HONDAモンキー・リストア日記

2月1日

子供が通学用にバイクが必要になり、周囲にそんな話をしていたら、

親戚で、使ってないバイクがあるよ、と言われ、納屋にいってみてみたら、

かなりほこりまみれの小さな原付バイクがあった。

ボクは内心、こりゃ駄目だ、と思ったが、一緒に見ていた息子は

ピンと来るものがあったらしい。

結局、通学用にはヤマハのジョグを購入したが、このちいさな原付バイクも

もらうことになった。

このバイク、どうやら20年以上前のものらしい。ホンダモンキーZ50J。年代は不明だが

1981〜84年のもので、走行距離はまだ451キロ。カバーなく放置されていたとは言え、

完全室内に、長年保存されていたので、意外と錆びなどはすくない。

足回り部分などはまだまだメッキがそのまま、というところもある。

意外や意外、お宝、発見か!

 

2月10日

ホンダモンキーのなんたるかは、まったく知らなかったが、

それなりにネットや本屋で立ち読みしていると、このバイクの

マニアック性がすこしづつわかってきた。

片やハレー・ダビットソン、片や、ホンダモンキー、とは大げさだが、

どうやら、バイクファンの中には、この定番バイクのりストアを趣味として

うつつを抜かして(失礼)いる連中もいるらしい。

と、いいつつ、このバイク、現在はエンジンがかからない。

問題点は、次のとおり。

1、バッテリーがあがっている。6Vのバッテリーを新規購入(3〜5千円?)が必要

2、タイヤが前後とも、ペシャンコ。パンクしているのか? 単に空気抜け?

3、ナンバープレートがありません。これは区役所で無料で交付というが?

4、バイク屋の親父は、キャブレターの掃除が必要という。さて、自分で修理できるか?

5、とにかく長年、ほこりまみれになっていたもの。オーバーホールが必要だ。

6、バイク屋の兄ちゃんは、乗るまで5〜6万はかかるよ、という。

7、こちらは、そんなにかける気はない。せいぜい、1万が限度でっせ。(今のところ)

8、タンクの内部には、確かに錆びがある。これって、タンク交換?(2〜3万必要とか)

9、自動車保険はファミリーバイク特約で、ジョグのほうとともに保障が開始しているが、自賠責が必要。

 

2月13日

 

息子が近くの本屋、ヴィレッジヴァンガードに行って、いろいろモンキー本をみてきたという。

いろいろ本があるらしい。ボクもさっそく出かけていってみてきた。

なるほど、いろいろある。いずれは、この中の一冊(全部2〜3千円以上する)は必要だなぁ。

この本屋、近くにあってすごい好きな本屋だが、パソコン本がほとんどないのが

不満だった。が、なるほど、こっちの趣味についてはかなり詳しそうだ。

ネットで調べてみると、いっぱいあるある。

下手すりゃ、パソコンお宅より、こっちの情報が多いくらい。

ヤフオクで調べてみると、中古モンキーもかなり流通している。

まぁ、ざっと値踏みして、現状でも5万円以上には、なりそう。

もっとも、20年前で109000円程度の商品だから、さてさて、それが安いのか高いのか

現在のボクには判断がつかない。

当然、現在も新品が発売され続けているもので、19万程度?だと思う。

 

 

2月17日

それにしても、タイヤペシャンコはとても気になる。自転車の空気入れで空気を

入れようとしたが、無理。近くのイエローハットに行って、空気入れをみたら、800円。

買うかどうしようか迷いつつ、帰宅したところ、数年前に、ガソリンスタンドの景品で

まったく同じものが我が家にあるとの、女房殿のアドバイス。で、早速

踏んでみたら、おおおおおお、ちゃんと空気が入りました。

明日まで、ふくらみが残っていたら、とりあえず、パンクはしていない、ということか。

もっともバイク屋の兄さんにきいたら、古いタイヤは、走っている間に

バーストする時もある、というから、怖い。用心するに越したことはない。

 

 

2月18日

本日やったこと。

1、タイヤの空気圧の確認。パンクはしていない。むしろ、規定の圧よりおおいくらい。

2、区役所に行って、早々とナンバープレートを入手。

3、ビレッジバンガードに行って、モンキーのマニュアル本を購入。

4、近くのバイク屋に6Vのバッテリーを取り寄せ依頼。

5、シャッター付きの車庫にモンキーを入れ、なんとなくバイク・ガレージらしくなる。

6、古いガソリンを抜く。

7、古いエンジンオイルを抜く。

8、プラグの場所を確認。

 

2月19日

本日やったこと

1、近くのイエローハットでオイルとオイルジョグを購入

  モンキーは0.6リットルだというから、1リットル缶一本(504円+税)

2、プラグをはずす工具、これも500円くらい。

  早速、プラグをはずしてみると、意外とまだまだ使えそうだが、新しい

  プラグが店頭になかったため、発注。数日必要とか。これも500円くらいとか。

3、やはり、ここでも、キャブレターの掃除は必須と言われる。できれば

  キャブレター清掃は避けて通りたかったが、どうやら、それは無理。

  キャブレター自体は大人のこぶしくらいの装置だが、パッキン類が劣化していて

  破損する可能性があるという。それに部品の紛失の危険性もあるとか。

よし、勇気をもって挑戦! もし勇気がくじけた場合は、イエローハットで3000円くらいで

やってくれるというから、その時は、頼もう。しかし、それでは、モンキーレストア日記の

タイトルが泣く。

それと、タンクの中の錆びだが、どの程度が問題なのかわからない。タンクの中に

灯油と小石を入れて、ガラガラとゆすって錆びをとる方法もあるらしい。

とりあえず、当初の予算が1万円。オイルやバッテリーやプラグは消耗品だから

やむ得ないとして、タンク交換は1.8〜2.0万円くらいかかるらしいから、ちょっと痛い。

 

2月20日

ロフトと化した我が家のガレージ、少しづつ雰囲気でてきたな。

今日、近くのガソリンスタンドにいったときに、聞いてみたら、やっぱり

キャブレターの清掃は不可欠(しつこい。いい加減、あきらめよう)

そして、タンク内の清掃、錆び落としも不可欠のようだ。(これもいい加減、あきらめよう)

ただし、灯油でなくても、水と砂利でも効果があるらしい。そして、洗車場の

ジェット水でぶっ飛ばす、という手もあるらしい。

いずれ、この二つは、とにかく、この週末には、チャレンジしょう。

 

2月21日

本日は土曜日につき、ずいぶんと作業が進んだ。数え上げたら、切りがない。

1、もういちど、水洗いした。先日よりも細かにタイヤ、泥除け裏など、たわし、

  ブラシなどを使って、徹底的に清掃。

2、工具類を買い増して、解体作業開始、かなりのところまで部品とりはずしに成功。

3、キャブレター、タンクの次なる作業のターゲットを確認。

  キャブレターは、意外ときれいな感じだが、どこまでバラしたらいいかわからないので、

  分解は、今日のところはここまで。

  タンクもよく見ると、錆びているのは一部であって、全体は結構きれいであることが判明。

4、エアークリーナーのスポンジがボロボロに劣化しているのが判明、バイク店に部品発注。

  1000円しないだろうとのこと。

5、ここまでバラし始めると、もう徹底的にやりたくなってくる。

    エンジン解体などの要求にもかられる。

  マニアの気持ちが少しはわかってきたというところか。はまり始めている自分に気づく。

 

2月22日

ははぁ、ここまで来ました。

取り外せるものは全部取り外したくなる。これはオスとしての本能かも知れない。

余計なパッケージはいらん。

お前の裸を見せてくれ、っていったって、これは、解体し続ければ、

そこには空が残るだけですぜ。

でも、イブのあばら骨を見てエクスタシーに達するアダムのフェティシズムへ到達するまでは、至っていないが。

例の「禅とオートバイ修理技術」がいよいよ彷彿としてきたが、実はこの本、まだ読んだことないよ。

なんだか、はまってきたよ、自分的には。

本日、マフラーをはずしたら、中のカーボンがはがれてカラカラとなっている。

ゆすってだいぶ吐き出したが、

下のふたをはずして、全部だすまで、一時間ほどかかった。

気持ちはよくなったが、下のふたをはずす時、

3つあったネジのひとつがカーボンでかたまっていたために、ネジ切れてしまった。

これは不覚。

組み立て時に何か対策を考えないといけないかもしれない。

さて、タンクの錆び落としにかかった。最初、砂利を拾ってきて、水洗いし、

適当にタンクの中にいれ、

ガラガラとこすってみた。そして、ふたたびとりだしてみると、

なるほど、確かにさびがおちていいる。

次に水を入れて、洗い流す作業を何回か、繰り返してみたあと、

最後に、灯油と砂利でガラガラして

みたところ、ほとんど、灯油はきれいなままだった。

タンクの内部をみると、まだピカピカという状態ではないが

(多分、永久にピカピカにはならないだろう)、

今回のタンクの清掃はこれで完了ということにしておこう。

ところで、キャブレターだが、ホンダのキャブレター、と何回もつぶやいているうちに

ふと気がついた。実は、義弟がこの「ホンダのキャブレター」をつくっている会社に

長年勤めているのであった。さっそく確認してみると、ああ、たしかにあるある、

彼の会社の名前のエンブレム「K」マーク。

そうか、彼はこういうものつくりを仕事にしているのだなぁ、とあらためて確認し、

兄弟愛(おいおい、おおげさ)を再認識した次第であった。

今回は、弟の仕事に敬意を表して、

キャブレターの分解は最小限にとどめることにした。

ま、20年前は、キャブレターをつくっていたけど、

すでにこの製造はアジアにうつって

いるらしい。今はほぼ完全にインジェクター製造に移行しているとか。

 

2月23日

さぁ、本日は月曜日です。今週もお仕事モードで頑張りましょう。

と事務所の机に向かったものの、なんだか、

ばらしたままのモンキーが気になって、仕事が

手につかない。さっそくガレージにいって、

組み立てられるところだけ組み立ててしまった。

さすが、1/1プラモデルならぬ、メタモデル、といわれるだけあって、

組み立てるのもあっという間だ。

ネジが一個切れてしまったマフラーは、機密性を上げるため、

グリスを塗り、注意深く他の二つのネジをしめた。

つらつら考えるに、バイクには、エンジン系、電装系、駆動系、

操作系の機能に分かれるようだが、

今回、やっているのは、どちらかと言えば、エンジン系がメインということになろう。

駆動系で気になるのは、チェーンの緩みだが、これは、

走ってみてから調節してもいいのだろう。

あんまりゆるすぎると外れてしまうし、きついと切れてしまうとか。

それと、そろそろ完成がみえてきたわけだが、ここまでいろいろなものが役立ったが、

台所用品としては、食器洗い用のビニール手袋と、ボンたわし。定番としては軍手。

それと今回購入した1680円のねじ回しセット、

これがないと、解体、組み立ては不可能だ。

キャブレターは、組み立てる時に、ちょっと一工夫が必要であった。

今後、ひょっとすると、

完全分解するかもしれない時のための準備としては、今回はここまでで十分だろう。

さぁ、あとは発注していた部品類が届けば、最後の組み立てをして完成である。

うまく、エンジンがかかって、走り出してくれるだろうか?

 

2月24日

イエローハットに頼んでおいたプラグがようやく届いた。

ピカピカの部品だけど、なんともかわいいプラグだ。

さっそく、取り付けて、いよいよの出番に備える。

それと、本日のトピックスは、タンクのことだ。

大きい声ではいえないが、というか、

ちいさな文字でしか書けないが、実はタンクの中の錆びが

進んでいて、泣きたくなっ

日曜日の錆取りの作業が逆効果をうんだのかもしれない。

ま、今回は、錆び取りの作業が、表に錆びを浮き上がらせたのだろう、ということで、

自分を慰めるしかない。

ブラシや、金具が届く範囲で、錆びを拭い取り、

今晩は一晩、灯油につけておいてみることにした。

タンクの中の錆びは、いずれはエンジントラブルの

原因になる可能性はあるだろうが、

今回、いっぱつエンジンをかけるだけなら、すぐに影響はないだろう。

いよいよの時は、それから、またタンクのことを考えればいいはずだ。

このへんは、光ファイバーなみに「立ち直り」を早くしておいたほうがいいだろう。

ガソリンも、一升瓶に一本用意した。

本日は、バイクショップのほうはお休み。明日あたり、

バッテリーとエアークリーナーのスポンジがくれば

いよいよ、始動できるかも。

そうそう、そういえば、どうしてもこの本がほしくなって、買ってきてしまいました。

いつもお世話になっている、めるくまーる社発行ですから、ゆっくり読もう。

「喪失した記憶を奪還するために、過去へ通ずる独自の哲学ロードを突っ走る」

いいなぁ・・・

 

2月25日

バイク屋から部品が入ったよ、と電話があった。さっそく昼飯を食って出かける。

わくわくする。この部品さえ入れば、一応エンジンがかかるはずだ。

いやはや、この年になって、こんなワクワクしながらバイク屋にいくことになるとは

つい先日まで、思いもしなかったよ。

親父さんは、取り付け方を教えてくれて、値段もすこしサービスしてくれた。

さっそく、帰宅し、とりつけ作業にはいった。もう、

自分の中ではシュミレーションができていたから

作業そのものは簡単だった。ただ、バッテリーを取り付けるときにちょっと甘く見て、

きつく引っ張りすぎ、電線コードを危うくひっちぎりそうになって冷や汗。

すべてがそろったので、さて、いざ、キックいっぱつ!       

でもエンジンはかからない。

あ、メインキーを入れるのをわすれていたよん。もういっぱつキック。

ばぉおおおおおん    パチパチパチ     かかりました。  お見事!!!

ウインカーもヘッドライトもバックランプも見事に点燈します。

でも、エンジン音がすこし異常だなぁ。バリバリバリと、金属がこすれている音がする。

あわや、どこか閉め忘れたか?  

イロイロ探してみたら、早々と取り付けていたナンバープレートと

泥除けがぶつかっている音だった。あわてて、

すこしナンバープレートの付け根を持ち上げて、

触れないようにしたら、おお、だいぶ快適な音になってきました。

オイルの混合比や、油量コックなどをいじっていると、

今度は、マフラーの付け根あたりから

煙が上がり始めた。わぁ、これはまずい!  あわてて、エンジンのスイッチを切った。

いや、エンジンからの煙が漏れ出したのではない。

マフラーを解体した時に、たっぷり磨いたため

油脂類が残っていたのだろう。エンジンが熱くなったので、それが焼けたのだ。

確証はないが、そう、あってほしい。

一回エンジンを冷ましてから、また挑戦。そして、すこしづつ

調子をみていくしかない。エンジンを切ると、

ガレージの中に広がったエンジン音が消えて静寂が。

と思いきや、外を走るバイクの音が聞こえてきた。それも何台も。そうかそうだよな。

バイクなんて、実用品だ。生活用品だよ。エンジンなんてかかって当たり前ジャン。

そうはいうけど、やっぱり、おいらはうれしいよ〜

明日は、大安吉日、じゃなくて、友引じゃ。いよいよ、走り初めになるかもしれない。

新鮮な空気を吸いに外に出てみると、ガードの上を新幹線が走り抜けていった。

 

  補足 モンキーリストア経費一覧  
  本 体 HONDAモンキーZ50J (もらい物) 0
  部品代 エアークリーナーエレメント 651
    バッテリー 3,045
    エンジンプラグ 441
  消耗品 エンジンオイル 504
    ガソリン 462
  道具類 オイルジョッキ 682
    プラグ回し 530
    工具セット 1,764
  書 籍 「モンキーカスタムファイル」 3,150
    「禅とオートバイ修理技術」 2,940
  保 険 自賠責 60ヶ月 18,230
  税 金 軽自動車税(一年間) 1,000
    合    計 33,399