象気功
象気功
本日の御神託


自由研究

まあ、子供のころの思い出ついでに、小学生の夏の終わりというと、やっぱり夏休みの宿題である。

これ、夏休みが始まって先に全部やっちまえば、あとは8月31日まで安心して思いっきり遊べるのに、これが、どーゆーわけか先にはできないのである。


夏休みが始まったら、馬力をかけて一気にやっちまえば、たいした量でもないので1週間もあれば出来上がってしまうのであるから、あとは心置きなく友達や近所のガキ大将とプールに虫採りに魚釣りに夢中で没頭できるのである。

それが、夏休みが始まると、もう、勉強と名のつくものから開放された喜びで、朝から晩までいっさいそのことを忘れてしまうのである。

それが、夏休みが終わる3日前ぐらいまで続くのである。

それで8月29日ぐらいになると、心が寒くなって、「ああ、宿題だ」と胸がつぶれそうな思いに苛(さいな)まれるのである。


だから、とても間に合わなくなってから、もう、ほんとにいやいや宿題に取り掛かるのであるが、必死でやってもこれ、とても、登校日に間にあう状況ではないのである。

そのことを今でも夢にみることがあるのである。

宿題の自由研究を明日の登校日に持って行かなきゃならないのに、それがどこにあるかわからないというわけのわからない夢なのである。

それで、自由研究を探すのであるが、ランドセルの中にも、机の引き出しにもないのである。


それが、茫洋とした夢の中で行われるので、おつむがはっきりとしないので、焦るばかりで、明日、自由研究を出すときにどうしようかと不安でものすごく悩むのである。

それで、その自由研究が何をやったのかも思い出せないのである。

そのことでも夢の中では「いったい、なんだったけ?」と大いに悩むのであるが、ぜんぜんわからないのである。

それで、それが見つからないまま目が覚めたりするのであるが、数十年たった現在でも、「ああ、夢でよかった」とものすごく安心するのである。


「安堵の胸をなでおろす」とはまさにこーゆう状態であるのがよくわかるのである。

それで、実際には2年生のときに8月31日に自由研究の制作に困って、ごく短時間でできるものは何か?とおつむを絞った結果、野菜でスポーツカーを作って持っていったのである。

ナスの車体にニンジンを輪切りにしてそれをタイヤにして、割り箸を通してナスに刺し込んでみごとなF1カーのようなスポーツカーができたのである。

もう、15分ぐらいでできたのである。


まあ、自由な研究であるから、自由でいいわけであるので、文句をいわれる筋合いはないわけであるが、ものすごい自由研究もあったもんである。

それを9月1日に先生に出したら、先生はしばらく見ていたが、申し訳なさそうな顔をして、「これは自由研究の発表会までもたないから、持って帰ってくれ」とおっしゃられたのである

この先生は近所のお寺の息子で、あたしは理由もなくあまり好きではなかったのであるが、今考えると、なかなかいい先生であったのである。

Copyright (C) Zoukikou All Rights Reserved プライバシーポリシー Contact