珍動物の館

DAY5

アラスカは晴れると何日も晴れるが、一度崩れると何日も崩れたままだ。エクストリームビデオ
でヘリ待ちをするライダーがカレンダーにバツマークを書き続けるシーンはおなじみだ。そして
今日はヘリ待ち二日目。雪は昨日から降り続き山頂もまったく見えない。

 港にはラッコがいる

朝からウェアを着て待機をしていたが昼過ぎにりバンに乗込めとガイドから指示が。こりゃロー
ドランか?ロードランとは山道と山道の間を滑るもので斜度は場所によっては40度を超えると
聞いている。

もう滑れればどこでもいいよと出発したが止まったのは海沿いのパーキング。

車から降りるとガイドが板を持って登ってくれと言う。「え〜大枚払ってアラスカまで来たのにハ
イクかよ〜」と思いながらもまあ滑れるのならばと登りはじめる。



ガイドに「どのぐらい登るんだ?」と聞くと「10分」と答える。「10分?」意味がわからなかった。
そして10分登るとそこにはゴーグルや帽子がわざとらしく落ちている・・・やっと意味がわかっ
た。今日は雪崩学の実技訓練だ。

シチュエーションは・・・BC中に雪崩に巻き込まれたパーティに遭遇。2人が埋没していると救
助要請を受けた。さあ急いで二人を助けてくれということらしい。


訓練では経験の差が・・
遅いよ・・死んでるよ・・・


ここで「フィンランドチーム6人組」と「ジャパン5人+ニューヨーカー1人の6人組み」に分かれ
て訓練となった。ガイドの手にはストップウォッチ。広瀬さんが「やつらには負けられねー。俺が
サーチする」と飛び出す。一人目はあっという間に位置特定、さすがだ。

あわててプローブを組み立て探索。「やつら深くまで埋めやがって!!」。ビーコンの入ったザ
ックを発見するまでスタートから約3分。ここまでは合格。

次に二人目を捜索。ここで手間取る。ビーコンサーチした場所にいくらプローブを刺しても感触
がない。原因は表示されている数値の読み違い。しかも3人が同時に同じ間違いをした。いくら
探してもそこには埋まっていないのだ。誰も埋まっていない雪を刺し続ける。ところが冷静な判
断のジャンキーさんが「こっちだと」と位置を特定。プローブを刺すとビンゴだった。

訓練でも慌てるのだから現場なら・・・。2回の訓練を終えガイドから訓示が。一人目を見つけ
て安心した俺はプローブをしまいかけたがガイドはそれを見逃してはいなかった。斜面にわざ
とらしく散乱していたゴーグルや帽子は埋没者の痕跡だった。利用できなかった。リーダーを決
めても的確な指示を出せなかった。

フィンランドチームには圧勝したが・・・「僕らは本当に二人を救えたのだろうか?もっと早く探
せたのではないか?」と敗北感だけが残った。


夕方ロッジに戻ると木の上に雑誌で見たことのある鳥が。白頭鷲、アメリカの国鳥だった。


アメリカの国鳥
望遠レンズで


夜は疲労を回復するためにレストランへ。コーヒーカップが小さく見えるほど巨大なTボーンス
テーキを食い腹を満たす。そして血糖値も上がり明日こそ晴れてほしいと思う間もなく眠りにつ
くのであった。

DAY5 ヘリ待ち2日目が終了。これで予備日は0となった。


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