SVA東京市民ネットワークNEWS LETTER「里程標」第10号
この本は、1994年・95年にバンコクにて行われた、主にバンコク在住の日本人を対象とした3回のシンポジウムをまとめたものである。
第1章ではこれまでのタイ社会の動きとタイ人から見た日本について、第2章では現在のタイ社会の問題と現状、第3章では変わりゆく農村について、それぞれタイ人・日本人のパネラーがさまざまな視点から意見を述べている。
シンポジウムのまとめなので、まず内容を理解しやすいという印象を受けた。またタイ人がタイのことについて述べた本というのは、日本では非常に珍しいのではないだろうか(大学の論文などにはあるのかもしれないが)。
パネラーとなっている人たちが、研究者・政府官僚・農村のリーダー・マスコミ関係者と幅広いこともこの本の魅力の一つだ。
「“微笑みの国”タイ」というイメージから一歩進んで、日々変化していくタイ社会をつかむ良い材料となる一冊であろう。
河口尚子
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