象気功
気功の穴
象気功


站樁功
タントウコウ



手3・站樁功における手の役割


さて、とにもかくにも、站椿功の正しい立ち方により、表層筋を緩めて、表層筋に比較して著しく毛細血管の多い深層筋にテンションをかけ刺激を与えて血流を促し氣を生み出すわけである。

しかし、これは深層筋にテンションを掛け、刺激を与えて血流を促し、それにより氣を生み出すのが目的であって、深層筋を「鍛える」ことが目的ではないのである。

だから、表層筋に限らず深層筋についても、筋力トレーニングと考えてはいけないわけであるが。

氣を作り出し生み出すためには、あくまても緩めることリラックスすること、つまり放鬆が重要であるのである。

放鬆とは弛緩である。

膝を適度に緩め、放鬆弛緩した状態で、首の付け根を足の親指付け根周辺を中心として小指の付け根までの前足部から中足部に乗せて正しくたつと全身の深層筋がつながり氣を生み出すわけである。

まちがっても、とんちきなセンセーがのたまうような、踵を浮かせた前傾姿勢や爪先立ちになるなどのマヌケな形になってはいけないのである。


踵は床に着けて、接地点との間に薄紙を一枚挟むという感覚で立つのである。

これは八段錦や五禽戯や太極気功や太極拳などの他の気功法においても重要なことである。

爪先立ちで氣が出るなら、バレリーナはすべからく気功の達人である。

そうなると、気功のセンセーはチュチュを着て踊らなければならないのである。

気功の基本は站椿功ではなくプリエになるのである。

こんなことを書くと、おつむのちょーしが悪い人は「そうか、気功の基本はプリエだったか!」とアタマがとっちらかってバレエを習い始めるかもしれないのであるが、男の場合はチュチュではなくタイツであるので、そこんところを勘違いしてチュチュを着て近所を走りまわったりすると通報されておまーりさんに連れていかれる恐れがあるので、一言、ご注意申し上げておくのである。

どんどんネタの方向に進撃しようとしてるわけであるが、いったいこれをどーするのかあたしにだってわからんのである。

つーことで、話を戻して、尾てい骨微妙に前に入れて腰を中心に背中を微妙に丸めると言っても本当の猫背状態になると氣が切れるので、だめである。


逆に胸を無理に開いてそっくり返っては完全に氣が切れるので、これもだめである。

あるいは、尻を後ろに突き出した、いわゆるへっぴり腰ではほとんど絶望的に氣が切れるので、これもだめである。

まあ、端的にいうと、ふつーの姿勢つまり自然体である。

天井から頭頂部を吊るしたイメージで、前足部から中足部に首の付け根を乗せて、そのまま膝を緩め尾てい骨が微妙に前に入った自然体ということである。

氣を効率よく生み出すための立ち方あるいは姿勢については、実際には、太り具合や年齢による骨関節の変形具合、さらには性別によってもかなりちがってくるので、これが正しいというものはないので、だいたいこの方がよろしいということしか言えないのである。

要は氣を効率よく生み出す自然体ということが肝心肝要である。

猫背でもなく、そっくり返ったり、腰を後ろに突き出したへっぴり腰でもなく、首の付け根が前足部から中足部に乗り、尾てい骨が微妙に前に入りバランスのとれた「自然体」ということである。

まあ、これ、氣がわかれば、あちこちのおつむのちょーしが悪いセンセーがえらそーに言ったり書いたりなさってることがとんちきであるということがわかるのであるが、分からないものに分かれといっても無理難題であるので、分からないなりにいろいろお試しいただいて、あなたの年代、性別、骨関節の変形具合に鑑みて、一番効率のよい立ち方姿勢をつかむべくご精進の限りをつくされることをお祈りするしかないわけである。


さて、本題のその站椿功における「手」の役割についての解説である。

まあ、立ち方あるいは姿勢においても、「手」の役割は重要である。

一般的な站椿功の形である三円式においては、手をだいたい胸の前方に置き、大樹を抱える、あるいは玉を抱く、てな形を作るわけである。

馬歩においても手は前に構えるわけである。

身体の前に大樹を抱く、あるいは玉を抱えるように手を置くと、テンションが足も含めた身体の後ろ側に掛かるのである。

まあ、普段の生活では手の重さの実感がないわけであるが、これが意外や意外、まあ、身体の大きさにもよるが、体重60㎏のあたしが測ってみると、片腕が3.65㎏もあるのである。

腕の重さは前腕、上腕、掌、指を含めておおむね体重の約6.5%であるつーことである。

もちろん、これは運動や労働による筋力や骨の太さで多少の違いがあるわけであるが、いずれにしても3㎏以上の重さのものを肩から前に突き出すわけである。

両腕で6kg以上もあり、あたしの場合は7kg以上もあるわけである。

まあ、手の先に7kgの物を持つわけではないが、たとえば、米の5㎏を持ち上げて見ればわかるとおり、これ、エライ重さである。


その荷重が肩や後背部の深層筋に深層筋に掛かるわけである。

まあ、腕の重さをいちいち感じていると生活できないので、立つことと同様に感じないようになっているので、普段はその重さが実感として無いわけである。

しかし、三円式站樁の形で手を胸の前に構えて正しく立つと、腕の重さが全身の後背部の深層筋にテンションが掛かり、血行がどどんと増加して、氣がどどんと生み出されるわけである。

ある程度気功を経験して身体の敏感なものは、身体を緩めて手を前に出すと臍下丹田に圧力がぐぐっと掛かるのがわかると思うが、これが大腰筋の働き始めた感覚であるのである。

もちろん、このとき自然体ができていない場合は、大腰筋にテンションが掛からないので、その感覚はないわけである。

つまり、手を胸の前に構えることにより、さらに、脚部や脊柱起立筋などの深層筋に倍加したテンションが効率よく掛かるわけである。

そうなると、カウンターテンションとして、大腰筋を中心とした下腹部内部の深層筋にもさらにテンションが掛かるのである。

手を胸の前に構えることにより、さらに効果的に深層筋にテンションを掛け、氣を生み出すことができるわけである。

このとき、肘を張ってはよろしくないのである。


肘を張ると僧帽筋や三角筋といった肩の周囲の表層筋郡が緊張して氣が切れるのである。

三円式では「肘と脇腹の間に風船を挟む」と表現される通り、肩は緩め、肘は若干下がるのが正しい形である。

胸を閉じるのもよろしくないのである。

あくまでも自然体で、膝を緩め、首の付け根が足の親指の付け根を中心とした前足部に乗せ、手を胸の前に構え、肘を緩め、限りなく放鬆弛緩できる姿勢が正しいのである。

まあ、それもこれも、太り具合、性別、年齢、骨関節の変形具合などによって、人それぞれであるので、老師大師と言い張る老人老婆の由来による指導書籍妄言に頼ること無く、自分で試して自分の身体状況に会った、姿勢あるいは形あるいは型をつかむことが肝要であるということで、おつむのちょーしが悪い筋肉鍛錬マニアは「それでは手にウエイトを持って站樁をすれば、さらにテンションが強く掛かってヒラメ筋が鍛えられる」と勘違いの方行に行くと思うが、氣は時間であるということをよーくご理解いただけば、それは無意味であるということがわかるつーことで、まだまだ、「手」は続くのである。

続く。

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