平成16年12月12日

「宮前川クリーンネット」の設立にあたって

私たちは、松山市を縦横に流れる宮前川の流域で暮らし、活動する市民・企業・団体等々のご参加・ご支援をいただきながら、清く美しい宮前川づくりに取り組み、日本一のまちづくりを目指す松山市にふさわしい宮前川を子々孫々に引き継いでゆく挑戦を始めることといたしました。

松山市の治水基盤は、慶長年間に、藩主・加藤嘉明の重臣・足立重信による伊予川(重信川)・湯山川(石手川)の付替えによって確立されたことは余りにも有名であります。

その後、大川文蔵による「曲出し」工法を軸とする湯山川(石手川)の改修が行われ、十五万石の水田治水基盤が完成したと言われています。

松山市が発展を続ける中で、人口が増加し、水田の宅地化が限りなく進展いたしました。魚を育て、稲を育てる「宝の川」と言われていた石手川には、市民の「命の水瓶」としての役割が加わってまいりました。昭和47年には石手川ダムが建設され、現在では松山市民に必要な水の約50%が賄われています。

こうした治水史の中で、現在でも石手川の大小14の堰から取水された水は、市内を縦横に走る水系を経て、生活排水の一部と共に三津浜港・和気港等々に注がれています。

しかし、非常に残念なことは、湯築城跡の内堀・外堀も、松山城のお堀も、宮前川をはじめとする幾つかの川も、「日本一のまちづくり」を目指す松山市にふさわしい水質・美観・景観には、ほど遠い状況に置かれているということです。

財団法人:世界自然保護基金ジャパン主催の「第十二回全国中学生・高校生 かけがえのない地球を大切に(2003年)」の作文コンクールで最優秀に輝いた、済美平成中等教育学校一年生・〜M〜さんの「濁ってしまった宮前川の声」と題する作文でも、宮前川の現状・課題を余すところなく提起してくれています。

私たちは、この作文とその裏づけとなる調査研究資料である「よみがえれ 宮前川」を読ませていただき、深い感銘を覚えました。大人としての責任を感じ、忸怩たる思いに陥りました。頭を叩かれたようなショックも受けました。

(作文と調査研究資料はエコ・ライフ夢幻村のHPでご覧下さい)

“よみがえれ宮前川!” http://www.h5.dion.ne.jp/~umaki/

私たち大人は、〜M〜さんを始めとする子供たちの純真な声に「触らぬ神にたたりなし、聞いて聞かぬ振り、知らぬ振り」をして良いのでしょうか。

宮前川流域に暮らし、活動する子供も、大人も、企業も、団体も、心を一つにして、「川の汚れは心の汚れ」を合言葉に、たとえ、それが小さなことでも、出来ることから、継続して「清く美しい宮前川づくり」に結集していこうではありませんか。

「日本一のまちづくり」は、「清く美しい宮前川づくり」なくしてはあり得ません。

市民の皆様方の積極的ご参加とご支援をお願い申し上げます。

宮前川クリーンネット
発起人会代表: 西 崎 幸 男
(NPOエコ・ライフ夢幻村 代表理事)