カール=エルンスト・シュレーダー氏(愛称:チャーリー)は,2003年11月5日バーゼルの自宅で急逝しました。
チャーリーは,リュート演奏家,通奏低音奏者として活躍したばかりでなく,懇切丁寧かつ緻密なレッスンとフレンドリーな人柄で知られ,日本にも熱烈なファンが存在します。 チャーリーの演奏は何枚かのCDで聴くことができますが,中でも親友ロバート・バルトと録音したヴァイスのデュエット集(長らく廃盤でしたが復刻されました!)は,我々リュート愛好家にとって掛け替えのない宝物です。
ドレスデンおよびロンドンに残っているヴァイスの手稿譜にはデュエットの一方のパートしか残っていませんが,チャーリーは失われたパートを復元し,親友ボブ・バルトととも演奏し,また,その楽譜を求めに応じて配布していました。しかし,その楽譜は結局出版されなかったので,チャーリーの死後,この復元譜を合法的に入手するルートが途絶えていました。
このたび,バルト氏の意向で,ご遺族の了承のもとに,チャーリーの復元譜をここにパブリック・ドメインとして公開することになりました。この素晴らしいデュエットが多くのバロックリュート愛好家によって演奏されることを願っています。
在りし日のチャーリー | ボブ&チャーリーのコンサート風景 |
アメリカリュート協会2000年夏期セミナーにて (故鈴木貴博氏撮影) |