Tatuya Ishii 2000 Art Performance
Art Nude


Live Report

〜所属しているオーケストラ「ムシカ・ハルモニカ」公式サイトで書いたコラムです。

「ART NUDE」

2000年、そして20世紀も間もなく終わりを告げようとしています。今年もいろいろなライブを観に行きましたが、その中でも印象に残っているライブのひとつが、先日行った石井竜也の「ART NUDE」です。最近は石井ビューティーと名乗ったりもしていますが、元米米クラブのヴォーカリスト・カールスモーキー石井、と言ったほうがわかるという方もいらっしゃるかもしれません。ミュージシャンとしてだけでなく、アートや映画など様々な分野で活躍していることは、みなさんご存知かと思います。 その石井竜也が1998年から毎年12月頃に行っているライブ「ART NUDE」は、普通のライブとは違って、ちょっと大人の雰囲気漂うアートパフォーマンスライブ。前半は歌、後半はアートの2部構成になっています。
まずは第1部の歌のコーナー。アコースティックギター、キーボード、パーカッション、ベースまたはサキソフォーンという小人数編成のバックバンドで、バラード曲を中心に歌を披露します。いつものエンターテインメントなステージとは趣向を変えて、まさに聴かせるステージ。最近、ますます歌声に磨きがかかってきている気がします。
そして、休憩の後、第2部はアートのコーナー。第1部のバンドメンバーに中国楽器の胡弓とコンポーザー(朗読)も加わって、インプロビゼーション(即興演奏)で音楽を奏でる中、ステージ上で絵を描きます。それも、1年目の1998年は女性の全裸像に、2年目の1999年は約2mの巨大なマスク(仮面)に、そして、3年目の今年は高さ約1.8mの女もしくは男のボディ(男女日替わり)にペイントするというもの。さらに今年は、そのペイントされた像に華道・草月流第一人者の假屋崎省吾先生が花を生けるという企画でした。いつもと違った真剣な表情の石井竜也。ステージ上で絵を描くという行為には、大変な体力を使うものなのだそうです。約1時間という限られた時間の中で、真っ白な像から作品が出来上がっていく様を見ているのは、意外に楽しめると思います。最後に、仕上がった作品をバックにしっとりと歌って、ライブは締めくくられます。
『音楽とアートと花のコラボレーション』。なかなか見られない、というかきっと他には無い組み合わせではないでしょうか。「日頃、私達は『完成品』しか見ていないから、物が作られていく過程を見るという機会があってもいいのではないか」と考え、このようなライブを企画したのだとか。ぜひ機会があったら、ファンではない人にも観て欲しいなと思うライブです。
来年、21世紀はどんなライブに出会えるのか……とても楽しみです。
(2000.12.30)

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