SVA東京市民ネットワークNEWS LETTER「里程標」第18号

1999年度は881件(団体・個人が参加)。4552冊が集まり、カンボジアとラオスに届けました。2000年度もこの運動に取り組みますのでご協力ください。

絵本を届ける運動に親子で参加された方に
感想を書いていただきました。

 私には小学校1年生の息子と3歳の娘がおります。私自身絵本が好きだったこともあり、二人共生まれた時からたくさんの絵本に囲まれて育ってきました。息子は学校で作文に「ぼくのたからものは、たくさんある本です。」と書く程に、彼らにとって絵本はかけがえのない宝物であると同時に、あってあたりまえの存在なのです。

 昨年末、ふと目にした新聞記事で、SVAの『絵本を届ける運動』を知りました。国際ボランティアというと、とてもむずかしく思え、私なんかには無理なことと考えていましたが、絵本というととても身近かな物を通して行なえるという点や、作業が簡単だという点、そして何より絵本の楽しみを、一人でも多くの子どもたちに知ってもらいたかったことから参加を申し込みました。

 作業する本のタイトルが選べるというのもこの活動の魅力だと思います。我が家では家族それぞれが一番好きな本を選び、合計で4冊の参加としました。息子には、世界中には様々な事情の国があること、絵本が欲しくても手に入らない子供たちがいることを話してやりました。クリスマス前だったこともあり「カンボジアにはサンタいないの?」などとどこまで理解できたのかわかりませんが、『外国に絵本を送る』ということに興味を持った様子で、自分の選んだ本には自分でシール貼りをすると言い出しました。

 いよいよ絵本が届き、息子の選んだ『ぐりとぐら』にはラオス語の訳文がついていました。初めて見るラオス語に親子そろって目を丸くし、しばらく文字を鑑賞してからゆっくりと1ページずつ作業していきました。まず地球儀でラオスとカンボジアの場所をさがし国旗も確認。区立図書館に出掛け、ラオスとカンボジアについて書かれた児童書が1冊もないことを知り驚きました。しかし、ちょうど小渕首相が東南アジアを歴訪中で、ラオスやカンボジアの風景をニュースで垣間見ることができ、全く知らなかった二つの国が、急に近くに感じるようになってきたのです。私にとっても、ページをめくる小さな手を想像しながらの作業は、とても楽しいものでした。

 できあがった4冊の本をならべ、二人で悦に入っていると、息子が「ぼく、いつかラオスに行くね。ぜったいぼくのぐりとぐら読んだ子と、友だちになりに行ってくるね。」と言います。息子にとっては援助とか、ボランティアとかではなく、「ぼくの好きな本を紹介してあげた」という感覚だったことをとてもうれしく思い、いつの日かその夢がかなうことを願っています。

 21世紀、子供たちにとってアジアの国々が近くて遠い国から、近くて近い国になることを願ってやみません。

(荒木裕子さんとお子さん)

★荒木さん、急なお願いにもかかわらず、寄稿していただき有難うございました。


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