象気功
象気功

本日の御神託


紀州犬


ううむ、まあ、以前は犬を買っていたのである。

犬の名前は花さかじいさんの「うーらのはーたけでポチがなくー」のポチからとっておもいっきりのポチである。

まあ、獣医さんによるとポチは紀州犬で、あの孫さんの会社のCMで大人気の白戸次郎お父さんにそっくりな犬である。


まあ、この手の犬は東京中にどこにでもいるので、これはおそらく和犬と昔流行ったスピッツとの雑種であるとは思うのであるが、そんなみもふたもないことを言ったら獣医なんかにかけないと思った獣医さんが「紀州犬なので大事にしてください」なんておためごかしを言ってるのはいくらなんでもそのときにあたしもわかったのである。

それでも、飼い主のあたしにしてみれば「あははは、そんなわけないだろ」なんて思いながらも、まんざらでもなく「紀州犬かあ、どうりでいい犬だと思いましたよ」なんて話を合わせたのはもちろんであるのである。


それで、嘘とわかっていても、なにしろ獣医のお墨付きが出たわけであるので、自宅に来た来客には「これ、獣医さんによると紀州犬なんだそうですよ」なんて自慢してたのであるが、もちろん、どうみてもそうは見えないので、来客も「ほほう、これが紀州犬ですか」なんて言いながらも当然「これ、どうみてもその辺に居る白い雑種だよなー」なんて思ってたと思うのである。

ポチの性格はおとなしく、従順で、陽気で明るく、散歩に連れて行くのがめんどうなので、杭と杭の間にワイヤーを張ってそれに鎖を通して運動できるようにして、それにつなぎっぱなしで散歩に連れて行かなくてもべつに具合が悪くなることも無く、ドッグフードと朝食のパンの残りで元気に明るく16年も生きて、獣医によると人間で言えば90歳ぐらいで、最後は加齢で免疫力が落ちてフィラリアを発症してお亡くなりになったのである。


そのあとは、猫を何匹か飼ったのであるが、裏に住んでるおじいさんがアヒルだの鶏だのを飼っていて、さらに違法もへったくれもなくて、かすみ網をしかけてメジロなどの野鳥なんかもどんどん捕ってそれを飼っているので、それを獲りにくる猫に罠をしかけて捕って穴に埋めてしまうという猫捕りの名人で、うちの猫がみんないつの間にか行方不明になってしまうので、わざわざもらってきたりするのはやめて、野良猫を手なずけて、アウトサイド猫として飼っていたのであるが、それでもその野良猫が行方不明になるので、近所の野良猫がほとんどいなくなってしまったのである。

まあ、それで、最近はうちの近くのわが社の店子の飲食店の女性が飼ってる猫をうちの猫と兼用ということにしてキャットフードをやってるので、普段はうちの庭にいるのである。

その猫はかなり賢くて、いろいろ言うことが声のトーンでわかるのか、気でわかるのか、その猫捕り名人のおじいさんの家に行ってはいけないとよーく言い聞かせたら、よくわかって、猫捕り名人に捕られることもなく、今朝もリビングの前の日除けのひさしの下のコンクリートに寝転がっているのである。

Copyright (C) Zoukikou All Rights Reserved プライバシーポリシー Contact