ひとつの地球 ひとつの人間性
          
 
「すべての人々が全世界をわかちあっているのだと思ってごらん。
 君は僕のことを夢想家だというかもしれない。でも僕は一人じゃない。
 いつか君も僕らの仲間に加わって、
 世界がひとつになって生きていければいいと願っている」
                      ジョン・レノン『イマジン』
 
同時多発テロ勃発後、アフガン、イラク攻撃など、悲惨な光景が駆け巡り、
まるで世界は、第三次世界大戦の前日でもあるかのように展開している。
自衛隊のイラク派遣も決定し、この五十有余年来、戦争放棄を国是としてきた
日本国の先行きも、いよいよ怪しくなってきた。
  反面、世界中で戦争を好まない人々が、それぞれにその想いを表明し始めており、
 その象徴として耳にすることが多くなったのが「イマジン」だ。
 かつてティーンエイジャーとしてこの歌に感動し、
 今、再び高校生の子供を持つ親の立場で、
 子供と共にこの歌を聞いている人々も多いだろう。
地球はひとつであり、国家や民族や宗教で差別されることのない、
ひとつの人間性にこそ、未来はある筈だ。
この時代にあって、教育の現場で語られるべきは一体なんなのだろうか? 
興味深いテーマの一例として、教育先進国である北欧のフィンランドで、
ひとりの学生が始め、インターネットを通じて、世界に変革をもたらしつつある
パソコンの基本ソフト「リナックス」を挙げることができる。
支えるのは、オープンソースという哲学と、
分かち合いを大切にする無名ボランティアが形作るコミュニティの存在だ。
どんなに困難に思える状況にあっても、必ず事態を超越していく方策はある。
まして、若者たちには未来がある。***高に学ぶ高校生として、
そして、二十一世紀の地球に生きるひとりの人間として、
真剣に地球の未来を考えてほしい。そして私達も保護者として一緒に考え、
真剣に生きることを学んでいきたいと願っている。
 
         PTA会報原稿より(2004年3月1日発行予定)