象気功

丹田の造り方
実践編・毛細血管


さて、それで、今回は「毛細血管」である。

まあ、これ、「波動」の章でも解説したとおり、毛細血管はいわばその背後に存在する、いわば次元の違う、あるいは未だに存在が確認ができない未知の素粒子の存在そのものでもあるわけである。


氣道は毛細血管とともに全身に網の目のごとく張り巡らされてつながっており、氣を通すと毛細血管である氣道が開き氣を生み出し、さらにそれにより内臓、筋肉に張り巡らされた氣道が開き全身が活性化するのである。

つまり、この毛細血管を育てることが、氣道を開くことでもあるわけである。

気功の目的はこの「毛細血管を育てること」なのである。


ご存知の通り、人間の場合、この全身に張り巡らされた毛細血管によって、血液が、内臓や筋肉、骨などにくまなく酸素、栄養などを運び、どなたさまも元気に生きてご活躍されているわけである。

それで、ううむ、どー言ったらわっかりやすいのか、わっからんが、まあ、毛細血管が開いていない、あるいは育っていないと、血液が、まあ、たとえば、動脈、静脈などの大きな基幹の血管の中をぐるぐる回ってしまい、当然、酸素、栄養は全身に行き渡らず、ああ、ちょーしが悪い、具合が悪い、息切れがする、あっちが痛い、足が冷える、こっちが変だなんて不健康の連鎖に嵌り込むわけである。


それでは、毛細血管を育てる、開くにはどーすりゃいいのかさーってなことになるわけである。

これが、「らくーな範囲内の運動」であるのである。

あくまで「らくーな」状態の「運動」である。

根性やハードトレーニングは、毛細血管を開く、育てるということに関しては効果的ではないのである。

ハードトレーニングをすると、身体はとにかく栄養を早く取り入れたいので毛細血管を開かずに基幹の血管を勢いよく流れてしまうのである。


それで、最近ではこのことに気が付いた運動生理学の観点から、ピラティスなどの毛細血管の多い、深層筋、インナーマッスルを意識した、まさに「らくーな」運動を取り入れるアスリート、スポーツ選手が多くなっているわけである

四股の効果の重要な部分はこの「らくー」にできるということにあるわけである。

これ、初心者で四股に関する筋肉がないと、かなりきつい運動に感じますが、数週間、数ヶ月継続しますと、ものすごく「らくーな」運動であるのがわかるのである。


何回でもできるのである。

あたしはもちろんいい歳のおっさんでありますが、50回や100回ぐらいはらくーにできるのである。

ほとんど汗もかかない運動量である。

この、汗もかかない運動量の心拍数が「毛細血管」を開く、育てる目安であるのである。

それで、これにはお脳、つまり精神状態のあり方も、その効果に影響を及ぼすのである。


たとえば、気功法や太極拳を「覚える」ときは、脳を使うわけであるので、脳の血流量を増やすために、身体の毛細血管を閉じてしまうのである。

毛細血管を閉じるということは、当然氣道を閉じるということであるので、氣は発生しないのである。

そして、もうひとつ毛細血管を開く、育てるのに重要なことは「継続」することである。


ウエイトトレーニングのように、2日に一度、3日に一度ではだめなのである。

これが、骨格筋、速筋を育てる従来のトレーニングとは違うところである。

このことを理解しないと毛細血管、つまり氣道は開かず、育たないのである。

血管の圧迫効果による成長ホルモン放出を促すトレーニングのように、筋肉増強効果が短期間に現れるものと違い、毛細血管を育てるには、比較にならない時間がかかるのである。


それも、らくーな範囲内の運動を「継続」することが最も効果を発揮する方法である。

毛細血管を開く、育てるには、気功、太極拳、呼吸法、ヨーガ、ウォーキング、体操などなんでもいいのでありますが、脳を休ませ、身体を緩めて、らくーに動くことを毎日、一定時間繰り返すことが重要なのである。

ううむ、わかるかね、これ。

話は少しそれますが、太極拳は舞、つまり踊りである要素が伴うのはこのことである。


気持ちよく、舞う、踊るのがその効果を高める要素なのである。

それにはその動作を記憶して、考えなくてもできるまで熟練するのが効果を高めることであるわけである。

脳をお休みして、脳の運動野が覚えた記憶による動作を「気持ちよく」「舞、踊る」ことが、毛細血管を開き、育てることに効果的であり、それは氣を生み出す方法である。


そして、深層筋、インナーマッスルは動作を繰り返すことにより、その動作を「記憶する筋肉」でもあるのである。

スポーツの世界、たとえばプロ野球なんかでは、3年先の効果を目指してトレーニングをするというのは、それだけ継続しないとなかなかインナーマッスルに記憶されないということでもあるわけである。

合気道の藤平光一さんも「人間は歩くという能力を赤ん坊のときから何年もかけて習得するわけであるが、合気道の技も歩くようにできるために、何万回も正しく繰り返し練習する」と解説しておりましたが、それだけ、深層筋が無意識にその動作をするまでに記憶するには回数をこなさなければ効果がないということである。


ですから歩くという動作を考えただけでも、ものすごく簡単であるように見えるが、前回も解説したように立つことすら、これものすごく複雑な要素があって、幼児をみれば解るように、これが自由に歩くまでには、脳と深層筋の連携がスムーズに行われるまで、休み無く働き続けて何年もかかる複雑な動作、要素を記憶しなければできないことであるわけである。

ですから、ひとつの動作を考えなくても正確にできるようになるには何ヶ月、何年という時間と繰り返しが必要なわけである。


つまり、気功法、太極拳、などで、氣を効果的に生み出し、毛細血管、つまり氣道を育てるには、その動作を意識せずにできるまで繰り返すことが必要になるわけである。

考えてやってるうちは、脳が休みませんから、気功法としての効果は薄いわけである。

ところが四股は考えなくてもできるのである。

これは、タントウコウ、スワイショウにもいえることである。


しかし問題はあまりにも楽で簡単で単調で「飽きてしまう」ということなんである。

タントウコウなんかは、あたしは氣がわかるので、効果があるのは充分わかるのであるが、退屈でつまんなくて5分と続かないのである。

スワイショウだって、5分なんか続けるのはとんでもないことである。

1分だって飽きてくるのである。


四股も簡単でらくーであり、ものすごく単調な動作であるので、飽きるのである。

四股が筋力がなくて難しいとゆー人は、無理に足を上げなくても良いのである。

らくーに無理なく上がる範囲内の方が毛細血管が育ち、しいては氣道が開き、気功効果が上がるのである。

まあ、とにかく、飽きてもなんでもこれらのらくーな動作を続けると、毛細血管が開き、育ち、血流が増加して氣を生み出し、さらにその氣が毛細血管を開き、育てるわけである。


それで、このらくーな動作の目安というのは、心拍数が110前後を超えずに続けられる範囲内程度の運動量であるのである。

しかし、まあ、いくら「らくーに」といっても、心拍数が安静時の60や70ではなんにも効果はないから、まあ、運動としては90以上ぐらいが望ましいわけである

これが、深層筋(インナーマッスル)、抹消血管を育てる氣を生み出すためのメソッドであるのである。


それで、四股は大腰筋を含めた腸腰筋を中心に丹田周囲及び大腿部、脚部の深層筋の毛細血管を開き育て、その周囲の氣道を開き、育て、氣道のバランスを変えようという方法であるわけである。

しかし、これ、何が言いたいのかわかるかね。

つまり、現在、気弱、意志薄弱、消極的、不安、恐怖などで人生、生活が大変な皆さんに、自分を変える、運命を変える根本の原因と方法を解説しているのである。

まあ、象気功の冒頭の「氣とは何か?」で解説しているように、氣は毛細血管の成り立ちと密接に関係しているわけである。


まあ、言い方を変えると毛細血管が氣道そのものであるわけである。

ですから、毛細血管の開き方、育ち方の量がその部分の氣の量であり、そのバランスが精神状態に大きな影響を与えているということなのである。

毛細血管を開く、育てる方法がわかればおのずと精神状態を変える方法がわかるわけである。


しかし、これ、前述しましたように毛細血管を開き、育てるには根気がいるのである。

たとえば四股をいきなり500回踏んだからといって、それで今まで気弱で買い物もできなかった人がいきなり泰然自若、度胸満点、怖いものしらずのおにーさんになるわけじゃあないのである。

それを日々、日課や習慣として継続しておこない、丹田や下肢の深層筋に刺激を与え、毛細血管の多い、遅筋、深層筋を鍛え、毛細血管を開き育てるわけである。


速筋、骨格筋、表層筋のように鍛えて急に大きくなるものではないのである。

毛細血管を育て張り巡らすにはその正しい方法を知り、長期の継続が必要なのである。

また、現在、親御さんを初め先祖代々から受け継いだありがたーいDNAにより開かれた「気弱」という部位は閉じないのである。

しかし、丹田を中心とした身体下部の気道を開くことにより、その氣道のバランスが変わり、精神バランスも変わるわけである。

その、根本の原因と方法がわかればおのずとやらなければならないことは見えてくるのである。

続く。

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