象気功

丹田の造り方
実践編・深層筋


あなたは神であり、神はあなたである。

神、宇宙の組成とあなたの組成は同じなのである。

そして、神は絶対唯一の存在である。

絶対唯一の存在である神がこの世を現し、神であるあなたも含めて総ての幻想である事象を表しているのである。


神は神のみで存在し、他には何者も存在しないのである。

いうなれば、神は絶対的に「孤独な存在」である。

神の組成と同じであり、神であるあなたもまた、絶対的に「孤独な存在」である。

あなたの思うあなたが、この世の絶対唯一の存在である。

唯一の存在である神があなたを造り出したように、あなたのまわりの事象、現象は総て、神であり唯一の存在であるあなたの造り出したものである。


あなたのまわりの家族、友人、知人を含めて現実と感じている他者、事象、現象は総て神であるあなたの造り出した幻想である。

だから、神の乗りものであるあなたの脳が停止すればこの世は消滅し、雲散霧消し、神であるあなたは絶対唯一の存在である、神、宇宙と瞬時に同化し、いわば幻想であるあなた自身の個としての存在も消滅するのである。

「死」はあなたのみに訪れる現実である。

神であるあなたが造り出した他者の「死」は、神であるあなたの作り出した幻想のなかの現実である。


神が唯一絶対的に孤独な存在であるように、神であるあなたは唯一絶対的に孤独な存在である。

あなたが神であり神があなたであるからである。

そしてあなた自身も神が造り出した幻想である。


ううむ、それで、「深層筋」というのは、いわゆるインナーマッスルであるが、実はこれ、おもに身体の「バランス」をとるときに働く筋肉である。


なんの前触れも無くいきなり本題である。

今回はこの身体の「バランス」の重要性がテーマである。

たとえば、人間が立つということは簡単に見えて、ものすごく複雑な要素を含んで立っているわけである。

人間は数百の骨を軟骨を挟んで間接を介してつながっているぐにゃぐにゃの身体を,、この深層筋で支えて立たせ、それでも、身体は柔らかくぐにゃぐにゃなので、本人はまっすぐ立っていると思っていても、実際には前後左右にぐーらぐら揺れいるわけであるが、それをうまーく立つように「無意識」にコントロールしているのが、深層筋であるのである。


この、人間が立つということは意識でしているのではなく、「無意識」に深層筋が脳の指令で勝手にやっているのである。

わかりやすく言うと、誰も、「ああ、右に倒れそうだから、こっちに力を入れて、ああ、前に倒れそうだから、足の前に力をいれなきゃ」なんてやってるわけではないのである。

勝手に脳と深層筋がコントロールして、勝手に立っているわけである。

ですから、深層筋は言い方を変えると、不随意筋の仲間でもあるのである。


深層筋は上腕二等筋や大腿筋などの骨格筋とは違い、意識で動かすことが大変難しい筋肉でもあるわけである。

それで、この深層筋、いわゆるインナーマッスルの鍛え方は、骨格筋の鍛え方に比べてまだまだ確率されていないわけである。

また、この不随意筋である、深層筋は遅筋の仲間でもありますから、持久力を必要とするために酸素を多く必要として、血管の量が、随意筋である速筋よりも各段に多く、つまり、気功的には重要な氣道としての存在でもあるということである。


つまり、氣を生み出して、それを全身に巡らせて血行、循環をよくして、健康効果を得るということが目的である気功においては、深層筋を鍛えるということは氣道を開くということでもあるのである。

「リラックス」の章をお読みなった方はご理解いただけると思うが、気功の第一歩は、とにかく、緩(ゆる)める、力を抜く、リラックスするということから始めるわけである。

これは、随意筋である骨格筋、いわゆるアウターマッスルを意識で力を抜くわけである。


そうすると、頭部に上がった氣を、身体に意識を移して緩めることによって氣を下げて毛細血管を開くという効果もあるが、それに加えて意識できない、つまり意識で力を抜くことができない、いわば不随意筋である深層筋に全負担が掛かるので、無意識に深層筋、遅筋が働き始めるという効果があるのである。

つまり、気功はごく簡単にわかりやすく言うと、骨格筋の力を抜き、氣道である深層筋に働きかけて氣道を開き、氣を生み出し、それを全身に巡らせ、血行を促進するという方法でもあるわけである。


まあ、健康法に関して、いーろいろ世間で怪しいご商売や商品が溢れ返っているが、まあ、どれもこれも大昔から行われてきた温泉治療、湯治の効果と大差ないのである。

温泉、湯治の効果はまあ、源泉の効能、薬理効果はそれぞれ違え、身体を温めて血行を促進して健康効果を得るということに集約されるわけである。

栄養補給、酸素供給、疲労回復、疾病の治療など身体を良い状態に整える全てのメンテナンスはもちろん主に血液によって行われるわけである。


ですから、身体を温めて、体中の毛細血管を開いて血行を促進して血液を身体の隅々まで行き渡らせることが健康の一助を担うことになるわけである。

しかし、まあ、温泉に浸かって身体を温めて、いい気持ちになって、いい脳内ホルモンが出まくっても、それで、安心してはいけないのである。

血行促進の効果はあくまでも「健康の一助」である。

それだけで、ぐうたら寝てりゃ、筋肉は萎縮して、骨密度低下、肥満促進、高脂血症、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞と不健康の連鎖にはまり込むこと必定であるのは自明の理であるのである。


たとえばリンパ液なんかは血液のようにポンプで流れるわけではなく、主に骨格筋の収縮によって体内を流れリンパ液としての機能を果たすわけである。

なにはともあれ、人間は動かないといけないのである。

ううむ、なんかわけのわからない方向へ話が突き進んでるな。

まあ、とにかく、話を戻すと、深層筋は氣道としての毛細血管が多く、深層筋を鍛えるということは全身の血流を促すということであるのである。


それで、その深層筋は前述しましたように、身体を支え、「バランス」をとることが最重要な働きであるわけである。

四股の秘密はここにあるのである。

四股で片足を上げ、上げきったところでしばらく止める、という動作は、この「止める」というところに重要な要素があるわけである。

まあ、前回に解説しましたが止めると「無意識」に下腹部に力が入るわけである。


この、無意識がポイントである。

実際に四股をやってみると、片足を高く上げて「止める」という動作は、最初はふらついて立ってられたもんじゃないので、まあ、たいていの人にとっては大変困難な動作であるわけである。

テレビの番組ではプロ野球選手でもふらついてなーかなか立ってられませんでしたので、まあ、我々なーんにも特別なことをしていない一般シロートには最初は大変難しい方法であるのである。


まあ、若くて、体操をやってたり、フィギュアスケートをやってたりなんて人は別にして、とくに普段何にもしてないお勉強マニアやしょぼい丹田の皆さんにはこれは非常に困難な動作であるわけである。

しかし、この「ふらつく」ということに四股の気功上の重要な要素があるのである。

いうまでもなく、「バランス」である。

この「バランス」をとろうする脳の働きが、深層筋、インナーマッスルを刺激して、無意識にあちこちに信号を送り、氣道を開くわけである。


それで、四股で片足を上げて止めると、深層筋が働き始めて、丹田つまり腰の周囲を中心として大腰筋を含めた腸腰筋やその他の深層筋が身体のバランスをとるために連携して働き始めるのである。

これは無意識に行われる反応である。

つまり、深層筋は無意識の領域で働く筋肉であるわけである。


深層筋に張り巡らされた毛細血管はそのものとしての氣道でもあるので、この無意識に深層筋が働く動作を行うことは、腰の周囲を中心として、バランスを取るためにそれに連動した全身の深層筋である氣道を開くということでもあるわけである。

「身体のバランスをとる」ということが深層筋、つまり氣道を開くということに関しては「緩める」「ストレッチ」とともに非常に重要な要素であるわけである。


要約すると、、「立つ」ということ自体、「立つだけ」で、脳も身体も「バランス」をとるために、ものすごい複雑な機能を必要として、絶え間なくそれに関わる深層筋、遅筋が働くわけですので、これ、そのまま気功であるわけである。

気功のタントウコウは「身体を緩めて」、とにかく「立ち続ける」わけである。

意拳の創始者の王向斉さんは少年期に形意拳の達人であった郭雲深さんの最後の弟子となりましたが、そのとき、郭さんから、「お前はまだ子供なのでその辺で立ってろ」といわれて一日中、ずーっと何年間も立ってたそうである。


まあ、「立ってろ」というのはつまり、意拳の站椿(たんとう)である。

つまり、タントウコウでインナーマッスルを中心とした、遅筋を強化して、全身の氣道を開き、武術家としての基礎を造らせたわけであある。

このタントウコウは、日本では太氣拳の澤井健一さんが立禅として紹介し、多くの武術家、武道家、格闘技の選手などに広く知られて、実践されているわけであるが、この効果はインナーマッスル、遅筋の強化と氣道を開くことによる体感としての重量感を養う方法であるわけである。


それで、タントウコウは、たいていは手を中段ぐらいに上げて保つという動作を伴うのであるが、これはつまり、肩、腕、などの深層筋、遅筋を養い、それらの部位に関連する氣道を開いているのである。

もちろん、このタントウコウを日々、長期に渡って実践された皆さんは、おすもーの基本稽古と同様に、性格あるいは能力の是非はともかく、りっぱな大丹田おおいばり、これでもかとゆーよーな強気の面々におなり遊ばされているのは、気功、武道を多少でもかじった皆さんはご理解いただけるものと思うわけである。


まあ、象気功では殴り合いどつき合い蹴り合い投げ合い締め合い突き合いなんてことは関係ないので、その、インナーマッスル、遅筋強化による、丹田を中心とした下半身手足の氣道拡張による、社会生活お気楽極楽乗り切りおおいばり精神状態を養成するところだけを頂くのである。

気功や氣のメソッドは神の御技でもなく、仙人への道程でもなく、超能力の開発でもなく、神人への足掛かりでもないのである。


人間の身体に血管、神経、リンパ系などに、いわば違う次元の存在として、そのものとして張り巡らされた氣道に作用して、全身の血行、循環を促進して体調をよりよく保ち、持っている能力を最大限に引き出す方法である。

それで、まあ、相撲の「蹲踞(そんきょ)」という動作がありますが、これ、やってみるとわかりますが、最初はふらついてなーかなか静止していられたもんじゃないのである。

ところが充実しているおすもーさんや能、狂言歌舞伎役者なんかの皆さんは押されても動かないぐらいどっしりとバランスが取れるのである。


これは蹲踞を常時行うことにより、深層筋が充実して、つまり、氣道が開いて氣の重さも充実して、どっしりと動かなくなるのである

つまり、おすもーに置いては蹲踞もバランスをとることによる深層筋強化、氣道拡張のための稽古法である

続く。

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