4月18日(土) 晴れ

(当日は日記かける状態じゃなかったんで、後日思い出してかいてます)
平成10年4月18日は一生忘れない日になるでしょう。
今でも思い出すと涙がでてくる。

出産経過は後で詳しく書くかもしれないけど、とりあえず簡単な経過だけ。
といっても、あまりのショックで覚えていないことが多いし、覚えていても
時間の前後間隔がなくなってるので、ただの事実の羅列になっちゃうけど。

夜中の3時半ごろ腰が痛くなってきた。確か7分おきぐらい。
生理痛のような痛みとはよくいったもの。家にいるときや、2,3日前に
感じた前駆陣痛とは全く違う。
これで、二人目の時は陣痛がどんなものかすぐわかるだろう。
まぁ、この時は「おぉ!陣痛が来たぜ!」って喜びのが勝ってて、痛みも
それほどじゃあなかった。ちょっと深呼吸すればのがせたし。

で、朝をまって看護婦さんに周期的に痛みが来ることを伝えた。
本来なら陣痛室に行くところだけど、他にも陣痛室に入っている人が
いて、「うんうん」うなってるので、それをききながら一人でたえるより
病室にいた方が気が紛れるだろうというとで、病室に戻る。
午前中何してたんだろう。たぶん一回診察をしているはず。
子宮口は。。。覚えてないや、たぶん2,3センチだったと思う。
朝御飯は陣痛の合間に食べた。
でもって、カーテンをひいて、ひとりで呼吸法(深呼吸)で痛みを
こらえていました。

お昼ぐらいにかんちゃんがきて、しばらく手を握っていてくれた
&「がんばれ〜」なんていってくれた。
陣痛の間隔は2〜3分。
で、1時ぐらいかなぁ。
また診察があって、今度こそ破水していたのでそのまま陣痛室へ
いった。(破水したら陣痛室ってのが決まりみたい)
あ、その前に剃毛を診察台でしたような気がする。
子宮口は4センチだったかな。このへんはあいまい。
陣痛室ではまず浣腸した(T_T)
で、すぐすると薬しかでないから、120かぞえてからしてね〜
と看護婦さんにいわれた(ところで、看護婦さんと助産婦さん
区別がつかないのだ)
トイレはとってがバカになっていて、なかなかドアがあかず焦った。
でも、まだ苦笑いするだけ余裕があったんっすねぇ。
トイレの中でゆっくり余分に150ほど声をだして数えた。
で、便座にすわる。。。。でも薬がだ〜っとでて実はあんまり出た
気がしなかった。
後で、便意があって2回ぐらいトイレにいった。
陣痛の合間をみてトイレにいくんだからたいへんだ。
トイレのなかで必ず陣痛がおそってくるんだから。
で、ベッドにもどった。
しばらく一人でうなってた。うなってたというより大声で「いた
い、いたいよう!!もうやだ〜」jと騒いでいた。陣痛室に私以外誰かいれば
少しは遠慮したんだろうけど、誰もいなかったので、結構大きい声
だったと思う。

ママが来た。何時だったかはわからない。
陣痛室に誰もいなかったから家族もはいれたんだ。
看護婦さんが、「このぶんだと、生まれるのは今日の夜中か
ちょっと明日にかかるかぐらいかな」と言った。
「えええええ、まだ10時間もあるじゃないかぁ!」
陣痛が来るとママの手をつかんだり、ベッドのわきをつかんだり
足をびんぼうゆすりさせたりして、呼吸法もなにもあったもんじゃ
ない。
陣痛の合間にママに「よく3人も産んだねぇ」といったら笑ってた。
この時点で何分間隔だったんだろう。モニタ(胎児の心拍とおなかの張り
を見る機械)で、陣痛がそろそろ来るなっていうのがわかるから、
いやだった。
このあたりから、ほんとに記憶が定かじゃなくなる。まず来てくれた
助産婦さんの顔をまったくおぼえていない。
私が呼吸法無視で体中に力を入れまくって苦しんでると、助産婦さんが
来て、まず体勢を変えられた。寝ているより座ってる感じの方が
頭がおりてくるからって。。
そう、子宮口は開いてきたけど、赤ちゃんの頭がまだ高かったのだ。
私は体勢を変えるのなんてむり〜っ涙ながらに抵抗したけど
助産婦さんが「赤ちゃんも苦しがってるよ、ちゃんと呼吸してあげ
よう」って言った。
私もわかってたんだ、私が体に力をいれてると心拍がさがるんだから。
なのに、ちゃんとできない自分に腹が立って泣けてきた。
「母親失格です〜(T_T)」と叫んだ。助産婦さんは「そんなことないよ」
と言ってくれた。
なんとか体勢をかえた。で、助産婦さんに見習って呼吸法開始。
基本は深呼吸。この時、吸気よりも呼気を気持ち長めにして、息は全部
はききるのだ。それでもちょっとハイパー(過換気症候群??)気味に
なり手足がしびれてきたのが、自分でもわかった。
なにしろハイパーは経験済みだから。
助産婦さんが「苦しかったら、ふ〜うんっ呼吸でもいいよ」といったので
深呼吸にふ〜うんっをプラスしてみる。確かにちょっとはましかも。。。
この時の助産婦さんには智ちゃんを産んでから謝った。
なぜなら、ものすごい勢いで腕をつかませてもらったから。
謝ったら「そんな気にしなくていいのよ〜」なんかいってくれた。
腕をつかんだのはママも同じ。
ママには申し訳ないことをしたと思ってる。人が苦しんでる姿を見るのも
つらいものがあっただろう。

で、ママも一度帰るといって出ていって、助産婦さんもいなくなった。
一人でふ〜うんっ呼吸でがんばる。でも、たまに呼吸が乱れていい加減に
なる。腰をマッサージしてもらわないと途端に腰がいたくてどうしようも
なくなる。確かこのへんで、もう一回トイレにいったはず。

しばらくすると違う助産婦さんが来た。私がふ〜うんっ呼吸をしてると
「ふ〜うんっはまだ早い」と怒られた。で、深呼吸の早いやつオンリーに
切り替えた。
つ、つらいつらすぎる。
本では、腰が痛い、恥骨が痛い、とかいろいろあったけど、私は
なんだろ〜肛門が苦しい。。ってとこか(これがいきみたいって感覚か?!)
いつかわかんないけど、先生が診察にきた。そのとき、子宮口5センチと
いっていた。
助産婦さんも診察をするんだ。子宮口の開き具合を調べるんだけど、陣痛が
きてるときにやるもんだから、猛烈に痛い、苦しい、やめてくれ〜〜!!
なんだよぅ。
相変わらず頭は高かったらしい。専門用語でよくわかんなかったけど。
陣痛と陣痛の間は意識が寝ていた、というかもうろうとしていた。あとで
助産婦さんが言うところでは、この寝ていた、座った体勢になっていた
というのが、思ったより分娩が早くすすんでくれた理由らしい。

もう、その時は陣痛間隔なんてわかんない。たまにモニタの心拍表示を
みるのだけがせいいっぱい。
何時かはわからないけど、分娩室に行く前の最後の助産婦さんの診察で
子宮口が全開になっていた。そんでもっていくら深呼吸をがんばっても
赤ちゃんの心拍がだんだんおちてきた。
で、助産婦さんにかかえられるように分娩室にいく。自分の足で。
先生が2,3人、助産婦さん&看護婦さんも3,4人いたかなぁ。
分娩台にのる。
左手に点滴を、鼻に酸素送るチューブをいれられた。
この時からふ〜うんっ呼吸が解禁に。
しばらくはまだいきませてもらえない。鼻から大きく深呼吸すると
心拍が一度快復した。
あと赤ちゃんが向きをかえると心拍がかわるらしい。
「もうちょっと頭がさがってくるのを待つ?!」みたいな雰囲気に
なる。私は内心「もういやだぁ、早く産ませてくれ〜」と思う。
と、次の瞬間にはまた心拍数がさがる。先生同士が顔を見合わせた
ように思った。
一生懸命鼻のチューブから酸素をすうけど、どんどん心拍がさがって
った。それと前後して、いきむように指示される。
深呼吸を2回して、(2回するのが異様にもどかしい)いきむ!!!
自分の声とは思えない声が出る。たとえたら地鳴りみたいな。
あんな声はたぶん分娩時にしかだせないだろう。
でも、声はだすな〜と怒られる。力が分散するんだって。
それから目は閉じずにおへその方をみること。
何回いきんだかはっきりとは覚えてないけど、4,5回だと思う。
最初はおしりに力をいれて、といういうのがよくわからくて
うまくいかなかった気がする。ようするに、大きいのをするように
力をいれるんだ。
書くの忘れたけど、吸引分娩なんだ。かろうじてその機械が
赤ちゃんの頭にかかるくらいになったらしい。
そうなってからいきんだのは2回ぐらいだったと思う。
男の先生がおもいっきりおなかをおした。
そして、最後のいきみ。。。。
頭がでてきたのが、なんとなくわかった。いきみは吸ったところで
息をとめてふんばるんだけど、息が続かなくなったら息継ぎするんだ。
で、一回の息止めではまだ頭ができった感じじゃなかったので、
そこでいきむのをやめちゃいけないと思って(ほんとここでやめちゃ
まずいと思ったんだ)、すばやく息継ぎで、懇親の力をこめる。
頭がでた!その後からだはするする〜と出てきた。
先生があかちゃんをとりあげて、助産婦さんに渡すのは見た。
まっかだった。

心拍は最後には聞こえなくなってた。そしてあかちゃんは泣かなかった。
「あれ〜あかちゃん泣かない。。。なんでだぁ」と、ぼ〜っとおもった。
放心状態だったんだ。うろたえるとか悲しいとかそういう感情がおこる
前に、となりの赤ちゃんがつれていかれた部屋から、鳴き声がきこえた。
「おぎゃああああ〜」
産まれた、私の赤ちゃん。生きてる。。。

助産婦さんが、「赤ちゃん元気ですよ〜」と教えにきてくれた。
「性別は。。あれ、どっちだったかな、見るのも忘れてつれったっから」
といってもう一度赤ちゃんを見にいった。
女の子だった。
「女の子かぁ、かんちゃんが喜ぶな、あと男の子の名前を考えなくて
いいな」というのがそんとき思ったこと。

きれいになった赤ちゃんを助産婦さんが連れてきてくれた。
ちっちゃ〜い。「こんにちわ」と声をかけた。
心の中で「ともみちゃん、君の名前は智美ちゃんだよ」と声を
かけた。
今にして思えば、他にもっと気の利いたこといえないのかぁと
思うけど。。(^^;

心拍がおちたのは、へその緒が首にかかってたらしい。
それから羊水も少なくなってたらしい。
泣かなかったのは羊水を飲んじゃってたから、それを吸い取って
もらったら、鳴き声をあげたってわけ。
ともちゃんは心拍数も160台で元気だった。先生が「なんか
(分娩時)問題があった子が案外元気だったりするんだよね」と言った。
あと、こんなことも言ってた。「吸引の時は、1回でいかないと
ひやひやするんだよね」って。
最後のいきみで産みきったのは、よかったんだ!と勝手に解釈する。

呼吸法とかうまくできなかったし決して満足できる分娩じゃ
なかったけど、お母さんがんばったよ。
ともちゃんもがんばったね。えらいよ!!
無事産まれてくれて本当にありがとう。。。

しばらくして先生がおなかをおしたら胎盤がでてきた。
助産婦さんが胎盤をみせてくれる。「これが胎盤で、これがへその緒ね」
胎盤は魚の内臓のばかでかいやつって感じ。

実は急遽吸引になったので会陰切開する時間がなくて、避けてしまった
のだ。それを縫合する。先生は「吸引にしてはそんなにひどくない」と
言っていた。
しかし縫合は思ったより時間がかかって、(30分ぐらい?)かなり
痛かった。麻酔とかもしたみたいだけど。
歯医者の辛い時ぐらい痛かった。
中学の同級生に似ている先生は、「誰に見せても恥ずかしくないくらい
きれいに縫えたよ、まあ誰に見せるもんじゃないけど」と言った。
縫合が終わって、肛門の状態を見たら長かった分娩台もおしまい。
助産婦さんが陣痛室につれていってくれる。今度はベッドで。
そんで、体をふいてパジャマをかえてくれた。
新しいパパ(かんちゃん)と、おばあちゃんになったママが陣痛室に
来てくれた。
かんちゃんの第一声は「どう?だいじょうぶ?」だったと思う。

みんな産まれるのは夜中だったと思っていたので、誰もいないだろ〜
と思ってたら、かんちゃんはちょうど病院に戻って来てたらしい。
で、かんちゃんから連絡をうけたママも来た。
かんちゃんの話。
 夜中だってきいてたから、長丁場に備えていろいろ用意してきた。
 ロビーにいて、エレベータに乗ろうとしてる先生捕まえて
 「神辺ですけど、どういう状態ですか?」ときいたら、「ああ、神辺
 さんね、産まれましたよ」といわれて「へっ?!」と思った。
 もしかして、かわべさんか、かわなべさんの聞き間違いかも。。と
 思っていたら、助産婦さんが来て「神辺さんのご家族の方〜」と
 呼ばれた。「女の子さんですよ」
ほんと寝耳に水状態だったみたいね。

助産婦さんがともちゃんを連れてきてくれた。
生まれたての赤ちゃんは2時間ぐらい起きてるんだって。
ともちゃんは私の右腕の中に。かんちゃんは写真をとりまくってた。

前後して助産婦さんが子宮の状態を見に来る。また血がどばっと出た
感覚。
病室に戻る前に、トイレに行く。産後最初のトイレは看護婦さんが一緒に
来てくれる。便座から立ち上がってトイレから出た瞬間、クラクラッと
して看護婦さんが支えてくれた。すげ〜貧血だぁ。
病室に戻る。病室のみんなが祝福してくれた(^o^)
すぐ横になるけど、なかなか寝付けなかった。

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