6月に入りもうすぐ梅雨入り、梅雨が明けると暑い夏が訪れます。
猛暑の中での練習は、指導者にとって神経を使う季節です。
子供達が熱中症にならないように練習メニューを作り、子供たちの体調に
いつも以上に気を配らなければなりません。
と言う事で今回のテーマは「熱中症」についてです。
本を読んだり、HPで調べた事をまとめてみました、参考になればと思います。
一昔前?、私たちの中学や高校時代のクラブ活動では練習中の水分補給は
禁止されていました。
その理由としては「水を飲むとばてる」からと言うものだったように記憶しています。
確かに現在のように「スポーツドリンク」のなかった時代ですから仕方なかったとも
思いますが、現在では熱中症を防ぐためにも練習中の水分補給は必要条件の
一つとなっています。
熱中症は大きく分けて3つに分類されます、
@血管が拡張し、血圧が低下する熱失神。
A大量の汗をかいて脱水症状を起こす熱疲労。
B体温が上昇し、調節が効かなくなる熱射病です。
この熱中症を予防するためにも、特に気温が25℃、湿度が50%を超えた時の練習には
必ず水分補給が必要です。
水分補給をしないと体の中に熱が蓄積し、体温が43℃を超えると体内のタンパク質が
固まり始め最悪の場合死に至ります。
そのような事の無いように、適切な量を早め早めに補給する必要が有るのです。
それではどのような物をどのようなタイミングで補給すれば良いでしょうか。
まず水ですが、確かに飲まないより飲んだほうが良いと思いますが、十分とはいえません。
汗が蒸発するときに、ナトリウムイオンなど他の体内成分が一緒に対外へ排出されます。
このとき、単純に水だけを補給すると、体内のナトリウムイオン濃度が下がりすぎるのを防ぐため、
脳から「喉の渇き」を抑える信号が出ます。そのため水だけを沢山飲むことができなくなります。
そこで、ポカリスエットやアクエリアスなどの、いわゆるスポーツ飲料が登場します。
スポーツ飲料は失われた水分とイオン成分を同時に補給できるので熱中症予防には有効な
飲料水となります。
大人の場合、市販されているものをそのまま使用することがよいでしょう。
しかし、子供の場合は多少の工夫が必要になるようです。
工夫しなければならない理由としては大抵のスポーツドリンクは子供に対しては糖質が
多すぎる所です。
糖質は大量に摂取すると飲んでも直ぐに喉が渇いてしまいますし、子供は、短時間で
飲んでしまうことがあるからです。
また、糖質を多量に摂取するとそのリバウンドで一気に低血糖症を起こす場合があります。
そこで一工夫と成ります、市販のスボーツドリンクを水で2〜3倍に薄めます。
薄めることで飲みやすく、糖質の面からもお勧めです。
薄め具合ですが、運動していない時に『あまり甘くない』と思う位が良いと思います。
薄める事で、味が悪くなるイメージを持つ方もいらっしゃいますが、
意外にサッパリとしていて飲みやすくなるので、ぜひ一度お試し下さい。
科学的な面から見ても、2倍位に薄めると身体への吸収率もさらに良くなるそうです。
また、お茶や冷水は、さっぱりとするので飲みやすいのですが、スポーツドリンクとは逆に
エネルギーやミネラル等が少な過ぎるため夏場の練習には適さないようです。
次に飲み物の温度ですが、冷たい方が身体への吸収も精神的にも良いようです。
ある研究では約10℃の状態が一番良いと言う結果があります。
冷たい物を飲むとお腹をこわすと思われた方もいると思いますが、それは一度に沢山
飲むからです。
ノドが乾いてから大量の水分を取ると、身体が疲れやすくなったり、だるさやむくみが起き
お腹をこわす場合があります。
そこでこまめな水分補給が重要となります。
特に子供の場合は指導者が注意深く観察し水分補給に対する指導をすることが熱中症を
防ぐ対策になるのではないでしょうか。
また、重要なのが湿度です、同じ気温でも、多湿の場合、体温調節をする発汗作用が低下します。
汗が出ないと体内に熱が蓄積され熱射病に成ります。
この場合、大抵は寒気を訴えますので暖かい所で休ませたくなりますが、
それが逆効果になる場合があります。
練習を中止させ風通しの良い日陰で休ませ、落ち着いた時点で病院へ行きましょう。
指導者としては救急車を呼ぶことも頭の中に入れて置くことも必要でしょう。
いずれにしても熱中症にならない様に事前に準備することが重要です。