珍動物の館

DAY6

06:30 備え付けの目覚ましで目を覚ます。

そしてドキドキしながらカーテンを開けてみる・・・だめだ濃いガスで山が見えない。
今日も焼きたてのワッフルにたっぷりのメイプルシロップをかける。



12:00 長いウェイティングの後に集合がかかった。ロードラン決定である。



もう3日も滑っていないのでバンに乗込むとみんなハイテンション。懐かしいヘビメタ(メタリカ)
がかかりヘッドバンキングでノリノリだ。やっと滑れるぜ!イエーイってな感じである。

リチャードソンハイウェイの小さなパーキングにバンが止まった。

もう3日も雪が降り続いているんだ。さぞやバフバフだろうとバンから降りると・・・。
・・・目の前には風で叩かれたガラスのようなクラスト斜面が・・・また修行か。



まずはガイドの指示に従いトラバースを始めた。
ところが50mも滑らないで昨日同じチームだったニューヨーカーがすっころんだ。

しばらく様子を見ていたが起きてこない。そばによって「Are You Ok ?」って聞くと「No」って返事
が。そして「ひざをやっちまった、痛てててて板を外してくれ」と言う。

え〜もう怪我したの?マジで?

うめき声をあげるので怖くて力をいれれない。
恐る恐る板を外しているとガイドが飛んできて応急処置が始まった。

スキーパンツをめくるとひざが外れてる・・・あきらかに脱臼だ。

こういう時はRICE(REST/ICE/COMPRESSION/ELEVATION)だ。昼飯が入っているビニール
袋に雪を詰めてひざのまわりに固定してあげる。俺ができるのはここまで。

彼はValdezにきてまだ二日目だ。昨日は訓練だけだったのでまだ一度もヘリには乗っていな
い。というよりまだ一本も滑っていない。きっと無念に違いない。しきりに「なんでこんなことに」
とつぶやいていた。

いやいや、よくわかるよその気持ち。俺も忘れもしない20連休の2日目にひざがあっちむいて
運ばれた経験があるよん。ドンマイ・ドンマイ。


しばらくして撤収の指示が・・・まあガイドがいないんじゃしょうがないよね。そしてそのまま病院
に直行。行きはヘビメタをかけてノリノリだったのに・・・帰りは葬式のように静かだ。

バルディーズの病院は人口に対してすごく大きい。まあエクストリームスポーツの街だからいっ
ぱい運ばれてくるんだろうな〜。ということでグーグルの航空写真。



アメリカは医療費が高い。だから保険が重要だ。話では入院すると毎日100万近くかかるそう
な。まあアメリカ人だからその辺の心配はないが、どうやって帰るんだろう?それは心配。

で・・・結局は今日も滑れなかった。これでもう三日目だ。

でも覚悟はしている。エクストリームのビデオ撮影で1Weekも2Weekもヘリが飛ばずに天候待
ちなんて話は何度となく聞いているし、実際僕らの前の週に参加した連中は一度も滑れないで
帰っていったと聞いている。

そんな連中に比べれば3日間も滑れた。しかも2日間はパウダーだった。3日目なんかこの一
日で来た甲斐があったなんて思ったりもした。でも人間は欲深き生き物。もっと滑りたい、もっ
と滑ってアラスカを感じてみたい、そんな気持ちがどんどん沸いてくる。

それなのに今日は最後の夜だ。早いよ、早すぎるよ!

傷心の僕らをディーンの飼っているアラスカン・マラミュートが出迎えてくれた。で、でかっ!


夜はロッジのレストランでまだ一度も食べていないオヒョウを食う事にした。オヒョウって知って
いるだろうか?別名おばけヒラメで大きなものは全長2mにもなるヒラメらしい。

料理がでてくるまで45分、そして出てきたオヒョウは味がない、会計のおばちゃんは電卓を使
っても計算ができない。なんてアバウトな国なんだ。でも不思議と腹は立たない。だってここは
アラスカだもの。細かい事は気にするな。でも・・・醤油はもってくりゃよかったな!

最後の夜は全員がPCを持ち合い撮り貯めた画像を交換。
俺のファイルはVideoが多いので5GB・・・移すのはあきらめて後で送る事にした。



AKにパソコン?いやいや、そんな時代です。

Day6 終了

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