全身を真っ黒に塗り、頭にバナナの葉を巻いた半裸の男たち、そしてだるまのように竹を編んだものに布を張り、なかに人が入るピー・タ・コーン・ヤイ(大きなピー・タ・コーン)と呼ばれる男女一対のおばけがいる。
ピー・タ・コーン・ヤイには、女性器と男性器が派手につけられていて、ときおり互いの性器をつけ合って、セックスの振りをする。ピー・タ・コーンたちは、手に木製の剣や男性器をかたどったものを持っている。剣型のものも柄の部分は、やはりその形だ。特に男根形のものは、赤く色づけされた先端の亀頭の部分が、手元の操作でピコピコと動くようになっている。これは子孫繁栄を願う象徴であろう。ピー・タ・コーンは、女性にそれを押しつける格好をしておどけてみせる。
仏を先頭に3人の僧、男の土地神様が、竹の神輿に乗って寺へと向かった。ここで土地神様は金紙銀紙に包んだお金を神輿の上からまく。中身は1バーツ(3円ほど)なのだが、必死に奪い合っている。幸運の印なのだ。