珍動物の館

2002年4月 バンフ日記

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2002年05月04日(土) 8日目(撤収) バンフ→名古屋

とうとう楽しかったバンフでの生活も終わってしまった(ふぅ)。朝迎えにきたフェロートラベルの
バンに乗りこむとカルガリー空港に向かって出発する。疲れきっていたのですぐに寝てしまった
が、広大な平原の一本道を数時間も走るとカルガリー空港に到着する。

カルガリー空港は小さな空港でたいした売店はないが、いつも買っているものがある。それは
POWDERという名のスキー雑誌である。日本でもたまに売っているらしいが一度も見たことは
ない。POWDERとはその名の通りパウダーに関係のある記事ばかりを特集しているジャンキ
ーな方の雑誌である。帰りの飛行機ではこれを眺めながら(英語なので読めない)帰るのだ。

お土産はカルガリー空港よりもバンクーバー空港の方が圧倒的に店も多いし品揃えも豊富
だ。しかも日本語が達者な店も多く買い物ではほとんど困った記憶がない。

小さな事だが未だ記憶に残っていることがある。ある女性がレジに並んでいた。その女性は両
手一杯に「サーモンの水煮」を抱えていた。その「サーモンの水煮」はそれは美味そうなスモー
クサーモンの写真が貼り付けてあるが、中を開けるとどろどろになったサーモンの水煮が出て
くるおよそフェアとは思えない商品なのである。

以前我々もウィスラーに行った時見事に騙され、大量に配ったあの水煮が未だ実家の台所に
ある。我々はそれを見るたびに世の中の厳しさを教えられるのであった。

そして・・・そんな水煮を大量に抱えた女性が目の前にいる。もしかすると俺達と同じようにスモ
ークサーモンと勘違いしているのかも知れない。だが・・・外国の空港で初対面の女性にそれス
モークサーモンじゃないですよと話かけるのも不自然。せめてきっと美味しい食べ方があるに
違いないと思い込もうとするが・・・・やっぱり絶対に間違っても思えない。と言うことで、あの時
のおねーさんごめんなさい。やっぱり親戚友人に配ったんだろうなあ・・・南無〜。

2002年05月05日 名古屋空港到着 バンフ日記 これにて終了。

ウィスラー/ブラッコム・・・CMHバガブース・・・そしてレイクルイーズとサンシャインビレッジ。ま
た楽しい思いでが一つ増えた。次はどこに行こうかなぁ?




2002年05月03日(金) 7日目(スキー最終日) サンシャインビレッジ

朝起きると外は一面雪野原であった。「来た来た来たぁぁ!!」思わず顔がほころぶ。朝食の
コーヒーカップを持つ手も震える。最終日に天からの贈り物である。ガイドさんが「もし雪が降っ
たらサンシャインがお勧めです」と言っていた。迷わずサンシャイン行きのバスに乗りこむ。

サンシャインに着いても雪が止まない。積雪はちょうどブーツのくるぶしあたりであるが、今は
もう5月、「来て良かった」と思える瞬間である。サンシャインはもう3日目なのでコースはだいた
い把握している。相変わらずゲレンデは空いていて、どこもかしこもノートラックなのである。し
かも新雪だと騒いでいる人は誰もいない。きっとこの程度の雪は当たり前なのであろう。

ここカナダではクローズしているコース以外は全てOwnriskで滑ることができる。そりゃどこかの
オフピステのような胸までパウダーはないけれど、足までパウダーでも十分に楽しむことができ
る。それが素人スキーヤーの特典である。

ちなみにビデオクリップに出てくる雪が舞いあがるシーンはほぼ全てがこの7日目のサンシャイ
ンビレッジである。最終日に美味しい思いが出来てとてもラッキーであった♪

今日は16時前に上がり売店でお土産を探す事にする。サンシャインの場合はベースエリアよ
りセンターハウス(ゴンドラ降り場)の方が売店が大きく品揃えも多い。逆にレイクルイーズはベ
ースにあるログハウスの方が品揃えが豊富であった。

売っていたものを思い出すと・・・ヘルメット・板・ストック・ゴーグル・ウェアー・Tシャツ・トレーナ
ー・フリース・手袋・キーロック・ビーコン・帽子・シール類・ワッペン・財布・写真集・ポストカード・
キーホルダー・その他いろいろ。だいたい日本の売店と同じ様な品揃えだが、大きく違うのは
日本であれほど大量に売られている食品系のお土産がまったくなかった事。そして売店にビー
コンが売ってあった事。なぜ菓子類が売っていないのかは未だ謎である。

ここで珍道中を一つ。りこっちがサングラスを買ってきた。得意顔でサングラスをして見せる。
何かおかしい・・・サングラスが妙に傾いている。あれ?そのサングラス片方の鼻あてがない
ぞ! りこっち「ひえーどうしよう?」大騒ぎで売店に走っていった。 「ブロークン・ブロークン・
チェンジプリーズ」で交換してもらったらしい。買うときに気がつけよなぁ。それも今となっては楽
しい思い出である。




Front Side

Larch Area

elk

2002年05月02日(木) 6日目 レイクルイーズ

さて今日は天気も良いので景色の綺麗なレイクルイーズだ。相変わらず我々の他には誰もい
ない。夜間はすっかり冷え込んで雪も降った。滑ったシュプールがそのまま固まっているので、
決して滑りやすくはないが、それでもノートラックの斜面に自分のシュプールをつけるのは気持
ちが良い、最高だ。(不思議とビデオには苦労が写らない)。

ラーチエリアに移動すると雪質はぐっと良くなり、りこっちごきげん。今日は4時半のバスまでし
っかりと滑る。帰りのバスではすっかり疲れて熟睡していた。ホテルに戻るとシャワーを浴びて
から夕食を食べにバンフへ出発。

今日は米が食いたかったので「ソウルレストラン」という焼肉屋に行く。石焼ビビンバと肉を何
種類か頼む。けっこう、うまい。店員は韓国人らしく「カムサハスミダ(ありがとう)」というと、にっ
こり笑って「チョンマネヨ(どういたしまして)」と返してくれた。

腹も膨れたところでお土産でも見ようかとバンフ通りに出ると偶然地下にネットカフェがあるの
を発見。店員に日本語フォントのパソコンがあるかと聞くと(もちろん手振りで)、数台が対応し
ていたので、さっそく「珍動物の館」の掲示板に書き込みを残す。

5月のバンフは遅くまで明るい。だいたい暗くなるのが21時を過ぎてからだ。食事が終わって
も外はまだまだ明るい。と言うことで買い物は続く。バンフには日本人が多そうだ、日本人の店
員も多い。せっかく外国気分を味わっているところに、いかがですかと話しかけられるとちょっ
と現実に引き戻される。

帰りにはいつものスーパーで朝食を買いそろえる。ヨーグルト1カップ40円、コーラ2リットル1
10円、肉・野菜・・・どれもが驚くほど安い。3日分をまとめて買うと朝食は1回300円もかから
ない。スーパーからホテルまでは15分程なので、買い物袋を持ってテクテクと帰る。

ホテルへの帰り道ではエルクを3回程見る事ができた。見た目ちょっと大きなシカだが、かわ
いいからと近づいてはならない。彼らは野生で生きているリアルな動物だからである。都会育
ちの我々は往々にして彼らが発する警告信号を捕らえることができない。そして毎年事故が起
こる。彼らにとっては食うか食われるかなのである(きっと)。

明日が最後だというのにホテルの中を一度も探検していない事を思い出す。一休みすると今
度はホテルを1階から9階?までくまなく探検する。別館もある。庭もある。遊歩道もある。逆サ
イドの部屋からはボー川が一望でき俺らの部屋より景色が50倍もよいことがわかる。まあい
いさ。しばし踊り場からカナダの美しい景色を堪能したあとは部屋に戻って眠るだけ。

今日もへろへろ、ヘビーな一日だったぁ。



2002年05月01日(水) 5日目 サンシャイン


Freefall

Delirum Dive

The Saddle

今日からガイドさんがついていない為、二人でゲレンデの中を滑ることにする。いつものように
ホテルからバスに乗ると30分ほどでサンシャインの駐車場に到着する。駐車場は小さくここの
混雑状況を表しているような気がする。うらやましい環境だ。

今日はリフトチケットの話をしたい。リフトチケットは6日券を買ったが、これが安っぽい紙切れ
で注意をしていないとすぐに無くしそうだ。各チケットにはバーコードの書いた半券がついてあ
って、もしなくしてもこの半券があれば1回だけ再発行してもらえるらしい。半券は財布の中に
でもしまっておこう。チケットのチェックはゴンドラ乗り場で行われ、基本的にスキー場内はノー
チェックである。

ここサンシャインはレイクルイーズよりはゲストが多かったが、それでも平日の志賀よりは空い
ている。今日はちょっと中急斜面がそろっているゴーツアイを中心に滑ることにする。リフトは
待ちもなく快適である。バンフエリアのリフトはどれもクッションが厚くアメ車のようにふかふか
である。真冬にはー30℃まで下がることも珍しくないこのエリアではアメ車シートは必需品なの
であろう。

ところで夫婦で滑る場合足前がそろっていないともめる原因になりやすい。それほど面白いコ
ースが豊富なのである。いかに嫁さんのレベルを上げておくか、これがだんなの満足度を左右
すると言っても良い。「論議を醸しかねないこの話題」別途だんなの会にて打ち合わせを持ち
たいと思う(Toあが氏)。

さて昼食はセンターにあるレストハウスでとることができる。基本的にパン・肉・野菜・スープし
かないので、日本人には飽きてくるかもしれない。まあ、1週間ぐらいならそれでもがまんできる
し、バンフに戻れば焼肉屋も寿司屋もそろっている。我々は毎日ピザとジャンボコーラを食べ
ていた。合計で$8ぐらいである。こと食事に関してはレイクルイーズの方が良さそうである。

コースはオープンあり林間ありこぶありで、イメージは崖のある大きな八方という感じである。
八方はどこを滑っても大丈夫そうであるが、ここには明らかにやばそうな斜面がごろごろしてい
る。

ガイドさんが「もう少し雪が良ければお連れするんですが」と言っていたのを思い出した。そして
「去年も何人か雪崩にまかれて死んでいるんですよねぇ。」と言われ、さらに聞いてもいないの
に発見された状況まで詳しく説明された。くぎを挿されたか?そんなところに行くように見えた
か?それは思い違いというものである。我々は臆病な小動物なのである。



2002年04月30日(火) 4日目 レイクルイーズ


Larch Area

Surprise Corner

Bumpers

今日はガイド付きスキーの最終日である。朝から天気が良く見晴らしもすばらしい。ガイドさん
の提案でラーチエリアに移動してリフト降り場からハイクアップをすることになった。りこっちは
ハイクアップ初体験で「ひーひー」といったうめき声が聞こえてくる。笑いをこらえながら15分も
登ると雪がふかふかになってきた。

この時期の雪質は変化に富んでおり、少し登るだけでぐっと良くなるかわりに斜面の向きや風
向き標高などによって地獄のクラストへと姿を変える。それを忘れて気持ち良く滑っていると突
然のクラストに頭から前転をすることになる。雪山には絶対転倒が許されない斜面があるが、
そういった場所には近寄らないようにしている。スリルとリスクは引き換えなのである。

午前中のハイクアップでりこっちはすっかりお疲れモード。残りはまだ3日間もあるので、今日
は無理をせず14時で撤収する事にする。ホテルに戻って一眠りすると16時、外はまだ明る
い。散歩がてらに観光をする事にした。目的地は「サプライズコーナー」とステーキハウス「バン
パース」である。

サプライズコーナーはバンフスプリングスホテルがお城のように見える場所であり、よくあるバ
ンフスプリングスホテルの写真はたいていここからの撮影である。ホテルから歩いても3km程
度なのでのんびりと歩いても1時間程度で到着する。残念ながら空は曇っておりベストショット
は撮れなかったが、それなりの写真をゲットした。

そろそろお腹も減ってきた。バンフの名物はアルバータ牛のステーキだ。サプライズコーナー
からバンパースへはのんびり歩いても1時間ちょっいであり、お腹を減らすには丁度良い。今
回は閑散期だったので予約なしでOKであった。りこっちはレディースセットおいらはスペシャル
セットを注文。出てきた肉は巨大で油っぽく見えるが、その姿からは想像もできない程さっぱり
している。

さすがに帰りはお腹が一杯で眠くなり、ハッピーバスを利用することにした(ハッピーバスとは
街中を巡回しているバスの名前で、端はバンフスプリングスホテル、もう一方はここバンパース
となっている。ちなみにいくら乗っても1ドルである)。バスはホテル前に到着するのだが、余り
の疲労に斜めに傾きながら部屋に戻った。もう今日もばたんきゅーな一日であった。



2002年04月29日(月) 3日目 レイクルイーズ


Front Side

Back Bowls

Larch Area

今日はレイクルイーズだ。ここもでかい。あまりのでかさにゲレンデマップは3ヶ所にわかれて
説明されている。まずフロントエリア。ここは日本のスキー場の様にコース分けがされていて、
八方のような雰囲気である。

違うのは目の前に3000mクラスの山々がそびえ、ビクトリア氷河やレイクルイーズといった宝
石のような景色が並んでいることにある。ただスキー場からだとレイクルイーズは消しゴムほど
の大きさである。大きな湖が目の前に広がるパンフレットに騙されてはいけない。それは相当
な望遠レンズで引き寄せた風景であり肉眼で見れるそれとは違う。ただそれを差し引いてもこ
こは十分に美しい。美しいカナダのイメージがここで見られる。

そしてフロントエリアの裏側にはバックボールと呼ばれる整地されていない斜面が広がる。崖
のような急斜面やハードな林間、気が遠くなるほどに長いコブなどはこちらで滑ることができ
る。もっとも今回のクラストした斜面では我々の手に負えず、このエリアはほとんど滑ることが
出来なかったため役に立つような感想はないのである。

そしてさらにその奥にはラーチと呼ばれるエリアがある。ラーチの上部はハイクアップエリアと
して開放されパウダー8と呼ばれるコンテストの決勝エリアへと続いている。見た目では1時間
から3時間ほどハイクアップすれば到達できそうであるが30分も登らなかった我々では詳しい
事はわからない。

ラーチエリアはリフトを降りて少しトラバースした場所に岩石コース(かってに命名)がある。ここ
はカナダで一番ユニークなコースと呼ばれているらしく、大きな岩がごろごろしている中を縫う
ように滑ることが出来る。今回の旅でりこっち一押しのコースである。

今回は日本で言うGW中に滞在したのであるが、ビデオクリップや写真でもわかるように、それ
はもうプライベートゲレンデと呼べるほどに空いている。これで経営が成り立つのかといらぬ心
配をしてしまった程である。雪質はちょっと登ればパウダーも滑れ、ゲレンデの中は志賀の3
月中旬といった感じであった。日本のゲレンデではもう雪が溶けてしまっている事を考えれば、
ここまで来た甲斐があるっていうものである。



2002年04月28日(日) 2日目 サンシャインビレッジ


Lookout Mountain

Goat'sEye Moutain

Goat'sEye Moutain

今回はフェローの個人手配旅行である。したがって参加人数は全員で二人である。スキー場
への移動も観光も食事も二人っきりである。フェローも「基本的には自分達でやってね、もちろ
ん困った事があれば対応するよ」といったのりである。

カナダは3回目だが未だ日常会話も出来ない我々には全てが冒険である(それが楽しいのだ
が)。バスに乗る、スキーを借りる、外人に話しかけられる、食事をする、買い物をする・・・全て
がドキドキで新鮮である。きっと子供の頃はこんな気分で毎日を過ごしていたに違いない。

ところで今回はスキーガイドが3日間(半日)ついている。もちろんせっかくついているのだから
お願いした。しかも「せっかくガイドをつけるのだからガイドがいないと滑れないところに連れて
いってくれ」とまで言ってしまった。今思えば大胆な発言であった。

ホテル前からサンシャイン行きのバスに乗り込むと6人ぐらいの乗客を乗せてバスは出発。こ
ちらでは春スキーは人気がなさそうである。サンシャインに到着するとガイドと合流。やたらとカ
ラフルなゴンドラに乗りこむ。

15分〜20分ほどでゲレンデに到着。このゴンドラは上に登るというよりも横に移動するという
ものである。したがってゴンドラを20分も乗ったのに、そこからまたリフトに乗る事になる。アバ
ウトな説明をするとゴンドラでスキー場まで移動して、そこから二つの大きな山をリフトを使って
滑るといったイメージである。

以前ウィスラーブラッコムで滑った時には感じなかったが、ここはスキー場全体が見渡せるの
でその大きさがダイレクトに伝わってくる。とにかくでかい。びっくりするほどでかい。スイス・イタ
リアはもっとでかいらしい。楽しみは先にとってある。



2002年04月27日(土) 移動日

1日目 今回は初めてのバンフエリアである。アメリカテロの影響でやたら荷物検査が大変だ。
カルガリーでの検査は半端ではなかった。

「これ何?」 「これはデジタルカメラです」「スイッチ入れて」「はい」
「これ何?」 「これはソニーのMDです」「スイッチ入れて」「はい」
「これ何?」 「これはスチールカメラです」「スイッチ入れて」「はい」
「これ何?」 「これは電卓です」「スイッチ入れて」「はい」
「これ何?」 「これは電訳機です」「スイッチ入れて」「はい」
「これ何?」 「これはデジタルカメラ2号機です」「スイッチ入れて」「・・・」
「これ何?」 「これはデジタルカメラのメモリーカードだ」「ふーん」「・・・」
「これ何?」 「これはデジタルカメラの電池だ」「ふーん」「・・・イライライ・・・」

その間ほぼ無検査で通過した「りこっち」はこっちを見ながらにやにやしている。
私「はいはい、どうせ私は国際的に人相が悪いですよ」