象気功
象気功

本日の御神託


こって牛


ううむ、忙しさにかまけて、月に一回か二回の更新になってるのである。

象気功の更新を楽しみにお待ちの皆さんにはまことに申し訳ないこって牛。

「こって牛」ってなんだっけ、ううむ、むかーし聞いたことがあるようなないような、ああ、なるほど、去勢してない元気な雄牛てなことね、まあ、そんなことはどーでもいいが、なんか笑えるネタはないもんだろうか。

やっぱり、むかし懐かしノスタルジック思い出ネタかね。


まあ、なんだ、あたしが、中学三年生のときに、年少教官あがりが自慢の社会科の女性教師と気があわなくて、クラスの不良のバカどもをあたしがかばったことでその教師といろいろもめて、あたしはアタマにきていて、そのときは冬でストーブがたかれていて、その女性教師の社会科の授業が始まる寸前に不良の友達数人と金属性の鉛筆キャップに学生服のカラーを削ったのをつめ込んだ「ロケット弾」を10個以上作って、それをストーブの上に並べておいたら、授業中にそれが、ストーブの熱で過熱されて発火してロケット発射で、プシューッ、プシューッと教室中にびゅんびゅん飛び始めて、花火の倉庫が爆発したみたいな騒ぎになって、黒板にバコンバコン当たって、その一発がその女性教師にも当たって「ひえー」と仰天して、あたしは大笑い大爆笑であったのであるが、女性教師は青くなって職員室に帰ってしまったのである。

そしたら、しばらくして学級委員が職員室に呼ばれて、帰ってきて言うには、「やったやつは教室の後ろに並んで立ってるようにと先生が言ってる」というご連絡であるのである。


この「先生」というのはそのときのあたしらの担任の浦木という教師で、もと陸上の砲丸投げの選手であった理科の教師で、もんのすごい体格で、肩なんか筋肉で山のように盛り上がって、それこそ「こって牛」であるのである。

あたしはこの女性教師が嫌いでもめていたということで、いやがらせだけに邁進驀進していたのであるが、この砲丸投げ得意の学校一のコワモテこって牛が担任であることをすっかり忘れていたのである。

なんで忘れていたかというと、このこって牛は、まあ、あたしが子供のころの当時のことであるので、教師が殴るのは当たり前で、誰もべつに苦情も言わないので、いわゆる校内のつっぱり生徒をすぐ正座させてその豪腕で殴ったり蹴ったりするランボー者の教師であるが、とても人情味に溢れた教師であるので、あたしは大好きで、ぜんぜん怖くもなんともなかったので、すっかりそのランボー者教師としての存在を忘れていたのである。


それで、その存在に気がついて、「ああ、いっけねー、こうやれば当然こうなるか」とバカ丸出しであとの祭りでものすごく納得して、でも、ここで、逃げるとやっぱり子供ながらに男がすたるので、かかわった不良のバカももちろんつっぱりがすたるので逃げるなんてことはせずに、5~6人全員がちゃんといわれた通りに教室の後ろに行って、首謀者のあたしが先頭で左から横一列に教室の後ろに並んで立っていたらば、教室の戸がガラガラッと開いて、入るなり足を思い切り床に「ドンッ」と踏み鳴らして「お前らは何をやってるんだよっ!!」という大音声とともにそのこって牛がドカドカと足音もいさましく近づいてきて、あたし向って「お前もかっ!」と言うのである。

まあ、これ、あたしはでたらめな生徒で、友人はみんないわゆるつっぱりだの不良だのバカだのであるのであるが、あたしはいわゆるつっぱりや不良てなもんとはファッションや髪型も含めて行動言動の方向性が違うので、並んでるバカの首謀者がまさかあたしであるとは思っていないわけである。


まあ、それで、当然「ハイ」と言ったら、ビンタという名の、格闘技でいういわゆる掌底(しょうてい)が飛んできて、あたしは後ろの壁まで吹っ飛ばされて、意識が遠のいて、目の前に星が出るとはこのことで、「あららんらんらん」なんて目がぐるぐるしてたら、並んでたバカがつぎつぎ吹っ飛ばされて、そのあまりの威力に、中にはつっぱりが売りなのに泣き出すのもいて、みんな倒れて頭も目玉もぐーるぐるで、「うへえ、これ、ぐーで殴られたら、顔面が陥没するよなー」なんて思ったりして、それで、「こと」は終わりであるのである。

全員に掌底一発ですべて終了であるのである。

授業中のロケット弾発射で、鉛筆のキャップとはいえ金属であるから、当たり所が悪かったり、ひとつ間違えて生徒の目にでも当たったらとんでもないことになる危険な行為であるのに、あとの女性教師や校長側からの苦情はこって牛が一手引き受けであたしらにはなんのお咎めもなかったのである。


こんなにやさしい教師が世の中にいるのかと思うぐらいやさしい教師であるのである。

殴られても嬉しいとはこのことであるのである。

このこって牛から毎日ぼこぼこに殴られている不良が「うらきっつぁんはやさしいからよー」と言ってるぐらいであるから、学校中のどうしようもない生徒も含めてあたしもこのこって牛が大好きで、おそらく殴られて喜ぶものはいても、恨んでいた生徒はいないんじゃなかろうかと思うのである。

それで、そんな人情味に溢れたすばらしい教師のこって牛に育てられたあたしも含めたそのバカどもがりっぱな人間になったかどうかというと、その後数年して、某繁華街で午後8時ごろ後ろから名前を呼ばれて振り向いたら、そのバカの中の学校で一番強かった2人がこの世のものとは思えない髪型とファッションいでたちで、うれしそうにニコニコ笑って立っていたのである。

他にも連れらしい2人の知らないバカが立っていて何のつもりかバカ特有に意味もなく張り切ってあたしにガンたれていて、これから4人でケンカ相手を探しにいくということであるので、「ううむ、お前らもがんばってるなあ、けっこうけっこう」ということで、2度とこいつらに会わないように神様にお願いしてお別れしたのである。

ま、こんなとこかな。


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