象気功
象気功

本日の御神託


レンタカー


ううむ、やっぱり思い出ネタがノスタルジックでいいね。

つーことで、まあ、今日もほのぼのとした話題でノスタルジーに浸るわけである。

まあ、たしかあたしが高校1年の終わりの春休みだったと思うのであるが、友達の紹介で、レンタカー会社にアルバイトに行ったときの話であるのである。


その会社はまあ、基本的には社長が1人で経営してるような会社で、近くの町にもう1店の支店があるのであるが、そこは20代後半のおねーさんが1人でやってて、あたしは本社の方にアルバイトとして雇われたのである。

それで、その本社には先輩社員が1人いて、つまり本社の人員は、社長とその先輩社員とアルバイトのあたしの3人だけということであるのである。

思いっきりの零細企業であるわけであるが、社長はけっこうな大地主で地元の有力者であるのである。

それで、まあ、レンタカー会社であるので、社長がそこの土地の地目(ちもく)の関係だかで建築許可を取るのに議員に頼んだりして苦労したという大きな屋根の下の駐車場に乗用車が10数台と、マイクロバスが1台とジープが1台あるのである。


先輩社員は某関東の有名3流大学をご卒業になったそうであるが、実家は横浜で祖父がイギリス人ということで、まあ、その名前は差しさわりがあってとても書けませんが、不思議な名前の、まあ、見るからにお育ちのよいろくでなしという雰囲気がただよう25歳のおにーちゃんで、どーゆーわけかお育ちがよろしいのにそのレンタカー会社の事務所の2階に住み込んでおられるのである。

まあ、それで、アルバイトの仕事は主に貸し出した後の車の洗車であるのである。

あとは貸し出しのない車のほこりを定期的に例の車用の羽根の箒(ほうき)みたいなやつでバサバサ掃(はら)うというアホでもできる簡単なお仕事であるのである。


カウンターでは貸し出しの際の事故の免責等の説明をするのであるが、それをあたしがすぐ覚えてしまったので、こりゃいけるということであたしも洗車のないときは貸し出しのカウンター業務をさせられることになったのである。

まあ、カウンターといっても事務机が置いてあって、その両側に椅子が置いてあるだけのものであるが、社長や先輩社員のろくでなしおにーちゃんが用事でいないときは、あたしが座ることが多くなったのである。

そのことから、今回のネタの事件が起きたのである。


それで、カウンターにも座るようになって、来た客に覚えた貸し出しの際の免責等を立て板に水で説明して、客に「あんたいくつ?え?16?すごいね」なんていわれて得意になっていたのであるが、ある日、どうみても、これは関わってはいけないというゴールド系の背広の幅広ズボンをひらひらさせて、白い靴をお履きになって、長身で細身であるのに腰幅が大きく、裸になるとお背中に龍だの牡丹(ぼたん)だのの極彩色のお絵描きをなされているんだろーなーと誰でも想像できる分かりやすいファッションと目つきと貫禄のおにーさんがどっかとその椅子にお座りになったのである。

それで、いきなり、「免許証を忘れた」とおっしゃるのである。


それであたしが「すいません、免許証がないと車は貸せません」と一応申し上げたのであるが、「大丈夫だ、免許証はあとで持ってくるから、時間がないから貸してくれ」と、おだやかな口調でおっしゃるのであるが、その、ものごしと迫力がただごとではないので、これがバレて社長に怒られるのと目の前に迫る現実のこの粋(いき)でいなせな大迫力のおにーさんが怒るのとでは、どうみてもこのおにーさんの方がやばいので、もちろんあたしは「はい、どうぞ」といって車の鍵をお渡ししたのである。

つーことであたしの運命やいかにという続きは次回であるのである。

続く。

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