象気功


五禽戯



五禽戯・虎戯




五禽戯のうちの最初に行われる虎戯である。

虎で戯れると書いて虎戯である。


戯れるはたわむれると読むのである。

しかし、この場合は、じゃれる、ふざける、てな意味合いではなく、演ずる、振る舞う、てな意味合いである。

それで、まあ、とにもかくにも虎になりきって、虎のようになりたいわけである。

虎のイメージと言えば、獰猛あるいは勇猛果敢つーことであるが、そーなるにはどのようにするかということがこの虎戯の効果であるわけである。

それで、まず、動画の冒頭で解説してるように、手の指の形を本戯手形の「虎爪」てなことで作るわけである。

これは日本の古武道でも「虎ひしぎ」てな形で伝承されているのである。

虎ひしぎの形は虎爪と多少の違いがあるのであるが、目的効果は同様であるので、大同小異とゆーことでいっしょくたにするのである。


もちろん、絶対に違うという方に異論を唱える気はもうとうございませんので、お好きな様にということで、なんら異存はございません。

まあ、とにかく、この形を作ると、横隔膜が下がって丹田が締るのである。

意識を持たなくても丹田に氣が集中するのである。

もっと言うと、丹田意識を持たなくても、虎爪あるいは虎ひしぎの形をつくると、勝手に丹田意識になるわけである。

つまり、いわゆる腹が据わるということである。

腹が座れば当然、恐怖心や畏怖心てな後ろ向きの精神状態が抑えられて、物事に積極的に対応対処する精神状態を作ることができるわけである。


まあ、たとえば武士は、いつでも戦場に出て、命tのやりとりができる精神状態でなければならないわけである。

そのときに怯えたり逃げ出したりしていては、武士としてのお仕事が成り立たないわけである。

また、殿様の不興を買っていきなり「切腹せよ」なんてことを言われたりした時に、「怖い~、やだよ~、痛いの嫌いだよ~」なんて泣いたり騒いだりしてると、一族の恥になって、武士としての面目が立たなくなるのである。

そのための度胸をつけるためにはどーするかとゆーことで、武家の立ち居振る舞いの作法が出来上がったわけである。

たとえば、立位や座位での正式な作法通りのお辞儀の形をすると、自然に丹田が締まり、そこに氣が集まるようにできているのである。


手の置き方、背筋の状態、お辞儀の際の頭の角度なんかも丹田に氣を集めるためのメソッドである。

恐怖というのは氣が上がることであり、肚が座るというのは氣が下がることであると、大昔のおっさんが気がついて、そのためのカリキュラムをいろいろ考案してきたわけである。

虎ひしぎもその一つであり、本来は大陸渡来の方法が伝承されたという可能性もあるわけである。

大陸発祥の虎戯における虎爪も虎ひしぎ同様に、丹田周囲に氣を集める方法の一つである。。

この虎爪のコツは、人指指・中指・薬指は手首の方に握り寄せ、小指と親指の指先をお互いに近づけようとするところにあるのである。

これは、近づけようとするのであって、くっ付けるわけではないのである


まあ、身体ができてる方はやってみればすぐわかると思うが、この形を作るとぐぐっと丹田が締るのである。

そのようにすると横隔膜が下がり、大腰筋の周囲にテンションがかかり、当然、氣が集まるわけである。

このような手の指の形と臓器の関連について気がついた大昔の皆さんの慧眼に驚くわけであるが、ムドラーあるいは手印てなものも、そんなところから発祥しているわけである。

それで、これで完璧な肚あるいは丹田を作ることができるかとゆーと、そんなことはなくて、あくまで、そのための一助であるということを理解しなくはならないのである。

しかし、これを継続することにより、肚に氣を集中するという癖ができるわけである。


さらに、その虎爪を中心として行われる虎戯の一連の動作は、肚つまり臍下丹田を中心として、そこに氣を集める効果があるのである。

当然、小腸を中心とした周囲の臓器が活性化し、血行が促進され、健康増進に効果があるわけである。

さらには大腰筋にテンションがかかり、下半身が強靭になるので、立ち居振る舞い動作動きが楽に行えるという効果もあるのである。

虎戯は健康増進と精神安定、さらには下半身の運動機能強化という効果が得られるという、実に巧緻を極めた功法であるわけである。

さすがに天才気功家象師匠の面目躍如独壇場のみごとな解説で、次回も五禽戯の謎になぞなぞしちゃうのである。

続く。

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