SVA東京市民ネットワークNEWS LETTER「里程標」第7号

タイとバリを旅して

秋池智子

 仕事の契約が切れたのでタイとバリの旅行をしました。タイはバンコク、アユタヤ、チェンマイを11日間で周りました。はじめてのタイは眼に入るもの全てが新鮮でした。スリルあるトゥクトゥク、街を歩くお坊さま、国歌に起立する人々、川の周りに並ぷ家々…。そんな普通の光景さえおもしろく感じました。

 オートバイをぷっとぱす小学生を見て、「巨人の星」を思い出しました。小学生で車を乗り回す花形満は日本でこそ物笑いの種ですが、ここでなら存在しうるのです。一方、タイにもコギャルがいて藤さました。彼女達は、制服にブランドもののパッグ、サンダルを身につけ、ポケベルや携帯電話を使いこなしていたのです。チェンマイのトレッキングツアーでは、大自然を前に「ディズニーランドのジャングルクルーズみたい!」と言ってしまい、その発想の乏しさに自分ながらがっかりしました。また、若くて素敵なお坊さまにはついおじぎをしてしまったりして不思議な外人にもなってしまいました。タイど素人の私には、文化や国民性について考える余裕はなく、このように日本人的感覚でこの国を旅行しました。おまけにアジア人でありなから西洋人にタイの歴史を教わるという不勉強ぷり…。タイについて語ることなどとてもでさません。いつかもう一度タイに行ってこの国のことをもっと吸収しようと決心しつつ、私はバリに向かいました。

 バリには二週間いて、バリ舞踊を観ることと習うことを中心に過ごしていました。一年ぷりのバリは、額光客が増えたように思いました。観光客粗手の店も増え、道は整備され、物価は軒並み上昇していました。観光地化すると旅行客には便利ですが、土地は汚され地元の人々の心がすさんでしまいそうで恐れを感じてしまいます。すでに有名なリゾート池では、人の心や自然は破壊され、バリの枕詞ともなっている「神々の島」を悪じることはできません。外国人を魅きつけてやまないバリの風習や芸能は観光客のために受け次がれている部分も多く、島全体がレジャーランドと化してしまいそうな気がします。バリでも楽しく過ごすことができましたが、私も観光地化に加担している1人であることに心が痛みました。


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