SVA東京市民ネットワークNEWS LETTER「里程標」第15号

バンコク出張記

M.I.

 私は、昨年10月中旬より2ヶ月間バンコクに出張に行きました。

 仕事の内容はというと、会社は土木系のコンサルタント会社で、今回はJICAの開発調査という仕事で、チャオプラヤ川の洪水対策のマスタープランを計画するというものでした。

 今回タイに行ったのは実質3回目、入国回数にすると5回目になります。仕事で訪れたのは今回が初めてで、今までとは色々な面で違った経験ができました。まあ、一言でいえば旅行と仕事の違い、それから滞在期間の違いでしょうか。

 今までは、いわゆる貧乏旅行で1泊100バーツ(1バーツ約3.3円)程度の安宿に泊まり、1〜2週間程度の滞在でした。バックパッカー街のカオサン通りに泊まったこともありますが、たいていはラマ4世通りのルンピニスタジアム周辺にあるゲストハウスに泊まっていました。滞在中は特別あてもなくチャイナタウン、クロントイ、たまにパッポンなどを徘徊していました。

 今回の出張での最初の驚きは泊まるところでした。チャオプラヤ川沿いにそびえる27階建の新築マンションで、1LDK、プール、テニスコート、スポーツジムもついています。贅沢といわれればそれまでですが、場所は少々田舎のノンタブリ県というところで、正確にはバンコクではなく、バンコクの北隣の県になります。そのためバンコクに出るには1時間くらいかかるところです。また、このプロジェクトは3年目になるのですが、それまでは皆ホテル住まいでしたので、このアパートの宿泊費、一泊3000円程度(1000バーツ弱)はリーズナブルともいえます。さらに私は2ヶ月の滞在でしたが、長いメンバーは半年近く滞在することになります。

 今回の滞在で初めて伊勢丹に行きました。スクンビットにも行きました。そしてタニヤにも行きました。私を除くほとんどのメンバーは以前よりこのプロジェクトに関わっているためタイ滞在は長く、週末の伊勢丹へのショッピング、スクンビットのソイ33の日本人街などはごくごく日常的に行く場所で、タイに何度も来ている私が行ったことがないというと、驚きの目で見られました。

 そして日本人飲屋街のタニヤは、以前通りの入り口からは覗いたことがあるのですが、通ったり、ましてや店の中に入ったというのは今回が初めてで、まあとにかくびっくりでした。ほとんど全てが日本人のための店で、看板は日本語、店の前には派手な洋服を着たホステスさん達が大勢並んで、その前を通るたびにいらっしゃいませと頭を下げます。店に入ると、程度の差はありますが大なり小なり皆日本語を話し、カラオケは当然のように日本の最新ヒット曲が揃っています。

 その他にも驚きはたくさんあります。日本人が大勢住むバンコクだけあって日本人会なるものもあり、また日本人向けのバンコク週報という新聞もあり、バンコク週報のチラシには日本食レストランや日本人相手のクラブなど、ふらりと旅行で来ただけではわからない情報がたくさんあります。どちらが裏でどちらが表の世界か分かりませんが、これでとりあえず大雑把なバンコクの裏と表を見たのではないかと思っています。(タイフリークにはまだまだといわれそうですが)

 まだまだ書きたいことはありますが、またの機会にしまして、最後に一言。タイ料理のおいしさの余り、きこくごに禁断症状が出てしまいました。

 かくして、幸か不幸か、貧乏バックパッカーからジャパニーズビジネスマンと変貌を遂げつつあるM.I.でした。


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