このレンズは1962年の日本カメラショーで登場した、ズーム機構がユニークな、国内でも初期のスチルカメラ用ズームレンズです
レンズ構成は10群15枚、画角は47°〜24°、絞りは3〜22、距離計メモリは1.5m〜∞、重量は1kg、各社のマウントに対応(固定)
ズーム方式は、鏡筒に溝を切ったカムを使用せず、リンク装置による制御で常に焦点のずれを起こさないシステムを採用しています
発表時(1962年)の価格は45000円、大卒の初任給は17130円(国家公務員は15700円)でしたから、2018年現在の価値に換算すると、大卒の平均初任給が206700円であることから、約550000円相当の高価なレンズになります
しかし、1964年に開催された東京オリンピックにみられるような高度成長期ではあったものの、五輪後の経済は縮小傾向にあり、ニッコールテレフォトズームのようなブランド力が無かったこのレンズは市販されることなく幻のレンズとなりました
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