(しかし、エンジンが温まっている状態でアイドリングストップを繰り返すのであるから、特に問題となる事象ではない。)

バッテリー電力の消費量はガソリン車で平均0.23Wh、ディーゼル小型車で0.10Wh、同大型車で0.21Wh程度であり、すべて始動後1030秒以内に消費量の90%が充電されている。この事実から見て頻繁なエンジン停止、再始動によるバッテリーの消費電力は殆ど問題とはならないと考えられる。

以上の実験結果から、交差点を含むすべてのアイドリングストップの実施は排出ガス、燃料消費量削減に効果があり、エンジンの再始動のタイミングの遅れがないアイドリングストップ装置を使用すればエコドライブに大きな効果がある事が実証された。

戻る←