Antique cameras :  国産カメラ年表(1945〜1975)


1 イーストマン・コダック(アメリカ)

■ No3 Folding Pocket

1900年ころに造られた No3 Folding Pocket というカメラです。118フィルム(日本では手札判といわれていた大きさ)を使用しますので、実用機としては向いていません。アンティークな雰囲気が好きな方は書棚に飾っておくのもいいでしょう。
■ VEST POCKET

ベストのポケットに入る大きさの携帯カメラで1912年に発売されました。その名はベストポケットコダック。127フィルムを使用するので、現在では出番が期待できません。折り畳んだ時のコンパクトさは、現在のカメラでは味わうことのできない快適さがあります。
■ MEDALIST U

1947年製のコダックメダリストU型です。620フィルムを使用するので、フィルムの巻き換え作業が必要になりますが。この手の6X9サイズのカメラとしては、とてもコンパクトにできています。しかも軍用にも耐えうるしっかりした造りになっています。


2 ボルシー(アメリカ)

■ BOLSEY JUBILEE

ボルシーの設計者はユダヤ系スイス人のジャック・ボルスキーで、ボレックスやアルパの初期型を設計した人です。距離計部分には初期型アルパの姿を見ることができます。 ジュビリーはB型・C型より高級なレンズであるシュタインハイル45mmF2.8が装備されています。オートシンクロ機構もついた上級機です。
■ BOLSEY mod.B2

カメラの形がおむすびみたいでちっちゃくてとても可愛いB2型は1950年代に女性から軍人まで広く使われた機種です。レンズはウォーレンサック44mm F3.2となります。専用皮ケースはクリーム色のハンドバッグのようで女性好みです。
■ BOLSEY mod.C

ボルシーC型は、35ミリサイズカメラとしては珍しい距離計を備えたTLR(二眼レフカメラ)となっています。レンズはB型同様にウォーレンサック44mm F3.2となります。形だけでなく操作を楽しむにはもってこいのカメラです。


3 ピニオン(スイス)

■ ALPA ALNEA mod.5

アルパ・アルネア5型は1952〜1956年に2201台つくられたハンドメイドカメラです。ピニオン社は元々精密機器の歯車などを造っていた会社なので、その機械的な精密さは群を抜いています。その反面日本国内でメンテナンスをしてくれるところは大変少ないです。
■ ALPA REFLEX mod.9d

アルパ・レフレックス9d型は1964〜1969に5056台つくられました。世界的にも早い時期にTTL測光を採用し、アイピースからの入射光を減算するといった精度の高い露出計を備えています。アルパの中で最も完成度が高いカメラです。
■ ALPA 10d

アルパ10d型は1968年〜1976年に3992台(黒塗りは912台)つくられました。アルパの魅力はカメラ自体よりレンズのラインナップにあり、ヨーロッパ各社の素晴らしいレンズを楽しむことができるところにあります。


4 CMFベンチーニ(イタリア)

■ KOROLL"S"

コロールSは120フィルムを使用するアルミ製のカメラで1952年につくられました。レンズは80mm F11、シャッター速度は約1/30秒です。いつかはこのカメラを手にイタリアを旅してみたいものです。
■ RELEX

リレックスは127フィルムを使用するアルミ製のカメラです。コロールSとリレックスは使用するフィルムのサイズが違っていて、外観がそっくりなカメラです。あまり例がないと思います。
■ KOROLL 35

コロール35は1958年につくられたアルミ製のカメラです。レンズはACROMATICO 55mmF8 シャッターは B , 1/50 , 1/100 絞りは 8 , 16 といったシンプルな構造です。アクセサリーシュー・シンクロ接点も付いています。 シャッターボタンとレンズの位置関係は3台とも同じ感じになってます。基本的な構造は同じようです。


5 プラウベルマキナ・エキザクタ・プラクチナ(旧西ドイツ・旧東ドイツ)

■ Plaubel Makina

マキナは1911年にステレオカメラをつくったのに始まります。写真のカメラは1924年にアンチコマーという10cmF2.9のテッサータイプレンズを装備したカメラです。当時このレンズは描写能力が至極優秀であると評価されていました。
■ EXAKTA VX2A

エキザクタ・バレックス2A型でツァイスビオター58mmF2付きです。このカメラの特徴はフィルム巻き上げレバー等の操作部分が左側にあることです。ボディにはフィルムカッターが内蔵されています。まだフィルムが貴重だった時代です。
■ Praktina 2A

プラクチナ2A型(1957〜1962年ころ旧東ドイツ)です。かなり優れたシステムであったにもかかわらず、ライカ、コンタックスの陰に隠れて陽の目を見なかった可哀想なカメラです。


6 組立式暗箱(日本)

■ HOPE + FUJINAR 21cm

19世紀中期はフランス製・英国製のカメラが世界の需要を満たしていましたが、その後ドイツをはじめヨーロッパ全体が国内外を相手にカメラを製造するようになりました。
アルマン・ド・セギエによる蛇腹の発明により19世紀後期になるとダゲレオタイプの箱形カメラから蛇腹による焦点調節を行うカメラへとカメラの形態が変化していきました。
写真のカメラは戦後日本でつくられたカメラです。シャッターはレンズの前に装着して使いますが、フィルムが今日のように高感度でなかった初期の頃はレンズ蓋の開閉により露出をしていました。


7 フラッシュガン(発光器)




TOPCON 35S
現在のカメラは、シャッター動作とストロボの発光にタイムラグがない製品が一般化しているため、「X接点」と呼ばれるシンクロ同調の接点を備えています。 しかし、昔のストロボ装置はシャッター動作とストロボ発光に時間のズレがあったため、「FP接点」、「M接点」と呼ばれるシンクロ同調接点を備えていました。 「FP接点」とは、フォーカルプレーンシャッター専用のシンクロ接点で、FP級のフラッシュバルブ(閃光電球)の発光剤が一気に燃えないようにしてあり約30〜40ミリセコンド発光が持続し、フォーカルプレーンシャッター全速に同調する接点です。 「M接点」とは、閃光電球のスイッチオンから発光までの時間が、約20ミリセコンドかかるM級のフラッシュバルブを使うので、このタイムラグを調整した上で、同調するように電気回路を構成した接点です。主にレンズシャッターに付いていました。


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