イチローくん、あっさり新記録樹立してしまいましたねぇ。
相変わらず淡々とした態度。まぁ、それが彼の持ち味なのかなぁ。自衛隊の武器使用基準が緩和されるとのこと。「国際基準」を参考にとのことですが…
国際基準にしたがうと任務遂行を強制的に妨げようとするモノに対する武器使用も認められて
いるため、ここら辺りが議論を呼びそうです。これを議論しているのは政治家の方々ですが、どうも机上の空論といいますか、実際的な話に
ならなそうで危惧しています。現地で活動する自衛隊員の身の安全をあまり考慮していないと
いいますか…。技術が発達した時代の戦争です。最前線はあっと言う間に変化するやもしれません。
後方なら無事だろうとかんがえるのは甘いと思います。勝つ手段として兵糧攻めというのが昔から
行われて来たわけで、補給部隊を攻撃することも戦術の一つとなります。攻撃を受けた時にそれに対応できない、自分の部隊を自分で守ることができない…そうなれば
全軍の足手まといにもなりかねません。そのことが原因で負けたとしたら、のちのちの国際関係に
ひびが入ることでしょう。
これを議論している方々には、自分が最前線に立った場合とか、自分の子供が戦地に赴いた場合を
頭に思い浮かべて議論を進めて欲しいものです。丸腰に近い装備で送りだすようなことがないように。
どうか現実を見据えた議論をお願いしたいです。
書物の長期保存 2001年10月02日(火)
ふりかえってみると9月は盛り沢山の月でしたねぇ。
新宿雑居ビルの火災事故、狂牛病騒ぎ、そして同時多発テロ…。そのどれもが解決してはおらず、
現在進行中といえるのでしょうか。(火災についてはまだ原因が特定されていないようですし)
おかげで悪くなっていた経済に打撃をさらなる打撃を与えてしまいました。とはいうものの、
少し落ち着きを取り戻したせいか市場は上昇ムードもみられます。ここでさらに景気をしぼませては
それこそテロリストの思うつぼでしょうから、必要異常に恐れていろいろな経済活動を自粛してしまう
ことのないように行動したいものです。(もちろん警戒することは必要ですが)久方ぶりに新しい技術について。
コンピューター化が進むと紙はいらなくなるという予測もありましたが、実際はその逆で、
プリントアウトやコピー量の増加でますます消費が増えているようですね。紙の文化を代表する
ものといえば本ですが、劣化してしまうのが難点でした。このほどとある企業が図書館などの蔵書の劣化を防ぐサービスを始めたとのこと。1990年以前の
出版物の多くは酸性の印刷用紙を使っていたため、出版後50年程度経過すると紙の水分が蒸発して
本が崩れやすかったようですが、化学処理を施し酸性紙を中和することで、本の寿命を従来の3-5倍
に延ばすことができるとか。アンモニアガスと酸化エチレンガスを使って紙に含まれる酸性物質を
中和し、保湿効果を持たせると、本の寿命が150-200年になるそうです。
欧米で主流の本を液体中に浸す方法はページごとにばらす手間がかかりますが、この方法なら
専用プラントの中にガスを送り込むため、一度に40冊程度の本を内部まで均一に処理できるようです。
うーん、すごいですねぇ。旧いタイプの人間なのかもしれませんが、やっぱり本は紙に印刷、製本されたモノの方が好きですねぇ。
まだまだアナログとデジタルの共存する時代は続きそうな気がします。(^^)
火事場泥棒 2001年10月03日(水)
火事場泥棒といいますか…
テロで破壊された貿易センタービルの残骸を利用した悪徳商法がでてきているとのこと。
崩壊現場とは関係のない土や灰を「現場から持ってきた」と称して売り付ける一部業者
の心ない行為が判明、現場から回収したと偽って、鉄の棒を電話で売り付ける例もあった
ようです。とんでもないことですね。これを受けてNYのジュリアーニ市長は、世界貿易センタービル崩壊による犠牲者のすべて
の遺族に、現場の土や灰を詰めた「美しい木製のつぼ」を贈る方針を明らかにしました。
こういう対応の素早さはさすがですし、粋でもありますねぇ。さて、我が国の政治家の方々
はこのようなセンスを持ち合わせているのでしょうか?また、これだけ交通手段の発達した現代社会です。日本という国は国際的な犯罪組織にとって
はやりたい放題の天国みたいな国に見えるようです。逮捕されて母国に強制送還されても、
取り調べ時に「また還ってくる」と豪語してそれを実行する外国人犯罪者が後を立たないのだとか。
残念ながら相手の善意だけに頼るのには無理がありそうです。どちらかといえば外国どうしでの
トラブル(殺人事件とか)が多い様ですが、今のうちに手を打っておかないと日本人も
凶悪犯罪に巻き込まれるようになるやもしれません。日本は問題が山積みの国のようです。一つひとつ、確実に処理していくしかなさそうですねぇ。
同じことの繰り返し 2001年10月04日(木)
狂牛病の件でパニックにならないか心配していましたが…
早くから正確な情報を伝えてこなかったせいもありましょうが、国内で狂牛病による影響が
あちこちで出て来ています。周囲でもマクドナルドに行ってもハンバーガーは食べないとか、
お店に行っても牛肉メニューは注文しないとか、骨粉製造業者が廃業に追い込まれたりとか、
地域の食肉処理場が業務を停止したせいで畜産家が肉牛を出荷できずに困っているとか、等々。いくら農水大臣が牛肉を食べるパフォーマンスをしてみてもかえって逆効果で、人心の不安を
かえってあおる結果になってしまっているようです。国会答弁でも「私がテレビに出れば出るほど
国民を不安がらせるようだ」と大臣が苦笑しながらコメントしていました。
まぁもっとも、今しなくてはならないのはパフォーマンスではなくて、確実かつ迅速な狂牛病の
蔓延防止対策なのですけどねぇ。やはりまだまだ消費者・国民の生命を守る、というスタンスよりも、
国内の業者や酪農畜産家の保護を優先しているような印象を受けます。薬害エイズのときと同じような構造が見えかくれしていますね。国内の業者の利益を守ることを
優先した結果、何人もの人々の生命を奪ってしまったあの事件に似ているかもしれません。
物事の優先順位を間違えないように、今回の騒動にあたっていただきたいものですねぇ。
公約の実行を 2001年10月06日(土)
ヤクルトスワローズ、ようやっと優勝を決めましたー♪アメリカのタリバンへの軍事行動がいつ開始されるかが、世間の一番の関心ごとかも
しれませんが、小泉内閣が押し進めなければならない問題は山積みです。改革の大きな
目玉である特殊法人改革もきっちり進めていただかないと困るのですけど…。行革推進事務局が組織見直し案を政府に提出したようですが、77特殊法人のうち、
石油公団など11法人の廃止、日本道路公団など12法人民営化など38法人の改革案
を提示したとのこと。ただ半数以上の39法人については判断先送りということになった
ようですねぇ。これらに関してはきちんと政府のいうことを聞かせられるのでしょうか。
関係省庁やいわゆる族議員の抵抗を阻止できるのか。これからの課題ですね。靖国参拝は実行されたものの、結局どこからも完全な支持がえられないような形に終わって
しまいました。特殊法人改革はきっちりやっていただきたいと思いますね。国民の富が
税金という形で無駄遣いされるよりは、民間で自由にさまざまなことに活用されるような
世の中がくるように。そういう国には活力がでてきます。そしてさらに世界中から元気の
ある人々が集まってきます。世界中の人々が憧れるような、そんな国づくりをしていきたい
ものですね。(今の段階でも、日本の文化には世界の人々に誇れるようなモノはたくさん
あると思いますしね(^^))
タリバンへの攻撃開始 2001年10月08日(月)
いよいよアフガニスタンへの空爆が開始されました。こういう事態になるとマスコミには軍事評論家なる人々が登場し、武器の解説とかこれからの
展開とか…いろいろ話していきます。うーん、どうなのでしょう、どこまで正確なことを話して
いるのでしょうか。そして正解に近いことを話していた場合、作戦遂行への影響はないのか、
なんとなく心配になってしまいます…。今回の攻撃を受けて世界中が厳戒体制に入りました。当然、日本もその措置をとっています。
湾岸戦争の時は対岸の火事、という感覚でいられましたが、今度は標的にされる可能性が
大となっています。ビンラーディン氏の身柄が拘束されるまでこの作戦が終わることはない
でしょうから、今しばらくの警戒が必要となるでしょうか。それにしても、やはり日本は今だ体制が整わず…まぁ、平時にきっちり議論しておかなくては
いけないことを放っておいたのですから、小泉内閣の苦労がうかがえます。グダグダ議論して
いる時間はないとテロ発生後書いたと思うのですが、やはり日本の対応は後手後手にまわって
います。とくに自衛隊法改正に関しては、今回の件に対応するためのものなのですから、間に合わなければ
意味がありません。間に合わなかった場合、のちのちの日本と他の同盟諸国との関係にヒビが
入りかねません。今回の作戦に参加するにあたっては反対意見もありましょうが、小泉首相が
はじめからアメリカの行動に対し指示することを表明しているわけですから、きちんとした行動を
とる必要がありますよね。アジアも一枚岩ではないようです。中国も「理解する」とはいっても「協力する」わけではないし、
マレーシアのマハティール首相は反対表明しているし…日本が果たせそうな役割はいろいろ
ありそうですね。とにかく、一日もはやい事態の解決を。祈らずにはいられません…。
きちんとした行動を 2001年10月09日(火)
アメリカによるアフガニスタン空爆後、ビンラーディン氏の姿と肉声を撮った映像が
全世界に向けて発信されました。地元のとあるテレビ局が撮影したモノとのことでしたが…
空爆開始の直前に撮影されたようで、なんだかんだいってもタリバン側の情報収集網も
あなどれませんね。もっとも協力者もテロの仲間と見なす、とブッシュ大統領が表明
していますので、捕まった場合はただではすまないとは思いますね。この地元テレビ局の責任者がインタビューに答えているのを見ました。「テロリストにも
言い分はあるし、自分達が報道しなければアメリカ側の一方的な報道しかみることができ
なくなるではないか」。それが言い分でした。たしかに。声明内容は平たくいえば、
アメリカとその同盟国や支持国に対して今後もテロ活動を続ける…といったところでしょうか。
ビンラーディン氏の台詞は「それらの国々こそテロリストである」でしたか。
この放送を見る限り世界中が当分の間、厳戒体制を取らざるをえないでしょうねぇ。そんな中、心配なのは日本の国会の反応かもしれません。
すでに戦闘は開始されましたが、民主党をはじめとする野党、そして自民党の中からも今回の
法律改正に対しての慎重論が唱えられていることもありましょうが、土日、深夜の審議はやらない
等々、緊急時、非常時だという認識が国会議員の方々に薄いことは残念です。
協力するならする、しないならしない。とにかくきちんとした責任のある行動を取らなければ
国際社会で信用されることは難しいでしょう。戦闘自体は短期間で終わることをのぞみますが、
なんか複雑な気持ちです…。
ササの威力 2001年10月10日(水)
野依良治(のより・りょうじ)教授、ノーベル化学賞受賞おめでとうございます。(^^)一時期話題になった「ヘリコバクターピロリ菌」。胃ガンを引き起こす原因であろうと
言われています。日本国民の50%が感染しているとかいないとか…。
今まではその除菌は抗生物質投与で行われてきましたが、副作用や耐性菌による除菌効果の
低下など問題点も指摘されていました。このほど、植物のササから抽出した成分がピロリ菌
に対して高い除菌効果があることが分かったようです。日本植物活性研究所で研究されてきて、世界ではじめて抽出に成功したというササエキス
「AHSA」。黄色ブドウ球菌、緑膿菌、枯草菌、大腸菌などの殺菌に効果があるばかりでなく、
ピロリ菌やコレラ菌に対しても大きな殺菌効果が認められたとのこと。なんでもピロリ菌の鞭毛
を保護しているさやを溶解させることが分かったとか。(この鞭毛がコイル状のさやに守られて
いることが分かったもの世界ではじめてのことらしいです)また、竹の酵素を利用した青果物輸送用の鮮度保持材も開発されたとの記事を読みました。
出荷時に段ボール内などに敷いて、青果物の腐敗を促進するエチレンガスを分解・除去する仕組み
のようです。7月には家庭用冷蔵庫内で使う「やさシート」として商品化したものに伸縮性のある
素材を加えて、野菜や果物の形に成形できるようにした製品とのことです。うーん、ササというか竹、あなどれませんね。
日本では昔から、おにぎりとかをササの葉にくるんで持ち運びしてきました。今ではアルミホイル
やサランラップなどにとってかわられていますが、自然の力というものは偉大ですねぇ。
ピロリ菌が日本で話題になってきたのは割と最近のことではないかと思います。便利さとともに
引き換えにしてきたモノは大きいのかもしれません。自然の力と科学技術のよい意味での融合…
研究者の方々には期待したいですね。
不斉合成 2001年10月11日(木)
ようやっと今回のテロ事件への関連法案の審議に入りましたね。少しだけ国会でのやりとりを
みましたが、なんとなくため息が出てしまいます。「議論をつくす必要性がある」という主張は
分かるのですが、それは平時でしたら存分にやっていただきたいものです。残念ながら事態は
すでに進行中でことは急を要します。今、日本人が心配しているのは日本軍が暴走することでは
なくて、日本、そして日本人がテロの目標とされることかと思います。当事者意識がうすいのかなぁ
と国会での議論を見ていてそう感じてしまいました。とにかく早期の法案の成立を目指していただき
たいものです。(それにしても、テロに対する警備の対象から原発がはずされてしまったとは…
テロリストをあなどっているのでしょうか?)昨日の野依教授のノーベル化学賞受賞ですが、インタビューに答えて「20年前からノーベル賞を
狙っていた」と話されていました。科学の分野は目に見える実績がモノを言いますから、文化や
芸術関連と違って、政治の力によって結果があまり左右されないことが潔くていいですよねぇ。研究されていたのは有機化学反応時にどうしても起こってくる光学異性体の生成をさけるため、ある種の分子
触媒(金属原子と有機化合物を合体させたもの)を作用させることで選択的に必要な方の物質だけ
をつくりだすというもの。すでにメントールの工業生産。抗生物質や抗炎症薬、心臓病治療薬開発
など薬学、生化学分野で大いに活用されているようです。光学異性体のもう片割れは、有毒物質
であることも多いということで(例;サリドマイド)画期的な技術のようですねぇ。野依教授という方はかなり型破りなお人のようです。これもまたインタビューに答えて、
「日本人よ、もっと自信をもて」と述べられていました。「日本人だから独創性がない」とか
卑下する精神を捨てて、もっともっと自信をもてと。
また、 学術的には400を超す論文が世界で1万6000回も引用され、約150の特許を取得している
というかなりすごい方です。メントールは人間が香りを感じる分子だけを合成する技術を開発、
世界のメントールの3分の一が、この技術で生産されている等々。日本人は基礎研究分野が弱い、
なんてよくいわれますが、どうしてどうして。なかなか世界に貢献しているではないですか。(^^)去年の白川教授に続くノーベル化学賞受賞。これをきっかけに若い研究者がどんどん活躍することを
期待しますね。
炭疽菌 2001年10月14日(日)
近所でも自転車置き場を見回る警官の姿とかを見かけました。どうやらテロ対策法案は国会を通過しそうですが…事前承認か事後承認かをめぐって、民主党
と自民党がすったもんだしていましたが、民主党の賛成を得たかったせいでしょうか、どうやら
事前承認の形で決着がつきそうです。原則事前で緊急時は事後とのことのようですね。
あとは運用の問題になると思いますが、うーん、大丈夫なのかなぁ。(首相が緊急と判断すれば
許されるのかなぁ?)同時多発テロから一ヶ月がたちました。その間にアメリカでは別の深刻な事件が発生しています。
郵送物が原因とみられる炭疽菌への感染者がすでに6名にもおよんでいるようです。
炭疽菌というのはかなり強い細菌で、ヒトが感染した場合の致死率もかなり高いです。オウム事件の
時とかにも名前はあがっていたので聞き覚えはあるかもしれませんが、やっかいな細菌です。
家畜に感染が発見されると大変なことになります。その地域一帯を立ち入り禁止区域にしなければ
ならないし、人や家畜の移動も厳しく制限されることになりましょうか。今回のテロ事件との関連性も否定できないとのこと。関連があるにせよ便乗犯であるにせよ、とんでも
ない話です。早く犯人が特定されるようにFBIとかには頑張っていただきたいです。他にもいろいろな動きがありますね。
今回のテロ事件で世界の注目を集めているパキスタンですが、インド方面への防衛体制を強化する
動きをみせてアメリカからと止められたとかいう話も聞こえてきます。今回の混乱に乗じてインドが
攻め込む事態に対応するのが目的とのことでしたが…。結果、アメリカはインドへも軽率な
行動をとらないように釘を刺したようです。今は事態が事態だけに当面協力は協力するのでしょうが、
本来はきな臭い地域なのですよね。こういうところで日本政府が活躍できないのかなぁと、
ちょっと残念に思います。当面、戦闘は終わらなそうですねぇ。
The Millionaire Mind 2001年10月15日(月)
新しい本を読みました。(^^)
トマス・J・スタンリーというアメリカ人が書いた本で、日本語の題名は
『なぜ、この人たちは金持ちになったのか』というものです。ここ数年
「お金」に関する書籍が数多く出版されていますが、タイトルからもわ
かるようにそれらうちの一冊ですね。この本というかこの著者のユニークなところは、全米ではじめて億万
長者を対象とした大規模調査を実施、富裕層といわれる人々の意識、
生活スタイル、行動様式などなどを分析、研究したところでしょうか。
この本の副題も『億万長者が教える成功の秘訣』ですしね。学校…天才、秀才には金持ちが少ない。
仕事…金持ちには自営業が多い。
結婚…誠実で賢いパートナーを選び、離婚率は低い。
家計…ローンには頼らない。
勇気…リスクをとることを恐れない。
買い物…高級品を購入し、修理しながら使う。等々。アメリカのミリオネラの生活を垣間見ることができます。詳しく
は本を読んでみて下さいませ。日本の社会にそのまま当てはまらない部
分もあるので、そこら辺は差し引いて考えなくてはいけませんが、意外
に堅実な億万長者たちの日常生活が分かってきます。大ベストセラーの『金持ち父さん貧乏父さん』のように著者自身の体験
に基づくものではない分、本そのもののパワーはちょっと負けていますが、
いろいろと参考になる一冊かと思います。興味のある方はぜひご一読を。
日本経済新聞社より出版されています。
事前か事後か 2001年10月16日(火)
狂牛病騒ぎですが、実際の被害というよりも風評被害が各方面に出始めているようです。
某焼肉チェーン店では騒ぎが治まるまで一部店鋪を休業するとか、スーパーやデパートでは
牛肉の売り場面積を縮小したりとか、肉の卸売り業者では在庫がさばけず、酪農畜産業者は
牛を出荷できずに困っている…等々。風評、とくに日本人は一つの方向にどーっと行動する
傾向性のある国民性のようで、今回のテロ事件ともども不景気を長引かせる事件が次々に
起こって来てしまい、ため息がでてしまいますねぇ。病気そのものに感染する可能性は
あまり高くないわけですから、落ち着いた行動を日本人も取らなくてはいけないでしょう。アメリカの軍事作戦はまだ空爆が中心のようですね。ただ最後はやはり白兵戦で決着が
つくことになるのでしょう。派手にみえて以外と被害が少ないのが空爆と聞きます。
そうなると特殊部隊がいつ投入されるかということになりますが、米軍および友軍兵士
から犠牲者はなるべく出したくないでしょうから、一番いい投入のタイミングを伺って
いるところでしょうか。タリバン兵士一人ひとりの戦闘能力はものすごく高そうですよねぇ。
なんとか上手く早期に決着をつけてほしいものです。国会ではテロ対策特別措置法案について、自民党と民主党の調整が続いていましたが、
残念ながら国会の事前承認にこだわる民主党とは話し合いがつかなかったようですねぇ。
「はどめが聞かなくなる」というのがその主張であり、政治的かけひきなのかもしれませんが…
緊急時に国会を召集してのんびり議論をしている暇はないかと思います。「はどめ」を問題に
するのは先の大戦あたりの日本軍の暴走を想定しての意見なのでしょう。なぜこんなことが問題になるかといえば、「なぜ、日本軍が暴走するにいたったか」、「どう
すれば暴走を防ぐことができたか」、「今後どのような法整備や体制作りが必要か」、そういった
議論をずっと避けてきたからでしょう。どうやら「事後承認」という形で法案は通過したようでやれやれです。テロに対して甘い国家
というイメージは早く払拭したいものですねぇ。
えひめ丸引き上げ 2001年10月17日(水)
どうやら炭疽菌感染騒ぎはバイオテロの様相を帯びてきたようです。マスメディアをターゲットにして送りつけられたいた炭疽菌ですが、その影響はアメリカ
議会にまでおよんでいるとのこと。29人に炭疽菌の陽性結果がでており下院施設を閉鎖するに
事態になっているようです。前回のテロ実行犯が準備していたという疑いが出ており、アメリカ
の捜査当局は捜査を開始した模様ですが…。やはりテロリスト集団のやることでありやり方が
姑息ですね。目的は自由主義国家の社会システムを破壊することにあるのでしょうから、
これはなんとしても阻止しないといけないと思います。こんな中アメリカハワイ沖では、8ヶ月前に事故で沈没したえひめ丸号の船体の引き上げ
作業が進められています。確かにアメリカ政府が日本に対し約束したことではありますが、
アフガンへの攻撃が始まり、アメリカ全土にテロへの警戒体制が敷かれ国中で緊張状態が続く中、
お金も手間も人手もかかり技術的にも難しい作業をきちんと進めてくれた米海軍。
感謝ですよねぇ。これで遺族の方々の気持ちも多少は落ち着くことができるでしょうか。
日本政府もきちんと感謝の意をアメリカ海軍に対して示して欲しいですねぇ。船体内の捜索はこれからということで、まだ遺族の方々にとっては辛いことが待ち受けている
わけですが、思い起こせばひどい事故であったわけで、アメリカ海軍では事故時、スポンサーへの
サービスもあって民間人に操舵を握らせてしまったのでしょう。反省と謝罪の気持ちもこめて
頑張ってくれたのでしょうねぇ。緊急時には必要になるけれど、平和な時が長く続くとソロソロでてくる軍隊不要論。バランス
が難しいですよねぇ。地球規模の国家が誕生するまでは残念ながら軍事力はある程度は保持
しておく必要がありそうです。自国を守る名目で着々と軍備増強をはかっている国家がまだまだ
存在するようですしね。
安全宣言にはまだ早い? 2001年10月19日(金)
狂牛病に対するスクリーニング検査が全国の食肉検査所で開始されました。食用として解体される
牛全頭が対象なわけですが…始まる前からいろいろとありそうなことは予測されました。スクリーニングに感度の高い方法を
用いているため、かなりの頻度で疑陽性(確定ではないけれど疑いのあるモノ)結果がでてくる
ことになりますし。混乱を招きそうな要因はこのことよりも、結果の発表の仕方をどのようにする
かということでしょうねぇ。厚生労働省は確定診断がでるまで(何日かかかる)は発表を控える
方針を全国の自治体に示していましたが、自治体によっては疑陽性が出た時点で公表する、といった
具合に足並みが乱れそうです。18日から検査が開始されましたが、すでに東京都で陽性反応が2件
発生しているとか。確定診断後の発表でも、それまで出荷を停止しているので理論上は大丈夫ですが、要は気持ちの問題
なのでしょうねぇ。消費者心理というのでしょうか。すでに狂牛病発生の時に農水省が「うそ」の
発表をして国民のひんしゅくを買っていますから、信用はされていませんですものね。
無用な混乱をさけるためにスクリーニング検査の結果からきちんと公表した方が無難ではないかと
思うのですけど…。また混乱に拍車をかけているのが、検査結果のシロの頭数を発表しておきながら検査頭数は知らせない
という中途半端なモノ。こういうことをしているとさらに消費者の牛肉ばなれを助長してしまうのでは
ないでしょうか。これだけの大問題が起きていても、まだまだ日本の社会には様々なしがらみが存在
しているのかもしれませんね。安全宣言にはまだ早いかと思いますけどね。なんせ原因と言われている肉骨粉飼料の使用を全面禁止
したのは今年に入ってからのようですから。もっと慎重に物事に対処しなくてはいけないですよね。
新聞広告 2001年10月20日(土)
19日付けの産経新聞の朝刊は小泉首相の顔がでかでかと載ったものでした。一面どころか見開き
一枚分を利用したこの新聞広告は「ラッピング広告」というのだそうで、今回の内容は、景気低迷
の原因と言われている個人消費の低迷になんとか手を打とうととしたものですね。(金曜日ってのが
いいタイミングかも)不景気不景気といいながらヒット商品はきちんとあるわけで、まぁ今はテロ、狂牛病などの影響も
あるでしょうが、基本的には消費者マインドが冷え込んでいるために景気も冷え込んでいるのかも。
とりあえず今は日本人は貯蓄をたくさん持っています。で、せっせと溜め込んだお金にもかかわらず
日本の金融機関はそれをきちんと運用するすべを知らず、結局、外国にいいようにその富みを食い
荒らされているのが現状かもしれません。次はテレビCMを利用して「日本の将来のために、世界に
貢献するために消費をしよう!」と小泉さんが呼び掛けるのも効果的かも。(まぁ、消費者も賢く
買い物するようになっているのですよねぇ)またマクドナルドも一面を使った大きな広告を出しましたね。
「マクドナルドの牛肉はオーストラリア産」と。
マクドナルドの工場を見学したことがあるので、使用している牛肉がオージービーフなのは知って
いました。周囲の人が不安がる中でマクドナルドの手先ではありませんが、大丈夫と言ってきましたが…
まぁ、基本的には普通の食生活を送っている分には狂牛病にかかる可能性はないハズ。今はもともと
人間でも問題になっているアルツハイマーやクロイツウェルトヤコブ病なども混同されているために
不安が大きくなっているかと思います。ひょっとするとこちらはすでにテレビCMなどは考えている
かもしれませんね。影響の大きいマスメディア。国民の不安を払拭し、気持ちを明るくするような広告を数多く打って
欲しいものです。
『自信がよみがえる58の方法』 2001年10月21日(日)
また新しい本を読みました。日下公人&中谷彰宏共著、『自信がよみ
がえる58の方法』です。(メディアワークス発行)その題名のとおり、「日本人は…」という卑下根性からの脱出法、と
いった内容になります。今、日本そして日本人(こういうくくり方も
よくないとこの本で指摘されていますけど)が現在さまざまな問題に
直面しているのは、自信をなくしているからだと。今の日本にも誇れる
ことはたくさんあるし、このようにすればさらに良くなるといったアイ
デア満載の本ですねぇ。全部読んでも面白いし、また、目次をみて58項目あるなかから興味の
ある部分からとか、自分が自信をなくしているなぁと感じる部分をピック
アップして読んでいくのもいいかと思います。私が興味深いなぁと思ったのは、
「習い事は行き帰りの道が勉強になる」
「長生きできる日本が、世界で一番の国だ」
「日本には強制されて入った文化はない」
「予測に、いいも悪いもない」
「アメリカは成功を語り、日本は幸福を語る」
などなどでしょうか。学校教育で役にもたたない基礎をやりすぎない方がいい、という部分
にはちょっと賛同しかねましたが、新しい物の見方をたくさんいただ
いた印象ですねぇ。とくに、予測にいいも悪いもない、という部分。
確かに、現状にウダウダ文句を言ってそれを極力回避しようと行動する
よりも、その状況をチャンスととらえ最大限に活用する人間の方が、
これからの社会では活躍していきそうです。今、自信をなくしている方、いろいろな気付きのきっかけになるやも
しれませんよぉ。
人工眼球 2001年10月22日(月)
テロ事件をきっかけにしてといいましょうか、世界中でさまざまな外交が繰り広げられ
ていますね。日米首脳会談、そして日中、米中、日露、APEC首脳会議…等々。北方
領土問題の進展も見られそうな雰囲気がでてきましたが、また経済援助を引き出すカー
ドに利用されないように気を付けて欲しいものです。さて話はかわりますが、さまざまな問題をかかえている臓器移植の技術を進歩させるよ
りも、人工臓器の開発を日本は進めるべきだと何回か書いてきたと思いますが、日本で
の新技術の取り組み開始記事を目にしました。日本のとある医療機器メーカーで、病気
などで失った視力を取り戻す「人工眼」の研究開発にこのほど着手、新エネルギー・産
業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究で、技術的なめどを5年付け、10年後の実
用化をめざすようです。成功すれば世界で初とのこと。人工眼はビデオカメラと小型受信機や電極などで構成され、映像信号をコンピューター
処理して簡略化、この情報を体内に埋め込んだ小型の受信機に無線で送り、網膜に張り
付けた電極を通じて視神経に映像を伝える仕組みとか。
うーん、すごいですねぇ。A四判の大きにかかれたアルファベット一文字を識別できる
レベルを目指すようですね。すべての視覚障害者に適用できるというわけではありませんが、この神経に信号を送る
技術の開発は、運動や聴覚などの機能回復への応用も期待できるとか。人々の生活を便
利にし、明るくし、役立つ技術。この手のものは日本の技術力がものをいいそうです
ねぇ。人々の幸せに貢献するような技術がどんどん生み出されてくることを期待しますね。(^^)
(メディアワークス発行)
五重塔と最新技術 2001年10月23日(火)
日本の古い建築物の耐久性はかなり高いものがありますよねぇ。
日本では木造建築物が多いわけです。今は大工さんもすでに製材された板を使って家を建てますが、
昔の大工さんは木、一本丸ごと建築に利用していたため、木の部分部分の特性にあわせた建築が可能
だったとか。たとえば木の南側の部分は家の南側に使用し、日本の気候にあった家づくりをしていた
ようです。その古い建築物を参考にしたビルの設計方法がいろいろと実用化されているとのこと。
地震のエネルギーを吸収し、建築が損傷するのを抑えるビルの耐震構造で、法隆寺五重塔をモデルにした
「芯柱方式」や、ビル全体が浮き上がる「ステッピング方式」などなど。阪神大震災以降、ビルの耐震性を
重視する企業が増えたため、不動産会社やゼネコンが開発に力を入れているようですね。激しい日本の地震に対するこれらの技術は、「耐震」というよりは「免震」といった方が正確なのでしょうか。
なんでも300ある日本の五重塔で地震で倒れたのは数例しかないのだとか。横揺れエネルギーを吸収できる
ようです。すばらしい古代人の知恵と現代技術の結びつき、といったところでしょうか。
21世紀は土地の有効活用方法として、空間利用がポイントとなってくるでしょうから、これらの技術が
活躍しそうですね。(^^)
自分達が主役となって 2001年10月24日(水)
9月の消費者態度指数が大幅に下落したとか。狂牛病や同時多発テロが国民の消費行動に与えた影響は
少なくないようです。このままだとさらに不景気を長引かせるような悪循環に陥りかねません。そういう
意味では、アメリカを中心とする自由主義国の社会システムを破壊しようともくろんだらしい、テロリスト
たちの思惑通り事が運んでいるのかもしれません。日本の産業界では「消費が伸び悩んでも、利益を確保できる体質への転換を急ぐ」(ソニー副社長談)等々、
政府以上に危機意識を持っている様子。さまざまな問題が発生し進行しつつある状況下で、小泉内閣がどういった
改革を進めていくのかがポイントになってきそうです。こんな中、国民ひとりひとりが冷静に行動し、自分達の社会を守っていくのだという意識を持つことも
とても大切なことかと思います。先日小泉総理が、新聞の一面全部を使うというラッピング広告で
国民に買い物すること、つまり「消費」して欲しいと呼びかけましたね。楽しい表情ではありませんでした。
どちらかといえば口をキッと結んで、国民に訴えるといったものです。この広告をみて2つばかりエピソードを思い出しました。どちらも結構有名な話かもしれませんけど。
一つはケネディ大統領が「国に何をしてもらうかを考えるのではなく、自分達が国のために何をできるかを
考えて欲しい」と国民に向けて演説したこと。もう一つはどこで話されたのかはよく知らないのですが、
松下幸之助さんが「不景気の時にこそ、消費をすることは資産家の役目」と語ってそれを実行されていた
という話です。(ご著書で読んだのかもしれません)その街の、その地域の、その国の雰囲気というものは、そこに住む一人一人の思いが集まって形作って
いるものかと思います。浪費をする必要はありませんが、必要以上に警戒して財布のヒモを固く締めて
しまうことで、さらに景気を悪化させ、場合によっては回復させるのが困難になってしまうかもしれません。不安を払拭するためには、狂牛病などでは政府がきちんと情報公開をし、特殊法人改革などもきっちり進め、
ODAなどの援助で無駄遣い(そのお金を使って軍備拡張などに使われないよう)されないように国民も
きっちり目を光らせることが必要ですが、その上で「自分さえよければ」「自分一人がやらなくたって大丈夫」
「自分一人がやっても変わらない」ではなくて、「自分の行動が、自分自身と周りの人々と社会を
幸福にしていくのだ」という意識を持って暮らしていきたいものですねぇ。
喫煙の悪影響 2001年10月25日(木)
喫煙の悪影響についての記事を読みました。
妊娠中に母親が喫煙すると、そうでない場合に比べて赤ん坊の出生児体重、身長ともに小さいという
調査結果が発表されました。喫煙する妊婦はとくに25歳未満の若い母親に増加傾向ということで、
妊娠中は喫煙を控えるようにとの提言がなされていましたね。これは家族に喫煙者がいたりした場合も同様の結果が見られるということで、喫煙者からは「好きで
吸っているのだからいいではないか」という声が聞こえてきそうですが…意識するしないに関わらず
やはり他人の健康を害してしまっているようです。最近目につくのは通行量の多い道ばたで痰を吐く人々
でしょうか。昔は老人が多かったようにも思うのですが今は若い人でも平気だったりします。
喫煙の習慣のない自分のことを考えると、痰がからむのはひどい風邪をひいた後などですから、痰を吐く
人々は日常的に呼吸器を痛めつけている状態なのでしょう。将来的にどのような影響があるのかは、さらに20年は追跡調査を実施しないとはっきりしないでしょうが、
その子供の未来の可能性をひょっとしたら狭めているのかもしれないと思うと、大人の側もうかつな行動は
できないなぁと感じました。愛煙家はタバコを吸う吸わないをコントロールできる人とのことですが、そういう人は少数派かも。
ニコチン自体は習慣性のあるものですので、血中でニコチンの濃度が一定の濃度を下回ると身体が喫煙を要求
し、頭で抑えるのはなかなか難しいかと思われます。(無理矢理押さえればイライラして、仕事とかに差し支える
やも…)タバコ業界とのあつれきとか税収入とか、さまざまなしがらみがあるせいでしょうが、日本ではあまり喫煙対策
は重要視されていないようにも思えます。ですが、ただでさえ子供の数が減少し、体力が低下し、その上で体格
まで低下してしまったら…。「自分の身体のことだから他人には関係ない」とはいえないのが喫煙習慣なのかも
しれませんねぇ。
不動産ファンド 2001年10月27日(土)
ここ数年、低迷している株式市場ですが…。
「不動産ファンド」という名前をここのところよく経済雑誌などで目にします。
大手の不動産会社がこのほど運用対象を賃貸マンションに絞った不動産投資ファンド事業を始めるとの記事を
読みました。年内にも私募形式のファンドを設立し、集めた資金を主に首都圏の賃貸マンションに投資し、
賃料収入を投資家に分配する仕組みのようです。日本では新しいタイプのファンドだったので、聞いた時「?」と思いましたが、アメリカやヨーロッパでは
すでにおなじみのようですね。アメリカやヨーロッパでも日本と同様に不動産バブルの崩壊を90年代初頭に
体験していますが、日本が未だにバブル崩壊の影響から抜けだせず株価も低迷しているのとは対照的に、
アメリカなどでは株価の最高値を次々に更新してニュースをにぎわせてきました。この好景気の下支えとなったのがこの「不動産ファンド」というもののようです。
日本の証券会社を始めとする金融業者では、個人向けのファンドがどんどん発売されていますが、一部の
優良ファンドをのぞいてはその運用成績は散々たるもの。軒並みひどい元本割れとなってしまっては、
いくら預貯金の利率がほぼゼロに抑えられていても、なかなか消費者も手を出そうとは思えませんよねぇ。とはいえ株式市場が活性化しないと、なかなか世の中にお金が回っていきませんし…。
(お金は自由主義経済の血液みたいなものですしね)
日本人ファンドマネージャーにファンドを運用する実力がないのなら、凄腕ディーラーを引き抜いてくる
ぐらいして利用者を儲けさせて欲しいものですねぇ。会社が儲けることを第一にして個人投資家を軽んじる
ような現在の体制があらたまっていかなければ、日本の景気もなかなか上向かなそうです。金融機関が抱えている不良債券処理も、不動産ファンドというものが普及すれば順調に運びそうです。
新しい仕組み、上手くまわっていくことを願いますねぇ。
航空運賃と景気回復 2001年10月28日(日)
タイトルを見て「なんだ?」と思われたかもしれませんが…
邱永漢さんのコラムと竹村健一さんのコメントを聞く機会があったのですが、どちらも航空機に
関することですね。邱さんはテロ事件の影響について述べられていまして、テロを怖がって海外旅行のキャンセルが相継ぎ、
日本の旅行社のツアーの取消しだけでも500億円にものぼるとこと。日本航空の本年度の決算は400億円
の赤字になるそうです。(これは日本ばかりの傾向ではなくてアメリカなど世界中で起こっているようです)
飛行機に乗る人が減れば、観光収入も減るし、ホテルの空室率はふえ、一段と業績悪化することは避け
られないとのご指摘でした。そしてこれらマイナス要因の悪影響はじわじわと出てくると。竹村さんは同じような現象をとらえて、その解決策として思いきったことを提言されていました。
「国内の航空運賃を10分の1に値下げし、航空会社の損失分を税金でまかなってやればよい」と。
かなり思いきった意見ですが、確かに5千円で北海道や沖縄にいければ飛行機を利用する客は増える
でしょうし、旅行客が増えれば地元のお土産屋さんもにぎわうでしょうし、ホテルや旅館の宿泊客も
増えますねぇ。海外旅行に比べ国内旅行が割高なために、近年国内旅行客が伸び悩んでいるともいえます。
今は海外旅行に行くのはちょっと、という空気になっていますから、ここは日本の観光地にとっては
チャンスかもしれませんよねぇ。日本の道路事業をどうするか、という長期的なテーマも大事ですが、
もっともっと思いきった政策を繰り出してくることも、長引く不況を打破する方法としては重要かも
しれません。経済についてお詳しい二人のコメントを、同じ日に目にするのも面白いものです。見えているモノは
一緒、ということでしょうか。
空爆の長期化 2001年10月29日(月)
アメリカのアフガニスタンへの攻撃が開始されてしばらくになりますが、かなり長期化しそうです。
行動情報化社会、アメリカもタリバンも双方が自分に有利な、そして相手には不利な情報をながそうと
躍起になっているでしょうから、なかなか正確なところを一般市民が知ることは難しいと思いますが、
空爆もなかなか効果があがらず、特殊部隊も投入はされたものも目覚ましい活躍は見られず、期待の
北部同盟による進撃もタリバンに阻止され…当初、アメリカが描いていたシナリオはかなりの訂正が
せまられそうな様相でしょうか。いわゆる「兵糧攻め」作戦をとることになりそうですが、ラマダン(断食月)中に攻撃をしかけたり
アフガニスタン国民に餓死者がでることになると、イスラム圏の国民の反米感情が高まりそうですし、
アメリカ国内や同盟国側にも非難の声があがってきそうですね。アメリカ政府がどのようにこの問題
を処理していくのか。きちんと推移を見守りたいと思います。(この状況を有利に活用できるのは
どちらかといえばタリバン勢力かもしれません)空爆によりアフガニスタンの一般市民にも被害がでていることについて、「テロ撲滅という大目標の
前には二次的な問題である」とアメリカの首脳部がコメントしていました。これについて日本の
テレビ局のとあるキャスターが「二次的な問題であると片付けるのはどうか?」、なんて述べているのを
耳にしました。うーん、やはり日本にとっては対岸の火事なのでしょうか。この人物個人がこのような
考えを持っているとは思えません。人には立場によって取らなくてはならない態度や責任が生じます。
そこら辺りを無視した日本のキャスターのコメント。無責任に感じられ、すごく気になってしまいました。背景に民族対立、宗教問題等々、難しい問題を抱えているだろう今回の戦闘…どのように解決していったら
よいのか、まだまだ見えてきません。とにかくその方法を模索し続けるしかないのが現状なのでしょうね。
模倣犯 2001年10月30日(火)
テロ対策特別法案が可決されました。突貫作業だったためまだまだ不備な点が多い様ですが、
これで日本も緊急時に、国際社会の一員として責任ある行動をとれるようになりますね。
湾岸戦争から10年、地下鉄サリン事件から5年…本来ならば平時に議論してしかるべきこと
だったのですが。とにかく日本も普通の国へと脱皮しつつあるのだなぁと実感しました。現在、アメリカを中心として炭疽菌事件の影響が広がっています。こういう時は模倣犯とか
便乗犯とかが問題となることが多いですが、日本でも小学生が補導されたりしていますね。
アメリカではここ2週間で届け出だけでも六千件をこえ、逮捕者も14人に登っているとか。
ゆゆしき事態ですね。社会不安がピークに達しているだろうこの時に、いたずら目的でこのようなことをするのは
言語道断です。この人たちのやっていることはテロ行為を支持することです。悪ふざけだった
では済まないでしょうね。アメリカでは社会を不安に陥れる深刻な犯罪としてとらえ厳罰で臨む方針だとか。禁固5年
罰金300万ドル(約3億6千万円)の罪で起訴された公務員もいるとか。日本国内では対岸の
火事といった雰囲気もありますが、こういう事件にはきちんと対応していただきたいものです。安全な社会というものの有り難さを認識し直しているこの頃かもしれません。
飛び入学試験 2001年10月31日(水)
いろいろ試行錯誤が続く日本の学校教育ですが…
今度、20歳の大学院生が千葉大学に誕生するとか。この男子学生は高校2年生の時に
千葉大学の飛び入学試験に合格し、現在同大学の3年に在籍中。大学・大学院ともに
飛び入学試験に受かったのは国内でも初めてとのこと。物理学を専攻する学生のようですが、大学の入学試験では「ドラえもんのタケコプター
は実現可能か、その理由を道筋をたてて説明しなさい」との問題に独創性に富む解答を
だして注目されたとか。(学内での成績もトップクラスのようですねぇ。)子供達の個性を尊重しているようでいて、その実、その個性を積むような画一的な教育
を施しているかもしれない日本の学校教育です。天才型の人はそのままいけばつぶされて
しまうかもしれませんよねぇ。とはいえ、天才型の人間はそうは多くないハズで、そうではない普通の子供達の場合は
社会に出るための準備、思考の鍛練のための基礎教育(読み、書き、計算)もきちんと
なされていかないといけないでしょう。要はいろいろな物差しと、いろいろな教育機関が存在すればいいことですね。
学校でも塾でも、その他教育機関でもいいでしょう。やる気のある先生達に様々な教育
プログラムを提供してもらい、子供達(そして親御さん達)に自分にあったものを選択して
もらうようにすればいいかと思います。学区の決まっている公立学校でも、競争はダメ、なんてことではなくて、やはり習熟度に
あわせた決め細やかな対応が必要になってくるでしょう。勉強は理解できれば楽しくなって
くるものです。登校拒否が問題になっていますが、小学校の時のかけ算九九でのつまずきが
きっかけになっている子供がかなり多いとも聞きます。子供の数が少なくなっている今だから
こそ、そういう体制づくりも可能になるのかも。(^^)