SVA東京市民ネットワークNEWS LETTER「里程標」第10号

エキサイティング!水かけ合戦

タイ正月・ソンクラーン祭り
盛況に開催

《タイの正月は4月だ》

4月13日の日曜日、東京の新中野にある慈眼寺(真言宗豊山派)境内において、タイ正月(ソンクラーン)祭りが開催された。主催したのは「ソンクラーン祭り実行委員会」で、主にタイ留学生協会と日本人有志で構成され、今年で7回目の開催である。
これまで、文京区内のお寺や北区の聖学院高校などを使用してきたが、この数年は中野での開催が定着してきた。というのも、慈眼寺の木村住職がバンコクのワット・サケットとの交流があり、そのご好意により境内と伽藍を使わせていただけるからだ。なお、境内にはワット・サケットから持ち帰った仏像とそれを安置している仏塔(チェディ)が建立されている。

ところで「ソンクラーン」について少々説明しておこう。
『タイの旧暦では、太陽が双魚宮から白羊宮に入る時が正月である。3〜4月に起こるが、公式的に4月13日としている。正月の日には早朝、広場などで市民多数により、大托鉢供養がされる。午後に各寺院の砂を盛った庭で、本尊仏の潅水式が行われる。住職に三拝し、砂の塔を築いて祈願する。篭の鳥を放す人たちの姿も見られる。いずれも善根である。…毎日、陽のあるうちは、社会秩序への反乱儀礼と称されるような、猛烈な水のかけ合いが続く。タイ族の正月は元来東アジア型で、旧暦1月に祝われたらしい。今世紀前半までは、その形が濃く残っていた。』(田村仁『タイ仏教遊行』佼正出版社から)

《毎年楽しみにしている在日タイ人》

当日は好天に恵まれたうえ、4月13日のソンクラーン当日に日本の祭りが開催されたのは初めてという事情も重なって、3千人位のタイ人、日本人などがつめかけた。会場はそれほど広くないので、参加者は2千人程度がちょうどよいのではないかとの打ち合せから、積極的に宣伝をしていないのだが、口コミで在日タイ人に日本でのソンクラーン祭りのことが伝わっているようだ。また留学生だけでなく、働きに来ているタイ人の姿もかなり見かける。彼ら彼女らにとって、ソンクラーンは待ちに待った日のようだ。日本にいるタイ人のお坊さんがきちんと儀式を執り行い、水かけ用の仏像も祭壇も用意されている。10時から始まった儀式には百人くらいのタイ人が参加し、読教に続いて聖水をお坊さんの手にかけたり、かけられたりしていた。
会場内には、「サワディー」などのタイ料理屋台やSVAほかのNGOショップ、さらにはKDDなどによる無料国際電話サービステントが並び押すな押すなの大盛況だった。また、講堂ではタイ舞踊やムエタイ(タイボクシング)などが披露されていた。そして、圧巻は昼頃から始まった水かけ合戦で、例年以上に大量の水があちこちから飛んできて、参加者のほぼ全員がずぶ濡れ状態におちいった。タイは暑季だが、日本では濡れたあとがやや辛い、そんなタイ正月だった。

(ソンクラーン呼びかけ人・白石孝)


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