「スーパーバンド」のメンバーは、バンマス・吉田拓郎、小田和正、伊勢正三、稲垣潤一、山本潤子、白井貴子、大江千里、大友康平らから成る。94年には坂崎幸之助や佐藤竹善、平松愛理など、95年はスーパーバンドの結成はなかったが、江口洋介、森高千里、奥田民生らも出演しており、ものすごい豪華メンバーであることが分かる。そして、このバンドの注目点は、メンバーが専門以外の楽器を演奏するという点。吉田拓郎ならベース、大友康平ならドラム、といった具合である。
今年のメンバーはまだ確定的ではないが、興味を引かれることは間違いない。例年、テレビでも放送しており、今年も期待したいところだ。
ところで、阪神・淡路大震災の当日から、泉谷しげるがゲリラライブをおこなったことはよく知られていることだ。このとき、あるロックミュージシャンが彼のことを「売名行為で本当のチャリティーではない。俺たちが本物をやってみせる」といった発言をしたように報道された。もし、この報道を信用するなら(報道が信用するに足らないことは周知の事実だが)、このロックミュージシャンの発言は責任のない発言だったことになる。そもそも、泉谷しげるは俺のやっていることは売名行為だっ、と公言してはばからないし、同情するなら募金しろ、と叫んでいた。しかし、泉谷はなんだかんだ言っても、今日まで継続して活動してきたのは、揺るぎない事実である。しかし、その批判したミュージシャンの活動はその時限りしか伝えられていない。
結局、形にすることができたという点で、とにかく実行し続け、雑音を封じ込めたという点で、泉谷しげるの行為は素直に認めるべきだと私は思う。彼の台詞は、多分に照れ隠しが含まれており、本音の部分はかなり心を痛めていただろうし、悩みもしたのだろうと思う。しかし、彼は自分の信念を貫き通した。以前、TBSの「モーニングeye」で密着リポートがあり、見たことがある。その時の彼は、至ってまじめで、真剣に質問に答えていた。そのような人柄の彼が、惨事を目にして、何かできることがないかと考えたのは自然な流れだったのではないだろうか。
今、私は批判したロックミュージシャンより、泉谷しげるの方がよほどかっこよく見える。毎年夏が来ると、彼の吠える姿が待ち遠しくなる。誰が何と言おうと、私は泉谷しげるの活動を尊敬したいし、声援を送り続けるだろう。あの時々見せる、照れ笑いにしびれたいから・・・