象気功
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象気功


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立ち方6・ヒラメ筋


さて、足を肩幅より少し開いて、足の裏の親指の付け根を中心とした周囲の前足部から中足部に、背骨の最上部の首の付け根を置いて体重をかけるとどうなるかというと、やってみればわかるが、大なり小なり脹脛(ふくらはぎ)にテンションが掛かるわけである。

この場合のテンションは「張り、張力、伸長力」てなことである。

脹脛に体重つまり重力によるテンションが掛かれば、当然、筋肉が引っ張られて活動を始めるわけである。

まあ、活動と言っても、動かないで重力の圧力を受けるだけであるので、筋肉は活動していないよう感じるが、そのためには筋繊維を収縮させて引っ張っていなくてならないのである。

収縮させることが筋肉が働くということであるのであるから、テンションが掛かれば動かなくても筋肉は働いてるわけである。


当たり前である。

これを利用したのがアイソメトリクスであるが、アイソメトリクスはざっくりと通常60%~80%程度の負荷をかけて主に表層筋を鍛える目的であるので、気功的効果はあまり期待できないのである。

「力を入れる」あるいは「ちからが入る」という感覚があると、毛細血管の量が少ない表層筋が優位に働いて、気功効果はなくなるのである。

また、バランスを崩して「おっとっと」なんて感覚も、それを制御しようとして瞬発力のある表層筋が働き始めてしまうのでこれも気功的には効果がないのである。

最良のバランスで立つことが站椿ということである。

無意識の範囲内で深層筋に負荷が掛かるという感覚である。

さらに、ヒントは「表層筋が緩めば深層筋が働き始める」ということである。


だから、いかに表層筋を緩めて深層筋を働かせるかということがすべての気功法の重要な要素のひとつとなるわけである。

このへんのことを大前提として理解しないととんちんかんな方向に向かって、意味の無いことを艱難辛苦でお楽しみになって人生を無駄にしてしまうのである。

さて、足の裏の土踏まずより前の親指の付け根の周囲を中心として小指の付け根までの周囲の前足部から中足部に体重を掛けると働き始める脹脛(ふくらはぎ)の筋肉は下腿三頭筋(かたいさんとうきん)である。

その下腿三頭筋は腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋によって構成されているのである。

腓腹筋は脹脛の外側から分かるもりもりと盛り上がってる表層筋(アウターマッスル)である。

それに対してヒラメ筋はその内側の奥にあって外側からは視認できない、いわゆる深層筋(インナーマッスル)である。

ヒラメ筋は遅筋線維が著しく優位な抗重力筋のひとつで、足関節の底屈を行うという筋肉であるつーことであるが、ここで重要なのが、もちろん「遅筋線維が著しく優位な抗重力筋」というところである。


速筋の割合が多い表層筋に対して、遅筋繊維で構成される深層筋は姿勢制御やバランス等、重力に対して身体を支え調整する筋肉である。

そのため、持久力を必要として常に酸素と栄養素を補給しなければならないので、「毛細血管の量が著しく多い」という特徴があるわけである。

何度も解説しているように、氣は毛細血管の中を血液が通るときの分子原子素粒子単位のぶつかり合いによる振動波動であるわけであるから、毛細血管の量が多ければ氣は発生しやすく、その血流が増加すれば氣の発生量も増加するわけである。

脹脛のヒラメ筋は立っているときは、常にほぼ全身の体重を受ける構造上、大部分が小さい深層筋の中では大きな筋肉である。

つまり、怒涛の氣を生みだす秘訣のひとつはヒラメ筋の活性化にあるわけである。

それで、足の前足部に体重を掛けて立つと、このヒラメ筋が活性化して、ヒラメ筋内の毛細血管の血流量が増加するのである。


これを多くのとんちきなセンセーが言い張るように踵(かかと)体重で腰を落としてしまうと、站椿功において最も重要度の高い深層筋のひとつであるヒラメ筋がお休みしてしまうのでなんのこっちゃになるのである。

また、逆に、大きく踵を上げて爪先立ちになると、下腿三頭筋を構成するもうひとつの筋肉である腓腹筋が働き始めてヒラメ筋がお休みしてしまうのである。

腓腹筋は毛細血管の量が少ない筋肉である速筋の割合が多い表層筋であるので、氣を作るということにおいては効率が非常に悪くなるのである。

だから、親指の付け根を中心として中足部全体に体重を置き、「踵は接地しているが薄紙を一枚挟んでいる」という感覚が必要であるわけである。

立つことにおいて、バランスを崩しそうになったり、力が入るという感覚があったりというような大きな力が掛かると、瞬発力と爆発力のある表層筋が優位となり、深層筋がお休みするのである。

「脹脛(ふくらはぎ)に力が入る」という感覚では、表層筋である腓腹筋が働いているということである。


つま先立ちなどになり大きくバランスを崩して必死で立とうとしている場合は、瞬発力のある表層筋でなければ対応できないのである。

氣を生み出すためには、そのまま継続的に立ち続けることができるようなテンションあるいは圧力が微妙にヒラメ筋にかかるように前足部から中足部に体重を掛けるということが必要である。

継続的に深層筋にテンションをかけて、継続的に血流を促すということである。

さらには最良のバランスで立つと、全身の深層筋がつながり働き始め、血流が増加するのである。

その状態をうまく作れると、深層筋の血流を促すために心臓が活性化し、全身の血流が増加し体温が上がるので、楽に立っているのに全身が熱くなるのである。

站椿功においては、「立ち方」を間違えると、単なる筋トレになって氣は生み出せないということになるのである。

もちろん、筋トレを否定しているということではないのである。

遅筋も速筋も人体には重要な筋肉であるので、強いに越したことはないが、氣を生み出すということに限定すると、いかに深層筋を活性化するかということが重要となるのである。

さてさて、次回はいったいどこに切り込み食いつくのか、これ以上さらに秘密秘伝秘儀奥義があるのかないのか、期待は期待を呼んで神のお告げの口から出まかせ嘘八百の口舌滑舌も絶好調に、ほなさいならー。

オチはねーのかよ。

続く。

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