お墓の詩
朝日の中にお墓があった
何十本、何百本もの石の柱が、
所狭しと並んでいた
あるものはすくりと立ち、
あるものは年月の重みに傾いだまま
その一本一本の主、
彼等の人生はどんなであっただろうか
彼等は有意義な人生を送ったのだろうか
いや、そんなことは、
私の考えるべきことではない
生きている私、
死んでいる彼等
生きている私は完全な生を目指してあがき、
死んでいる彼等はゆっくりと死を完成する
いつの日にか、
私も又、彼等の仲間となろう
ゆっくりと朽ちていく私
ゆっくりと朽ちていく石柱
やがて全ては土に帰り、
私の名前も、
私の行動も、
誰からも忘れ去られ消え去っても、
私の思いが、
ただ私自身の満足となるなら、
私は幸せである
1987.1.5.