なぜ勉強するのか 2001年09月02日(
 

この日、現代の子供達のとりまく環境、そして教育に関しての話を聞く機会がありました。

数字がきちんと書けない、片仮名・平仮名をスラスラ書けない、九九が諳んじれない、等々。
ひと昔前ならば当然できたことが今の子供達はできないことが多いのだとか。もちろん
塾とかに通って勉強の進んでいる子もいるけれど、そういうことを学校ではあまり教えなくなって
いるそうです。

数字がきちんと書けないことは、計算間違いに。また口は達しゃでも文章を書かせると書けないし、
算数においては数式をたてられないことにつながってくるようです。子供がつまづくきっかけに
なるのは「九九」からが多いようで、不登校の子供の中で「九九」ができなくて、学校の勉強に
ついていけなくなったことが原因になっている子がかなりいるという話でした。

今は世の中にモノが溢れています。子供達にとっても屋内での遊び道具がかなり増えました。
ですから部屋にいるからといって、放りっぱなしでいると…勉強や読書はそっちのけで遊びばかりに
夢中になって、いつの間にか落ちこぼれになっている、なーんてことになりかねません。
昔なら、放課後勉強が遅れている子を集めて補習とか行ったところなのでしょうけど、今はそれも
ないとか。なぜなら「子供に皆の前で恥をかかせるなんて」とすぐ保護者からクレームがつくそうな。
こんな状況では学校に多くは期待できませんので、親御さんが奮起するしかありませんね。

今の子供達は生まれた時からなんでも揃っている恵まれた環境で育っているためハングリー精神もなく、
なんで勉強しなくてはならないのかが分からないのだとか。例えば途上国などでは「勉強すること」=
「貧困からの脱出」につながることが見えるため、大人が言葉をつくして教えなくても劣悪な教育環境下で
必死になって勉強するとか。とくにインドなんかの数学熱、コンピュータ熱はものすごいモノがある
のだそうです。

ただし、恵まれた環境で育つことは必ずしも悪いことではありません。その中でさらに勉強をつめば
より高度な精神活動、経済活動、価値創造を行うことが可能となるからです。
今、日本は「教育」においても、21世紀に発展するか衰退するかの岐路に立たされているのかも
しれません。子供達に勉強はなぜ必要か、きちんと大人の側も把握し子供に分からせる努力が
必要ですね。

大人になってからきちんとした仕事につき、より良い価値創造を行うための基礎学力をつけてあげるのが
教育の目的…そのような話で締めくくられました。もし子供の世代が今よりいっそうの価値創造活動を
行うことができなければ、現在のような恵まれた生活がおくれなくなる。そういう因果関係は今の日本の
子供達にはピンとこないのだとか。そういう社会においては、ガスも電気も水道も、テレビもビデオも
ゲームも、冷房も不暖房もない不自由さ、不便さというものをあえて体験させておくのは有効かもしれ
ませんね。

とにかく、親御さんが踏ん張らないとあやうい時代であることは間違いないようです。


自分の身は自分で 2001年09月03日(

 
週末の深夜におこった歌舞伎町の雑居ビルでの火災。朝、ニュースをみて驚きました。
ホントに煙突のような細長いビル内で、あんなにも多くの人々がなくなってしまうとは…。
大きな火災といえば大分前のことになりますが、ホテルニュージャパンの火災でしょうか。
赤坂の一等地にあったこのホテルも買い手がつかず長い間無惨な姿をさらしていましたが、
ここはどうなるのでしょうか…。

まだまだ、なにが原因で大惨事になったのかは発表されませんが、ガスメーターが人為的に
外されていた可能性が高いとか。このビルのテナントが無許可営業であり暴力団との
トラブルも抱えていて、その対策として唯一の逃げ場である階段を使えないようにしていた
とか…そんな話がちらほら聞こえてきます。

仕事でこういう雑貨ビルを訪問した経験もありますが、やはりちょっと雰囲気が恐かったです。
この手の場所はオーナー自体が暴力団関係者であったりとか、又貸しに継ぐ又貸しでオーナー
が不明だったりとか、いろいろなことがあります。利用していた人たちにとっては隠れ家的な
ところが良かったのかもしれませんが、リスクが高かったということでしょうか。

こういう場所では居酒屋とかが多いですよね。そしてお店はどんどん変わっていきます。
きちんとしたレストランを経営するには、きちんとしたスキル(技術)が必要となりますが、
お酒と女性とカラオケが売りのお店ならばそういうこともないのかも。だからこそお店の側も
お客へのサービスや安全よりも儲けの方ばかり重視してしまうのでしょうか。プロ意識はあまり
高くなさそうに感じています。今回の事故(ひょっとすると事件になるかもしれませんが…)
はひとつの警告なのかもしれません。

やはり自分の身は自分で守るしかなさそうです。災害というものは無防備なところを中心に
襲ってくるようにも思えますので。
 
 


政治力を発揮する 2001年09月04日(

小泉内閣の大きな課題、そして国民の関心も高い特殊法人改革ですが、各省庁からの改革、民営化
に対する方針が政府に示されたとのこと。予想されていたことですが、廃止・民営化については
否定的な省庁が大半であるようです。

テレビとかで石原行革担当相が述べていましたが、まず各省庁自身に改革案を作らせ、それが
満足なものでなかった場合、行革推進事務局であらためて改革案を示すようです。かなりの
省庁が見直しを迫られることでしょう。これからおこるだろう官僚の抵抗を、きちんとコントロール
できるかが問題ですね。(そしていわゆる族議員の抵抗も…)

いろいろな国で行政改革が実施され、ニュージーランドなど「小さな政府」を作ることに成功した
ところもありますがその場合のポイントは、政治家主導で一挙に実行することにあったようです。
日本の場合も、自分達の身を削ることを官僚側が簡単に納得するわけはありませんので、政治家の
指導力が問われることになりそうです。

道路公団をかかえている国土交通省からの答えも「ノー」。ここを民営化できないと、効率の良い
道路建設も、高速道路のフリーウェイ化も実現できません。日本経済の将来を左右するであろう
この部分はかならず実行してほしいものです。

また一つの正念場を迎えたようですね。小泉内閣にはひと踏ん張りしてほしいものです。
 


改革が難しい背景には 2001年09月05日(

特殊法人改革について、各省からの解答結果が公表されました。
予想されたように、廃止が4、民営化が2法人とのことで、ほとんどゼロ解答に近いものでした。
あらかじめ国土交通省の扇大臣には道路公団など、六法人の民営化を支持していましたが、
ほとんどが「廃止は無理、民営化も条件付き」等々、やはり官僚主導ではなかなか改革は進まない
ようです。

先週末だったでしょうか、道路公団に関するレポートをテレビが放送していました。職員一人ひとり
は使命感をもって仕事をされていましたね。これはまぁ当然といえば当然で、現場サイドを取り上げれば
そういうことになりますし、関連省庁に勤務している官僚にとっては退職後の天下り先なわけで、
自分の身を切るのはなかなか難しいことかと思います。やはり政治家主導で改革を進めなければ無理
でしょう。

小泉総理は「こんなばかなことはやめてくれ、という動きが出るところを最初に改革する」と表明された
ようです。族議員が反対工作に乗り出す前に先制パンチをくらわせたということでしょうか。
とにかくこのまますんなりとは行かないでしょうから、行革担当相ともどもがんばっていただきたいです。

官僚が天下り先にこだわったり、最近ずっと新聞をにぎわせている外務省官僚の汚職などがおこる背景ですが、
ご自身も外務省におられた岡崎久彦氏が以前語っていたことがあります。昔は外交官の職務をまっとうした
場合、十分な恩給がもらえたとのこと。ですから上からは「先々のことは心配せずに、お国のために働け」
というように言われていたとか。ところが戦後変な平等意識といいますか、年金とかも不公平があるのは
いけないような風潮になり、責任の重い仕事についていた人も、単なる事務仕事をしていた人も、同じような
額しかもらえなくなってしまった。そうなると老後のことが心配になるのが人情というもので、在職中に
殖財にはげむ人間もででこよう、と。

ちょっと話が飛びましたが、効率化できるところは効率化する必要がありますが、ただ単に削減すればいいと
いうものでもないかなぁと。活躍した個人の功績がきちんと評価される社会へと脱皮していかないと、
この手の改革もうまく進んで行かないのかなと感じたのでした。
 
 


貸した方より借りた方 2001年09月07日(

ここ数日、日本ばかりでなくアメリカも株価を下げていますね。ひと昔前よりも連動性はなくなっている
ようですが、それでもやはり片方がグーッと下げるとその影響はでてしまいますねぇ。ムーディーズも
日本の国債の再格下げを検討しているとか聞こえてきますので、小泉内閣が有効な経済改革を進められないと、
さらに大変なことになってきそうです。予算枠30兆円でしたっけ、この公約をきちんと実行できるかどうか。
これによってさらに株式市場が下落する可能性も指摘されています。
国会議員も官僚も、党益や省益などと小さなことに捕われずに、21世紀の日本をどうするかという大きな目
をもってことにあたって欲しいものです。(とくに政治家の方々は!)

現在、日本は不景気不景気といわれていますが、負債の内容をみると外国からの借金のせいではないことが
わかります。その点、お隣の中国や韓国よりはずっと条件がいいことはちょっと前に書いたかと思います。
一方、海外への融資はかなりの額にのぼっていますよねぇ。お隣の中国あたりでは日本からいくら援助しても
「貢ぎ物」の意識が強いのか、中国の国民にはちっとも状況が伝わっていないようですし、軍備増強にも
そのお金が使われている可能性もありますので、「よい融資」「よい援助」ということにはなっては
いませんね。

そして北朝鮮ですが…日本政府が平成7年に送った有償のコメ支援、56億円にかかる利息額役5億9千万円
を滞納しているとか。未払いの延滞利息も約1億円にのぼるとのこと。度々の督促にもかかわらず(53回!)
返答なしだとか。このまま踏み倒すつもりかも…

日本人の感覚からすれば「借金は返すもの」であって、もし返済できなければ社会的信用をなくすという
リスクがありました。だからサラ金から借りたり、銀行強盗してまで返済しようとする土壌があるようです。
ところが外国人の感覚は違うようです。「借金は払えなければ踏み倒せばいい」という方がむしろ普通だと
聞いたことがあります。(そのために犯罪に手を染めるなんて、クレイジーだと考えるようです)
貸した方よりも借りた方が強い…変な話ですが、現在の日本とアメリカの関係もそんな感じがあります。
まぁ実際の話、もし戦争にでもなったら負債国は融資国の敵側を応援することでしょう。相手国がつぶれて
しまえば借金も棒引きということになりますし。

相手には必要だからお金を貸しているわけですが…必ずしも相手に感謝されているわけではなく、場合によっては
恨まれることもあるという現状をふまえて、援助を行わないといけないようです。
 


最後はシステムを扱う人間次第 2001年09月08日(

 
賞味期限の予測をコンピューターを使って行う…様々なデータを活用した食品の腐敗予測ソフトが
欧米で開発が進んでいるとか。すでにネット上で公開しはじめている国もあるようです。
こういうソフトが開発・実用化されれば、今まで検証に費やしてきた膨大な費用を削減することが可能に
なりますね。また動物実験が必要な分野にもこういうモノが導入されれば…実験動物を利用する場面も
かなり減らすことができるのかも。

実際にこのソフトの使い勝手はどうかというと、ある日本の研究者によれば、信頼性が低く実用的では
ないとのことです。なぜかというと、「人」の部分が抜け落ちているからだそうです。
つまり食中毒などの事故の原因の多くは、その食品を最後に扱う人にあることが多いからでしょうねぇ。

雪印の大規模な食中毒事件あたりに有名になったHACCPですが、これはNASAが宇宙食を作るために
生み出した生産方法で、従来の完成品から抽出検査を行って不良品を排除するやり方ではなくて、
不良品を生み出さないように材料の仕入れから出荷まで、工程ごとに管理するシステムなわけです。
しかしシステムがきちんとしていても、それを扱う人間がいい加減なことをすれば去年のような大事故に
発展してしまうわけです。

このソフトに関しても同じことで、たとえ無菌状態の製品を出荷したとしても各家庭でそれを開封した後、
保存方法などを守らなかったり不潔な環境に置いてしまえば、あっという間に菌は増殖し、食中毒を引き起こす
ことになります。(実際話題にならないだけで、家庭内での小さな事故は頻繁に起きていると考えられます)
この研究者は、より利用者に近い位置(冷蔵庫など)にこのソフトが組み込まれれば、もっと利用価値が
あがるだろうとの事でした。

確かにそうですね。ですが、その機械が故障した時や人間が使い方を間違えた時が恐いですねぇ。
機械は人間がプログラムした通りに動きます。まぁそのうちAI(人工知能)なんてものもでてくるとは
思いますが、自分や家族の身は自分で守るように心掛けたいものです。人の身体自体弱くなっているので、
いざ事故がおこればあっという間に、まず子供やお年寄りから生命を落としかねませんしね。



「相場と精神」 2001年09月09日(

 
また新しい本をご紹介します。「相場と精神」こう書いて「そうばとこころ」
と読みます。一風変わった題名ですが、著者はトップアナリストとして有名
な佐々木英信氏です。

少し前にこの方の話を間近で聞く機会がありました。私はあまり詳しく
なかったのですが、証券業界では雲の上の人、ものすごーくエライ方の
様です。経済雑誌とかを手に取るとそのお名前を目にすることができました。
(相場の20年周期説とかユニークな話を聞くことができました)

普通この手の本では、テクニカルチャート分析とか、どの銘柄を買えば儲かる
かとか…そういうテクニックを紹介しているモノが多いですが、この本は
その内容が全然違います。相場というものを考えるにあたっても、精神的な
部分が大切である、大宇宙をつらぬく法則はこの相場にもあてはまる、等々
…俯瞰、というのでしょうか、株式市場をいうものを見る目にも時代をこえた
大きな目、高い位置から見通す目をもたなくてはならないと説かれています。

世の中というものは一見違うもののように見えて、その実、同じものなのかも
しれませんね。トップアナリストとして活躍する背景には、経済だけでなく、
政治、歴史、宗教、その他もろもろさまざまなことに精通している必要がある
のではないか…そのように考えさせられた一冊でした。
お勧めです、ぜひご一読を。
 



 

日本にも発生か? 2001年09月10日(

 
夜の7時近くのニュースで、こんなテロップが踊っていました。
「日本で狂牛病初の発生?」
これが事実だとすると、大変な騒ぎになりそうですね。

狂牛病というのは何年か前からヨーロッパを中心に問題化しており、日本でも大きく
報道されてきたため名前だけは御存じの方も多いかもしれません。今、確認できる
資料だと「千葉県の畜産農家に発生した」くらいの情報しかないためなんとも言えませんが…。

まぁでも、ありえることではありますね。
狂牛病発生当初から、ある種の動物性タンパク質飼料を利用して飼育された牛の間に
見られた病気のため、これが原因である可能性が高いと指摘されていました。
当然日本政府(まぁ農水省ということになりますけど)もこの手の飼料の輸入&使用を禁止
したと思っていました。ところが、しばらく後に聞いた話によると全面禁止していなかった様子。
今年の6月に欧州委員会というところから、日本における狂牛病発生の可能性について指摘
されていましたし。

こういうところ、薬害エイズ事件とかと構図が同じ所もありますが…ここら辺はおいておいて。
問題はこのニュースが流れたことによって日本でパニックが起こらないかということですね。
狂牛病というのは名前は恐ろしいですが、いわゆる伝染病とはちょっと違います。病畜がそばに
いただけで病気にうつるようなモノではありません。人間のクロイツウェルト・ヤコブ病との
関連性もうわさされていますが、まだはっきりしたことは分かっていませんしね。

日本人としては冷静に行動すればいいと思いますね。また無用なパニックを引き起こすと
不景気にさらに拍車をかけてしまうでしょうから、ここは官僚主導と言うよりも政治主導で
ことに迅速にあたっていただきたいものです。(早く正確な情報を伝えて欲しいですねぇ)


同時多発テロ発生 2001年09月11日(

 
昨日の狂牛病のことなどぶっとんでしまうような、大事件が発生しました。
アメリカ合衆国では中東の過激派などによるテロがおきていますが、その中でも稀に
見る大事件で、被害者も数千人にのぼるとみられています。

なんと貿易センタービルにハイジャックされた2機の航空機がつっこみビルが崩壊、
また国防総省にも航空機が突っ込んだ模様。こちらにも被害がでているようです。
貿易センタービルには日系企業が多く入っているようですし、日本人にも犠牲者が
でているかも…(航空機内にもいたかもしれません)

ブッシュ大統領も声明を発表していましたが、これは戦争状態ですね。
さらなる多発テロをふせぐために米国はメキシコとの国境を封鎖、米軍は核戦争勃発時に
相当する最高度の警戒態勢を敷いたとのこと。この事態を受けて、フランスなど米国の
一部の同盟国は特別警戒態勢を発令したようです。

アメリカ経済の心臓部を狙ったテロに対し、経済機能が麻痺しないようにすでにいろいろと
手が打たれつつあるとのニュースも聞こえてきます。そういうところはさすがですね。
ですが全然影響がないことはないでしょう。日本市場への影響も懸念されます。

まだ犯行声明が出されていませんが、犯人が判明すればこのままではすみませんね。
まれにみる凶悪テロに対しアメリカは断固として報復措置をとるでしょう。場合によっては
湾岸戦争以来の展開になるかも…。

アメリカの同盟国である日本にとっても、いろいろとその存在意義が問われるような事態に
なったと思われます。もしここで同盟国としてきちんとした対応ができないようならば…
アメリカ国民のそして日本人自身の失望をまねくことになりかねません。それはお互いの国の
将来に悪い影響をおよぼしかねません。当然、日本経済にも。
小泉内閣には毅然とした対応をお願いしたいものです。(場合によっては日本国内でも
テロが引き起こされる可能性がありますしね)



正義と正義のぶつかりあい 2001年09月12日(

 
テロ事件から丸一日がたちました。多少、アメリカ合衆国も落ち着きを取り戻した様子。
未だに犯行声明がでていないようですが、テロリズムによって歴史は良い方向に動くことは
ないハズ。しかも今回は無差別に一般市民を標的にしたものです。きちんと解決されることを
期待しますね。

やはり予想されたように、各国株式市場は大暴落、世界経済を牽引していたアメリカ経済が
大打撃を受けるだろうとの見通しからか、日本の市場も平均株価も1万円を割ってしまいましたし、
TOPIXも1000ポイントを切ってしまったとか。まぁ、これに関しては今後の対応次第で
回復も可能となるでしょう。

日本の政界の方にもいろいろと動きがでてきたようですね。今まで遅々として進まなかった
有事立法の整備ですが、もともと賛成の保守党をはじめとして、自民党内でも早急に進めるべき
との声があがっているとのこと。うーん、未だに整備されていないのがおかしいくらいであって、
本来、95年の世界にも例をみない地下鉄サリン事件が起きた時に、きちんと整理されてしかる
べきだったものなのに。テポドンショックといい、日本人ってミサイルが実際に飛ぶのを目の
当たりにしないと、自分達の身を守ることも考えられないくらい鈍感になってしまったのか…。

話は変わりますが、ブッシュ大統領は国民に対し「悪は倒さねばならない」と呼び掛けています。
まぁこれは立場上当然でしょう。ただし(おそらくイスラム系テロ組織でしょうが)相手は相手の
正義をもって戦いを挑んでいるのに違いありません。内容はそれぞれの「正義」VS「正義」と
いうことになるのかもしれませんね。ここでポイントとなるのは、どちらがより大いなる意志に近い
行動をとっているか。どちらの行動がより多くの人々の幸福につながるか。いずれが人類の進歩、
発展により貢献できるか。そういうことかと思います。

多くの人々の生命を無造作に奪い、またテロリスト本人の生命をもぞんざいに扱ってしまう思想が
正しいとは私には思えません。旧い思想を撃ち破り、地球文明を建設できるような大きな思想が
21世紀に求められているのでしょうねぇ。
 


テロ計画の傍受 2001年09月13日(

 
時間がたつにつれて、いろいろなことが明らかにされてきましたね。
今回のテロ事件に関しては、事前にエシュロンを利用してアメリカ情報当局が察知していた様子。
しかし最後に裏をかかれた形になったようです。

6月にインドにおけるテロ計画が阻止されたようなのですが、その時に身柄を拘束された原理主義者
の取り調べから、日本、韓国、フィリピン、東欧における米軍施設へのテロ計画が明らかになった
とのこと。この9月6日には日本政府にも伝えられていたようです。(ただ、田中真紀子外相には
事前に知らされていなかったとか…またまた外務省はもめそうですね)

ところが、肝心のアメリカにおけるテロ計画については情報がもれていなかったらしく、それを逆に
察知した(犯人といわれている)ビンラーディン氏周辺では、対象をアメリカに絞った可能性もある
ようです。なかなかどうして、イスラム国も情報合戦で健闘していますね、侮れません。

それにしても他の国々にくらべて日本の情報収集力はお寒い限り…。情報、および情報分斥力はとても
大切なのに。これによって無用な争いや戦争を避けることも可能になりますしね。
ここら辺も今後の日本の課題でしょうか。(明治時代くらいでは日本の上層部も、情報戦の重要性を
分かっていたようなのですけど)

もしアメリカ情報当局がテロ計画を察知していなかったら…今頃、日本でも大惨事が起こっていたのかも
しれません。そういう点、アメリカに感謝ですねぇ。
 



 

アメリカンスピリッツ 2001年09月14日(

 
今回のアメリカでのテロ事件の犯人と目されているビンラーディン氏ですが、さらに疑惑を裏付けるかの
ような事実が分かってきました。
事件発生直前に数百万ドル以上といわれる資金を投入して、株や為替を先物予約し、テロ事件後の下落で
巨利を得ている可能性がでてきたとのこと。アメリカやイギリスの情報機関などが調査にのりだしたようです。
ビンラーディン氏にとっては巨額の利益を得る一方でユダヤ資本の機能をマヒできる…こんなことが目的で
何千人もの人々の生命をうばったのだとしたら、許しがたいことです。関係機関にはきっちり証拠を固めて
いただきたいですね。

事件当時のさまざまなエピソードが分かってきました。
ハイジャックされた旅客機の計画が全て成功したわけではなく、中には携帯電話で連絡をとっていた乗客が
貿易センタービルのことを知り、他の乗客と一致団結してテロリストに対抗、特攻を阻止した航空機も
あったとのこと。(ただし、残念ながら墜落しています…)この旅客機はホワイトハウスへ突っ込む予定
だったとのことですから、もし勇敢な乗客たちの行動がなければアメリカ合衆国の機能はほんとにマヒして
いたかもしれません。その中の乗客の一人が自分の奥さんに対し携帯電話で残した言葉です。「きっと命を
落とすことになるだろう。よい人生を。娘を頼む」…

航空機がビルに突っ込んだ今回のテロ事件。まるで映画の中のような話だと当初感じましたが、実際のアメリカも、
大いなることのために、多くの人々の命を救うために、闘い、自分の生命を賭けられる…そういう勇敢な人々が
集まっている国なのだなぁと実感しました。ひるがえって我が国はどうでしょうか。日本がテロに会う危険性も
あったわけで、危機に陥った時にどういう行動をとれるか。それがその人の本質を示すことになるのかもしれません。


着々と進められる駆け引き 2001年09月23日(

 
少し夏休みをとらせていただいまして、1週間振りになりますか。
その間にも世界中でさまざまな動きが見られていますね。

着々と出撃準備が進む米軍。日本の基地内での動きも連日ニュースで伝えられています。
ただあくまでも「準備」を万端に整えているという印象で、今日明日中に攻め込む構えではないように
感じましたのでちょっとホッとしています。

ブッシュ大統領は「生死を問わず、首謀者をとらえる!」と声明を発表していました。
どういう意味なのかなぁと思っていましたが、「イスラム諸国内で解決の努力をして欲しい」との
メッセージであるとの解説を聞いて、なるほどなぁと思いました。
今回、全面戦争ということになれば、アメリカ側もイスラム側もただではすみません。イスラム側は
国土を破壊され、アメリカや同盟諸国も経済情勢のさらなる悪化を招くことになるでしょう。
ただことが上手く運ばなければ戦闘開始ということになりますが…どう転んでもいいようにあらゆる
手を打っておくのはさすがですね。よい方向に進みますように。

ひるがえって日本の動きはどうか。小泉総理が日本としては異例の(?)早さでアメリカへの支援を
表明したことはものすごい進歩ですが、討論番組を観ているとひどいものですね。「慎重に議論を重ねる
必要がある」「国連決議が前提である」等々…実際的ではない反対意見が多々聞かれました。
平時ならともかく、現在は非常事態であるという認識が国会議員さんの間にもなさげなのが不安かも。
そんな議論をするヒマは95年の地下鉄サリン事件から5年間はあったわけで、今はその時ではないと思います。
また日本人って、国連をスーパーマン視しているようなところがありますが、そこまで力はないのが実情では
ないでしょうか。アメリカがそっぽを向き、日本が律儀にお金を納めることを止めれば…その時点で機能しなく
なるでしょうしね。

文化と文化の摩擦…二千年の時の清算は、時間をかける必要がありそうです。
 


芸術と戦争 2001年09月24日(

 
ちょっと遅い夏休みを先週とらせていただいたのですが、薬師寺に足を運びました。
境内の一角でちょうど平山郁夫画伯の特別企画展が開催されておりました。
玄奘三蔵の足取りを辿った作品群でして、100号以上の作品がプレハブいっぱいに
展示されていましたね。ラッキーなことに平山画伯ご本人が来所されていまして、
作者みずから説明を受けることができました。
中には今話題のタリバンが、数年前に破壊したバーミヤン遺跡の在りし日の姿を描いた
作品もありまして、「許しがたいこと!」とおっしゃっていましたか…。

今、世界中が『戦争』に突入しそうな情勢に緊張しています。戦争というものはメイキング
される必要がありますが、いつ始まり、いつどのように決着させるのか、まだまだ見えて
きませんよね。(当然、アメリカが中心となってメイキングされていくのでしょうけど)
長引きそうな気配もあります。

タリバンのように文化の摩擦によって芸術作品が破壊される場合もありましたが、戦争と
いう時代には芸術、そして芸術家が迫害されることがくり返されてきました。中には
ピカソのように作品で戦争に抗議する例もありますが(ゲルニカ)、大部分はなかなか
そのような力を発揮できないのが現状なのでしょうか。ですが大いなる意志を体現する
ことも可能な芸術家たちが、今回の件に関してどのような仕事を残すか。注目したいと
思います。

偶像崇拝を禁じたイスラム教。心の大切さを忘れて仏像を拝むことで満足していた人間たち
に対する戒めが、本来の目的だったとも思えるのですが…さて、実際どうだったのでしょうか。
 
 


どさくさまぎれに? 2001年09月25日(

 
アメリカの同時テロ以来、世界中がバタバタしていますね。
とはいうものの、我が国の経済構造改革も一方で着実に進めていかなくてはいけません。

厚生労働省は政府・与党社会保障改革協議会に、2002年度に予定している医療制度改革案を
報告した様子。ひっ迫している医療保険財政を立て直すため、患者の医療費自己負担割合を
一部引き上げて現役世代は3割に統一するほか、自己負担が少ない高齢者医療の対象年齢を
現行の70歳以上から段階的に75歳以上に上げることなどが柱のようです。
まぁ保険料とというのは実質税金みたいなものですから、このご時勢に増税するようなもの。
国民の消費マインドといいますか、気持ちをさらに萎えさせ不景気に拍車をかけるやもしれません。
(さらに医療保険料の引き上げも盛り込まれているようなので)

一方で、医療機関に支払う診療報酬の見直し方針も盛り込まれているということですが…
医者や病院に都合のよい改革案のような印象を受けます。料金の値上げや保険料の値上げと
いうのは最終手段。本来、もっともっとスリムにするところ、改革していかなくてはならない
点が多々あるハズです。日本の医療のあり方自体が見直される時期にきているのではない
でしょうか。

現在みたいに不養生で病気になってしまった人も健康な人も同じ扱い、場合によっては
病気になった人の方が恩恵を被れるようなシステムは見直されるべきかと思います。
予後治療よりも病気の予防や健康維持に重点をおいた医療体制に。日本の社会も生まれ変わって
いって欲しいものです。自分の健康に留意している人が恩恵を被れるような社会へと。
(結果として、その方が医療費も低く抑えられることになるでしょう)

官僚主導の場合変化を嫌う傾向があるせいか、なかなか上手くはいかないようです。
ここでも政治家方々のの奮起を期待したいですねぇ。
 


存続意義はあるのか? 2001年09月26日(

 
帰りがけ、自衛隊機と思われるような飛行機をみかけました。日本国内でも今度の
アフガニスタンへの攻撃への準備が着々と進められているようです。

さて、厚生労働省の出した医療改革の内容について書きましたが、老人医療についても
メスを入れるようで、高齢者の負担を引き上げることによって自己の都合による
社会的入院を減らし、また必要もないのに受診する高齢者の数を少なくしようと
いう案のようです。

それはそれで必要なことではありますが、全体として一方的に利用者、国民に
負担を強いる案のような印象を受けます。医療費の値上げを行うのならば
その見返りといってはなんですが、よりよい医療サービスを国民が享受できる
ように医療機関側の体制も変革していく必要があると思います。
楽なところからお金をとって財政難の穴埋めをする…そんな案のように思えます。
バランスのとれた改革を行って欲しいものです。

この国内業者保護という名目で対応が遅れた結果、かえって業者を経営危機に陥らせた
のが今回の狂牛病に対する農水省の動きではなかったのでしょうか。
かなり早い段階から原因物質として動物性タンパク質(骨粉など)が特定されていたにも
かかわらず、全面禁止措置をとらなかった(とれなかった?)おかげで関連業者、酪農・
畜産家、関連機関それぞれがその対応に追われてんやわんやの騒ぎになっています。
会見を聞いていても「責任を感じているのかなぁ?」と感じてしまいました。

せっかく省庁再編をおこなったのに、農水省はほぼ丸まる残っているのでしょうか。
特に食料に関しては生産者だけでなく消費者に対する政策というものが必要になるわけで、
現在の体制がよいとは思えません。動きの遅い日本の社会ですが、さらなる改編が
行われるべきではないでしょうか。
 


生命と財産の安全を守る 2001年09月27日(

 
日本国内でテロが起こった場合の対応について、与党内で議論されているとのことですが、
まだまだ他人ごとみたいな話し合いが続いているようです。
今回の同時多発テロを受けて自衛隊法の改正が行われようとしていますが、その対象となる
施設の拡大を在日米軍基地と防衛庁庁舎に限定したのだとか。少し前の案では皇居や首相官邸、
国会、原子力発電所など国内重要施設を警備対象とすることで合意していたらしいのにも
関わらずです。理由としては「警察への侮辱」「戒厳令と受け取られる」(ともに自民党幹部の
意見)ということですが…

日本国内ではテロが起こっても米軍関連基地のみとみているのか、日本自体が標的にされた時、
まず首相官邸が攻撃されれば日本政府の機能が麻痺し、また原発を占拠されればテロリストに
されるがままというこなりかねないとは考えないのでしょうか。とくに原発を破壊された場合の
被害は国内だけにとどまらず、旧ソ連のチェルノブイリ事故のように放射能の影響が周辺諸国に
及んでしまいます。豊かな生活を送るためには必要な原子力発電ですが、悪意を持って利用されれば
爆弾そのものになりかねません。

地下鉄サリン事件という世界でも類をみないテロが起きた国ですが、その首謀者に対する裁判
すら事件後6年が経過した現在でも終了していないことからも分かるように、とにかく自国民の
生命や財産の安全を守るという政府の大切な役割は軽視されているのかもしれません。

日本国内では政治家になるような人物でも、「危機管理」術を系統立てて勉強されている方は
限られているようです。『最悪の事態に備えて、楽観的に対処する』。願っているだけじゃ
安全は守られない時代へと突入したようですから、その手のスペシャリストがもっと重用されないと
危険かもしれませんねぇ。
 


当事国として 2001年09月30日(

 
ベルリンマラソンで高橋尚子選手が世界新記録をマークして優勝とのこと。女性としては
初めて2時間20分の壁をやぶったのだとか。あの華奢な身体ですごい!おめでとうございます。
また大リーグでもイチロー選手が新人最多タイ記録、233安打を達成とのこと。今シーズンの試合
はまだ残っているようなので、新記録達成は間違いないでしょう。こちらもおめでとう!
暗い話題が多く続くテレビに明るい話題を提供してくれるスポーツ選手たち、どうもありがとーという
感じですねぇ。(^^)

日曜日は相変わらず今回のアメリカの軍事行動への支援、というテーマで各政党の代表がテレビ出演して
討論していますが…このごに及んで支援活動の是非を問う議論が展開されているのには失望してしまいます。
そんな時間はない緊急の案件だという認識がない政党が日本にはたくさんあるようで、先が思いやられます。
本来だったら小泉首相をきっちりバックアップすべき自民党内からも反対意見がちらほら出ているようで…
(野中氏とか加藤紘一氏とか)

テロへの対応(というより今回は戦時対応になってますが)についてですが、95年におきた地下鉄サリン
事件を教訓にして国内の体制を整えたのは、どうやらアメリカ合衆国の方だったようです。人心をパニック
に陥れるのがいかに容易であるか…それを痛感したとのこと。本来ならば被害にあった当事国の日本の方が、
法制備も含め体制を整えておかなくてはならないハズなのに。日米で今回の対応について協議しても、日本
の方は「テロとはなにか」という定義すらあいまいな現状。これでどうやって物事に対処していくつもりなの
でしょうか。同じ物事に直面しても見る人によってこんなに違ってくるのですねぇ。

アメリカの報復措置につきあうのはどうか…そういう意見を持つのは結構かと思いますが、今回のテロ事件、
日本が被害当事国になった可能性も高かったよう。実際、アメリカでは何人もの日本人が被害にあっています。
今回きちんとした対応ができないのなら、いざ日本にことが起きたときにどの国も助けてはくれないでしょうし、
また不安定な極東地域の安定保持のために、日本人自身が軍備を整えなくてはならなくもなるでしょう。
個人の意見ならばそれも通じますが、国民の安全を守るのが仕事の政治家がそれでは心もとないです。
実りのある議論を期待したいですねぇ。




 
 
 

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